1について。
一般的に、Caco-2細胞でのTERの上昇は、S字を描きます。最終的なTERの絶対値は、500-2000 ohm x cm2と、かなりラボによってばらつきますが、描く変化は同じです。なので、それについては問題ないでしょう。
なぜS字を描くのかは正確にはわかっていないと思いますが、コンフルエントになったときに、TJはそれなりにできているはず、TERも高くなります。しかしその後、まだまだ細胞が増殖し、円柱状になっていきますので、細胞間にあたる部分も増えていきます(ちょっと説明しにくいですが)。つまり、イオンが透過できるところが増えていくわけです。そうすると、細胞間に当たる部分が増えていく程度(イオンの透過が増える)とTJが成熟していく程度(イオンの透過が減る)のバランスによって、TERがぶれることになるそうです。というのが、TJの専門書に書いてありました。
2について。
Rhodamine-123というは、細胞間通過マーカーとして使用しているのですか? その透過係数の差でTJの成熟度や分化がわかるということになっているのでしょうか?
透過係数の算出方法をよく知らないのですが、TJ透過選択性には方向性がないことになっていると思いますが。つまりTJ経路に限れば、A to BとB to Aの透過速度は、分化に関係なく同じはずです。 |
|