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細胞障害アッセイについて トピック削除
No.969-TOPIC - 2009/08/03 (月) 14:04:19 - K2
細胞に対して刺激性のある試薬を加え、それに対して抵抗性のある(刺激が緩和される)分子の検討を行っています。
具体的には表皮細胞や線維芽細胞に対して薬剤、紫外線など様々な刺激を与え、その後に物質を加えて刺激が緩和されているのかをIL-1α産生量などを指標に検討しています。

しかし、以前に学会で他の方がIL-1の産生量を指標にした実験結果を発表されているときに(詳細は覚えていませんが、何かの処置をするとIL-1産生量が低下し刺激緩和が起こったなどの内容だったと思います。)、「細胞死などが起こっていれば細胞は死んでいる訳だからIL-1産生量は当然低くなる。MTT法などで細胞死が起こっていない事を確認した結果なのですか?」という質問をされていました。

細胞に刺激が加わって細胞に障害が起きた場合でも、細胞死が起きた場合でもMTTの結果は似たものになりますよね?(ともにコントロールより低値を示す)このような場合にMTT法で確認を取る必要があるのでしょうか?

言いたい事がうまく伝わらないかもしれませんが、よろしくお願い致します。
 
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要するに阻害効果が特異的か否かという問題です。 削除/引用
No.969-9 - 2009/08/04 (火) 14:12:15 - 月詠
薬剤や紫外線刺激によって繊維芽細胞に誘導された炎症応答を、何らかの薬剤(化合物)を添加することによって緩和しうるか否かを評価する、という実験ですから、要するに(効果があるか明らかでない)何らかの阻害剤を用いて細胞応答を抑制する実験と原理的に同じですよね。

このような特異的阻害剤処理による抑制実験を行う際の最も基本的な問題は、その阻害剤処理による非特異的効果の問題です。
非特異的な作用を大別すると、

(イ)非特異的効果ではないか?
   阻害剤の本来の標的ではない系に非特異的に作用した結果、
   炎症応答が減少するような場合です。
   →見かけ上、抑制効果があるように観察されます

(ロ)非特異的(あるいは特異的)作用の結果、細胞が死んでしまっていないか?
   阻害剤がどこにどのように作用したかは解らなくても、
   ともかく結果として細胞が生存できなくなってしまった場合です。
   →死ねば当然サイトカイン産生などの応答は減少して、
    見かけ上、抑制効果があるように観察されます

薬剤処理によって、実験系がワークしないほどに細胞が大きく傷害されてしまっていては、対象となる薬剤に効果があってもなくても評価できないわけですから、細胞が損傷してしまっていないか否かを検証しておくことは、結果を正しく評価する上で当然必要な情報になります。
阻害剤による抑制効果があるか否かは、少なくとも上記の二つの基準をクリアしていなければ正しい判断ができません。

某学会における質問者の質問の意図は、(ロ)に関するものですから、正統な質問といえます。

そもそも、その薬剤を投与することによって炎症応答は緩和されたけど、それは宿主の細胞が死んだ結果だった、のでは、まったく実用に堪えないですよね。。。

(無題) 削除/引用
No.969-8 - 2009/08/04 (火) 10:53:07 - in situ
>・緩和物質単独処置群でのMTT値を測定して、その毒性が無いことを確認した上での結果なのかを聞かれていた

単独処置群というのがちょっと引っかかりますが、大体その解釈であっていると思います。

>・刺激を与えた情況で緩和物質添加によるMTT値の変化を見てもIL-1の産生量と相関した結果が得られるだけ(毒性無い場合)

これは間違っていて、IL-1の産生と細胞数の比は緩和物質の種類、濃度によって異なるはずで、直接相関はないはずです。
というより、MTTの値が細胞数を表わしているとすれば、毒性がない場合その値はコントロール(緩和物質なし)と同じになるはず。


この実験に限らず、『何を見るためにこの実験をやっているのか』ということを考えて、適切なコントロールをとることが重要だと思います。

今回は、IL-1が低下する場合として、単なる細胞死というのが考えられるため、それを除外するためのコントロールの例がMTT assayなわけです。
単独処置群で細胞死が起こらないことを見るだけで十分と思うかもしれませんが、ひょっとすると『刺激+緩和物質』という組み合わせで細胞死が起こっているのかもしれません。
さらには、その時だけwellのコンタミがあるかもしれません。

そのため、常にIL-1の値だけじゃなくて、MTTの値も測って、IL-1/MTT(もしくはそれぞれを別々に示すか)をデータとして用いた方が信頼性が高くなるというのが指摘の意図だと思います。

(無題) 削除/引用
No.969-7 - 2009/08/03 (月) 18:20:24 - mom-a
>>生きている細胞の元気度を測るのではなくて。
>MTTは細胞の呼吸活性(NADHなどの還元能)を測定するのですよね?この場合でも細胞の活性とは考えずに生細胞数測定と考えた方が良いのでしょうか?

測定しているのは酵素活性ですので、厳密に生細胞数と一致するものではないことはおっしゃるとおりです。おおさんのトピック↓でも両者を同じものとみることの危険性に触れられていると思います。

http://www.kenkyuu.net/cgi-biotech3/biotechforum.cgi?mode=view;Code=787

ただ、一般的にはそれを「生細胞数の指標」とされていることが多く、学会で質問された先生の意図はそこにあると思います。

現実にMTT法が使えるかどうかはケース・バイ・ケースなので、予備データをとってみるしかないかな、という気がします。

(無題) 削除/引用
No.969-6 - 2009/08/03 (月) 17:57:17 - K2
お二方親切なお答えありがとうございます。
私が考えていたのは、
・刺激を与えた情況で緩和物質添加によるMTT値の変化を見てもIL-1の産生量と相関した結果が得られるだけ(毒性無い場合)→ですので、相関があるのか無いのかで細胞死との関連について考察するのかと考えていました。

実際は、
・緩和物質単独処置群でのMTT値を測定して、その毒性が無いことを確認した上での結果なのかを聞かれていた

ということでしょうか?
知識、考え方が未熟なので違うかもしれませんが・・・

mom-a様
>生きている細胞の元気度を測るのではなくて。
MTTは細胞の呼吸活性(NADHなどの還元能)を測定するのですよね?この場合でも細胞の活性とは考えずに生細胞数測定と考えた方が良いのでしょうか?

初心者ですので基本的な事をお聞きしているとは思いますが、どうぞよろしくお願い致します。

(無題) 削除/引用
No.969-5 - 2009/08/03 (月) 17:31:36 - in situ
MTT assayによってどの状況とどの状況を切り分けたいのかを考えれば、なぜMTT assayが必要という指摘が出たのか分かると思います。
自分はその実験系で実際に実験しているわけではないですが、やはりその実験系を聞けば同様の指摘をすると思います。

とりあえず、以下の状況では緩和物質を加えないときを基準としたときの緩和物質を加えたときの変化を考えることにします。

状況
1. 刺激緩和は起こらず、緩和物質の毒性によって細胞死もしくは細胞活性低下
 ⇒IL-1↓、MTT↓
2. 刺激緩和が起こるが、緩和物質の毒性によって細胞死もしくは細胞活性低下
 ⇒IL-1↓↓、MTT↓
3. 刺激緩和は起こらず、緩和物質の毒性もなし
 ⇒IL-1→、MTT→
4. 刺激緩和が起こり、緩和物質の毒性はなし
 ⇒IL-1↓、MTT→

MTT assayをしないと1、3、4の状況が切り分けられませんが、MTT assayを行えば、区別できます。

細胞活性を見るためにMTT assayが適当かどうかということに関しては詳しい方にお任せします。

??? 削除/引用
No.969-4 - 2009/08/03 (月) 17:24:47 - mom-a
>つまり、細胞死が起こっていない状況ではMTTとIL-1産生量測定試験の結果に相関が見られる(MTT値高→細胞活性回復→IL-1産生量低下→刺激緩和)のに対して、細胞死が起こっている場合は相関性が見られないということですか?

違うと思う…

>細胞に刺激が加わって細胞に障害が起きた場合でも、細胞死が起きた場合でもMTTの結果は似たものになりますよね?

MTT assayは普通細胞毒性試験を指しているので、MTT試験の結果は「生細胞数」に比例することを前提にしていると思います。生きている細胞の元気度を測るのではなくて。
もちろん、厳密にそうではないことも明らかで、(確かちょっと前におおさんがトピックを立てていらしたと思います)その場合は、別の方法を使わなければならないでしょう。MTTを使うことが必須なのではなく、細胞が死んでいるのかいないのか示せってことだと思いますが。

(無題) 削除/引用
No.969-3 - 2009/08/03 (月) 14:59:57 - K2
お答えありがとうございます。

つまり、細胞死が起こっていない状況ではMTTとIL-1産生量測定試験の結果に相関が見られる(MTT値高→細胞活性回復→IL-1産生量低下→刺激緩和)のに対して、細胞死が起こっている場合は相関性が見られないということですか?

(無題) 削除/引用
No.969-2 - 2009/08/03 (月) 14:15:43 - in situ
論理の問題のような気もしますが、

total IL-1の低下が起こる状況としては、
1. 刺激が緩和され、IL-1の誘導が減っている場合
2. 細胞数そのものが減っている場合

の二つが考えられ、1ではMTT assayの値は細胞数が変わっていないわけだから変化なし、2では細胞数が減っているのだからMTTも低下

ということになるのではないですか?

細胞障害アッセイについて 削除/引用
No.969-1 - 2009/08/03 (月) 14:04:19 - K2
細胞に対して刺激性のある試薬を加え、それに対して抵抗性のある(刺激が緩和される)分子の検討を行っています。
具体的には表皮細胞や線維芽細胞に対して薬剤、紫外線など様々な刺激を与え、その後に物質を加えて刺激が緩和されているのかをIL-1α産生量などを指標に検討しています。

しかし、以前に学会で他の方がIL-1の産生量を指標にした実験結果を発表されているときに(詳細は覚えていませんが、何かの処置をするとIL-1産生量が低下し刺激緩和が起こったなどの内容だったと思います。)、「細胞死などが起こっていれば細胞は死んでいる訳だからIL-1産生量は当然低くなる。MTT法などで細胞死が起こっていない事を確認した結果なのですか?」という質問をされていました。

細胞に刺激が加わって細胞に障害が起きた場合でも、細胞死が起きた場合でもMTTの結果は似たものになりますよね?(ともにコントロールより低値を示す)このような場合にMTT法で確認を取る必要があるのでしょうか?

言いたい事がうまく伝わらないかもしれませんが、よろしくお願い致します。

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