yacopiさん、
直接、メールを頂きましてありがとうございます。
こちらの掲示板でご質問に対する私なりの方法を説明させていただきます。
質問内容
4xPEG-itに関して調製法を教えていただけないでしょうか?
普通どれくらいのボリュームで何分遠心してウイルスを落としているのでしょうか?
まずこの方法は、下水から病原性ウイルスを濃縮するという実利的な研究論文を参考にして、私なりに応用してます。ref. Ann. Phytopath. Soc. Japan 40: 265-267 (1974)
調製方法
1.50%のPEG6,000を320mL作ります。
2.そこに、40mLの5M NaClを加えます。
3.20 mLの1M HEPESを加えます。
4.pHをNaOHで7.4に調整し、体積を500mLに合わせます。
5.オートクレーブします。
ポイントは、高濃度グリセロールに対して、塩とHEPESを撹拌しながら徐々に加えるというところです。順序が異なると、溶解しない沈殿物が発生します。
ウイルスの濃縮方法
1.パッケージング細胞を15cm dish 2枚に播きます。
2.サブコンフになったらトランスフェクション
3.48時間後に27mL分の培養上清をシリンジに移し、pore size 0.45のPVDFシリンジフィルターに通し、50mLチューブに移します。
4.9mLの4x PEG solutionを、先ほどのウイルス上清に加えます。
5.2,600xg、30min遠心します。
6.上清を捨て、再度、2,600xg, 5min遠心します。
7.残液を丁寧に除去します。
8.OPTI-MEMを好みの量加えます。(私は、100x stockにするので、270uL加えます)
9.丁寧にピペッティングして、小分注したのち、-80度保存します。
10.感染させたい時に、溶解させ、1x から 9x 程度のウイルス濃度になるよう、標的細胞に加えます。この時、polybreneを8-10ug/mL程度加えます。この時の培地は、私はOPTI-MEMですが、通常培地でも大丈夫です。
11.4−8時間後に、PBS洗浄後、通常培地に戻します。
レンチでもレトロでも可能です。
以上です。 |
|