16S rRNA 配列解析による細菌同定の精度に関して知りたいです。
現在、ヒトから分離された黄色ブドウ球菌(以下、S. Aureus)と“称されて”いる菌体の同定を行っています。まず PCR にて幾つかの遺伝子の有無を調べたところ、ユニバーサルプライマーを用いた 16S rRNA の増幅は見られるが、黄色ブドウ球菌に特徴的な耐熱性ヌクレアーゼの増幅が見られない菌体がありました。次に市販の生化学的手法を用いたキットを用いたところ、S. Aureus ではなく、Staphylococcus Auricularis (以下、S. Auricularis)と同定されました。さらに 16S rRNA の全配列を解析したところ、相同性は S. Aureus とは 99 %、S. Auriclaris とは 97 % 程度となり、PCR あるいは生化学的な同定結果と矛盾が生じています。簡単に調べたところ、「16 S rRNA 配列が99 % 以上であっても属レベルで異なる細菌もある」という記述などを読み、16S rRNA の配列の相同性が高いということは、細菌同定の際の必要条件ではあるけれど、十分条件ではないのかな?と思ったりもしています。しかしながら細菌学のバックグラウンドはあまりないので、実際のところどうなのか、詳しい方がいらっしゃったらぜひ教えて下さい。また、この菌体の菌種を最終的に決定するにあたり、更にどのような実験を行ったら良いか何かアドバイスがありましたら併せてお願いいたします。 |
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