まず、感覚的にちょっとずれていると思います。
転写因子(とかに限らなくてもいですか)は、細胞内にどのくらいの量が存在していると思いますか?
的確な量で示すことはできませんが、30ngもの大量に転写因子を集めるのに、
私はかなりかなりかなりかなり大量の細胞を集めなければならず
もし、クマシーなどで見ようとしたら、とんでもない量のタンパク質を流さなければならないと普通は思うはずです。
>ウェスタンでは、ゲル染色でも見えるが、位置が同じ
くらいの他タンパクの可能性もあるため、抗体を使って確認する目的が大きいのだと思っていました…
ほとんどあり得ないです。ウエスタンの手法では、一体、何段階、かつどのくらいの検出感度をエンハンスする工夫があるか知っていますか?
もし、このようなデータを示してあるとしたら、
単一のタンパク質(精製したものとか)が30ng存在しているという場合です。
つまり、
結論1、そもそも転写因子のバンドが見えるはずもない(10マイクログラムでも多いというのは検出感度をエンハンスする工夫であふれたウエスタンと言う手法での話である)。
さて、転写因子のバンドは見えないと言いましたが、いろいろなタンパク質の集団は10マイクログラム存在するわけです。
ということは、そのタンパク質の集団が泳動された痕跡は検出されるはずです。
しかし、間違っていはいけないのは、「特定のバンド」は検出されるとは限りません。
極端な話、分子量が5kDaずつ違うタンパク質が数億存在すると仮定したら、
バンドではなくて、スメアとして見えるからです。
わかりますか?
結論2、
そのクマシーが30ngの単一タンパク質をバンドとして検出できるからといって、
30ngのタンパク質集団は、そのひとつひとつのタンパク質の量は30ng以下なのだからバンドとして検出できるとは限らない
のです。ただ経験上、核タンパク質を流すと2、3本のバンドは見えます(どのくらいのタンパク質を流したか忘れました)。
バンドは見えないとしても、30ngのタンパク質集団は流れているわけですから、何かしらの痕跡が見えるはずです。 |
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