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pcDNA3での強制発現 トピック削除
No.797-TOPIC - 2009/07/03 (金) 08:29:52 - ねぎ
いつも参考にさせていただいております。
さて、現在HAタグを付けたある遺伝子の強制発現株(COS-7)を作製しておりますが、western blotでHAが検出できません。HAタグの前にはATGもいれていますし、インサート配列に異常はありません。当初はG418選択で濃度が低すぎたため耐性クローンがとれただけか?なんて考えていましたが、最近、「Kozak配列が大事だよ」という話を聞きいろいろ調べてみたところ、invitrogenのpcDNA3.2(?)マニュアルにもKozak配列を入れろと書いてありました。これまではpcDNA3はかなりメジャーなベクターですし、また「MCSの適当な場所にインサートを入れれば発現する」という認識で使用していましたが、実際はpromotorとフレームを合わせたりとかの注意点があるのでしょうか。
 
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(無題) 削除/引用
No.797-24 - 2009/07/07 (火) 08:44:05 - ねぎ
そば様
やはりORFは変更しないのが基本なのですね。1アミノ酸の付加で産物の立体構造が変化しないものかと危惧しておりました。常識と自分のルールに従うのが大事ですね。

あべちゃん様
使用例まで入れていただきありがとうございました。+4の塩基がG以外だと転写が全く起こらないという事例があることは知っていましたが、実際のところは結構いろんな組み合わせでイケるのですね。幾つか文献で調べてみましたが、全てGNN ATG Gでインサートを構築していたのでKozak配列はこれが原則かと考えていました。

おお様
いつもありがとうございます。昨晩invitrogenのベクターマップを覗いていましたが、clontechも見てみます。メーカーの配列をパクるのも一つの方法ですね。

(無題) 削除/引用
No.797-23 - 2009/07/07 (火) 04:13:52 - おお
例えばクロンテックのpCMV-HAは
ACC ATG(1st Met) TAC CCA TAC GAT GTT CCA GAT TAC GCT
になっていてCMVの下流でワークしているようです。
(写し間違えがあるかもしれませんので、また1st Metかどうかも
一度確認された方がいいかもしれませんのでクロンテックの情報
など目を通す方がいいかと思います)
http://www.clontech.com/images/pt/PT3283-5.pdf

あとこの辺も参考になるかな、、、
https://www.lablife.org/ct?a=viewvecseq&soid=444&view=Draw&f=v

(無題) 削除/引用
No.797-22 - 2009/07/07 (火) 02:14:52 - あべちゃん

> それと質問ですが、インサートcDNAの開始ATGの次の塩基(+4)がGでない場合はKozak配列を入れられないと思いますが、この場合はGで始まる適当なコドン(たとえばGCA:Alaなんかを入れているのでしょうか。こういった加工はあまりしたことがないもので、ご教授いただけると嬉しいです。


Kozak sequenceのrelative occurenceですが、真核生物のmRNAでは、
A NN ATG G
がだいたい40%です。しかし、
A NN ATG A
も20%有るそうです。なので、無理にAlaを導入してやるほどではないと、私は思います。

ちなみに
A NN ATG G
A NN ATG A
A NN ATG Y
G NN ATG G
で、全体の90%を占めるようです。

(無題) 削除/引用
No.797-21 - 2009/07/07 (火) 01:54:42 - そば
あくまで私の場合、ですが。
「Kozak配列は可能な限り使用するが、ORFには変更を加えない」が私のルール。

開始ATGの次の塩基(+4)がGでない場合には、+4位の塩基だけは内在配列の塩基をそのまま使っています。
結果として、正確なKozak配列からは外れてしまいますが、他のみなさんも仰っているようにKozak配列でなければ翻訳開始が起こらない訳ではありません。
翻訳効率が多少落ちるのは承知の上で、その中で翻訳効率の良い選択を採るようにしています。
(ちなみに、N末にタグを付ける場合も内在由来の開始ATGは削除しないです)

ま、こういうものには正解は無く、自分で決めたルールに則って統一性のあるベクターを構築することが大事だと思いますよ。

(無題) 削除/引用
No.797-19 - 2009/07/06 (月) 18:17:40 - ねぎ
皆様、いろいろなご意見をありがとうございます。
別の実験の都合で少し見ないうちに議論が展開されていたのでびっくりしました。

中年様、;様、そば様、御助言ありがとうございます。
;様が言われるように、COS-7でstableを取っている文献は結構ありますが、おお様のご指摘の通り293とかがいいのかもしれません。しかし、現在注目している遺伝子(の相同分子)が293でも発現している可能性がありますので、この辺は少し調べてから決定します。

NEKO様、G418選択では私も同じ事になっています。前回は当たりが1/13でした。
結構耐性クローンが出てくるものですね。


現在はインサート構造の見直し(Kozak配列挿入、及び開始ATG削除等)を行っており、明日にはPCRプライマーを発注予定です。今週中に結果がでればいいなぁと思っています。
それと質問ですが、インサートcDNAの開始ATGの次の塩基(+4)がGでない場合はKozak配列を入れられないと思いますが、この場合はGで始まる適当なコドン(たとえばGCA:Alaなんかを入れているのでしょうか。こういった加工はあまりしたことがないもので、ご教授いただけると嬉しいです。

(無題) 削除/引用
No.797-18 - 2009/07/04 (土) 02:09:06 - おお
T抗原の入った細胞でSV40oriのプラスミドでステイブルを取るのは
あまりメリットがないようなきがします。取れないことはないですが、
SV40oriがゲノムに取り込まれるための弊害が指摘されています。

ステイブルなら3T3とか293にほりこむほうが無難ではないでしょうか。

COS7ならトランジェントで発現を一度確認した方が
いいでしょうね。

細胞の増殖に働きそうな遺伝子であっても強制発現すると
細胞ないの制御を無視する形になりますので、物によっては
発現しにくい場合があります。

HA以降にGFPを入れたもので発現が確認できるでしょうか?
例えば他の機能しているN末HAタグベクターの1stMetより上流の
位置からタグをカバーする配列をそのまま使って構築すると
いいかもしれません。従来発現させたいMetから始まって
いる可能性もありますのでそれを削るのもてかもしれませんね。

(無題) 削除/引用
No.797-17 - 2009/07/04 (土) 01:51:50 - そば
今後、このトピックを見る方もいらっしゃると思いますので。

少なくとも私は、翻訳開始部位にKozak配列を加えることで発現量が大幅に改善された経験が何度かあります。私以外にもそういう経験をしたという話は結構聞きますし、学生さんの失敗としても良くある話です(Kozakを入れ忘れて発現が確認出来ない)。

強制発現ベクター構築に際しては、Kozak配列を入れない明確な理由が無い限り、常に入れておいた方が無難だと思います。

てか、Kozak配列が問題かどうかは、そのベクターを使って一過的発現を確認していれば予め判断出来ると思いますが・・・


ちなみに中年様がご指摘のように、この細胞株での安定株の樹立は好ましくありません。「ちゃんとした」安定株かどうかは判断が難しいですから。
他人の実験に「問題がなく」ても、自分の実験に適切かどうかは自分で判断しなければいけません。
安定株樹立の際には細胞株の変更も検討に入れておいた方が無難だと思います。

経験則ですが・・・ 削除/引用
No.797-16 - 2009/07/03 (金) 23:39:42 - NEKO
場合によって、G418のセレクションが当てにならないことがあります。G418でセレクションをかけたあと、目的タンパク質の発現が認められないことがありました。しかし、この細胞集団から10個のクローンを取り、目的タンパク質の発現を確認したところ、たった1個のクローンではありますが、きちんと目的タンパク質の発現が認められました。つまり、残り9個のクローンはG418耐性であるものの、十分に目的タンパク質が発現していないということがありました。

(無題) 削除/引用
No.797-15 - 2009/07/03 (金) 17:24:39 - 中年
Current Protocols in Molecular Biologyの16.12.3にも次のようにあります。

... due to the excessive burden placed on the transfected cell by the replicating plasmid and the high levels of protein production, the transfected cells typically either die or lose the plasmid a week after transfection.

プラスミドを切断してトランスフェクションに供したとしても、組換わって生じた環状分子が増えてしまいそうですが。

(無題) 削除/引用
No.797-14 - 2009/07/03 (金) 13:58:30 - 中年
;様、

横レスですみません。COS-7でstableを取られたということでしょうか。先に書いたような理由で、COS-7とSV40 oriの組み合わせはtransientにしか使われないと思っていたのですが。

(無題) 削除/引用
No.797-13 - 2009/07/03 (金) 13:07:52 - ;
それと、むしろIRESはneoが発現しているからといって目的産物が発現しているとは限らないときが
よくあります、経験的に。

IRESでGFPが発現する細胞で、GFPはpositiveなのに目的遺伝子産物は発現が確認されないということもよくあります、経験的に。

この辺は、理論的にどうこう言っても、そうならないことがよくあります。

(無題) 削除/引用
No.797-12 - 2009/07/03 (金) 13:05:10 - ;
別にpcDNA3でもstableは問題なく取れています。

(無題) 削除/引用
No.797-11 - 2009/07/03 (金) 12:07:07 - -
中年さんのおっしゃるように、SV40の問題もありますし、stableでしたらIRESneoなどを使うほうがよいと思います。
stableの場合、発現量はtransientとくらべて顕著に落ちるはずなので、単純にHA抗体の感度の問題ということもありえるかと。

(無題) 削除/引用
No.797-10 - 2009/07/03 (金) 11:42:30 - 中年
SV40 oriを持つpcDNA3のようなベクターを使って、COS-7細胞でちゃんとしたstableが取れるものでしょうか?

neo耐性遺伝子も山のように発現しているでしょうからG418選択がきちんと掛かっているとは思えませんし、そもそもベクターのコピー数ががーんと上がってしまった状態で、細胞のゲノム複製などぐだぐだになってしまっているように思うのですが。

(無題) 削除/引用
No.797-9 - 2009/07/03 (金) 11:32:17 - ねぎ
中年さん、ありがとうございます。

> COS-7にpcDNA3で発現させてるってことは、transientなんですよね?そういう場合、普通はG418で選択かけたりしないんじゃないですか?

今回は実験の都合上stableが欲しかったので、linealizeしたベクターを入れてG418で選択をかけています。

あべちゃんさん
さっきは書き忘れましたが、インサートの配列を確認したらHAタグの後にATGが残っていました。普通は削るものなんですかね。

(無題) 削除/引用
No.797-8 - 2009/07/03 (金) 11:25:17 - ねぎ
皆様、早速コメントを入れてくださって有難うございます。

み さん、;さん、あべちゃんさんありがとうございます。
皆さんがご指摘のように、考えるポイントはいくつかあります。HA抗体はRocheの高親和性クローン(3F10)で他の実験では検出できており、今回のWB自体もきちんとできています。では何で今回検出できなかったのか?ということで考えているうちKozakの問題に行き着いたのですが、皆さんのご意見を総合するとこのベクターでKozak配列の有無はあまり関係なさそうですね。しかし、み さんが言われるように1st Metが確実に認識される必要があるので、Kozak配列入りのインサートを作ろうかと思います。

removed さん
御指摘ありがとうございます。一度セレクション前にに回収してWBしてみます。
それから「promoterとのフレーム」については忘れてください(汗。

それと目的産物の特性ですが、今回のはマウス由来の分子なのですが、強制発現によって致死的になるどころかむしろ生存の方向に働くことが報告されている分子です。ですから毒性は無いと踏んでいたのですが・・・。しかし、異種動物のタンパク質を強制発現するので、ホストのタンパク分解系でやられている可能性はありますね。

(無題) 削除/引用
No.797-7 - 2009/07/03 (金) 10:40:10 - 中年
COS-7にpcDNA3で発現させてるってことは、transientなんですよね?そういう場合、普通はG418で選択かけたりしないんじゃないですか?

(無題) 削除/引用
No.797-6 - 2009/07/03 (金) 10:30:50 - removed
promoterとのフレームとは何でしょうか?
HAタグとcDNAのフレームが合っていれば問題ないと思います。
個人的にはkozakを入れますが、入れなくても大丈夫という話はよく聞きます。
あとは、トランスフェクション効率の問題・WBの検出感度の問題・遺伝子産物が不安定あるいは致死的で検出しにくい、という可能性があるかなと思います。
セレクションする前に回収してWBしてみれば、元々の発現の問題なのか、セレクションの問題なのかを切り分けることができるのでは。

(無題) 削除/引用
No.797-5 - 2009/07/03 (金) 10:26:36 - あべちゃん
> Kozak配列、あまり重要じゃないという話も聞きます。
> Promegaのreticulocyte lysateを用いたin vitro translationでは、Kozak配列はあってもなくてもほとんど変化ありません。

プロメガのHPに、Kozakの有無で発現量を比較したデータが示されています。

(無題) 削除/引用
No.797-4 - 2009/07/03 (金) 10:22:13 - あべちゃん
Kozak配列、あまり重要じゃないという話も聞きます。
Promegaのreticulocyte lysateを用いたin vitro translationでは、Kozak配列はあってもなくてもほとんど変化ありません。

promoterとのフレームという意味がよくわかりませんが、MCSに入れるのであれば、ほとんど問題ないと思います。


Neoの発現はしっかりしているんですよね。Negative controlのCos-7は全滅している条件で、回収できているなら耐性クローンうんぬんは気にしなくて良いでしょう。

あと、目的遺伝子のATGは、削っていますか?残っているなら、HA-tagをすっ飛ばしてそこから翻訳されているとか。でも、これもクリティカルな問題ではないと思います。

HA抗体を使って、今まで他の蛋白質の検出はうまくいっているんですよね。それなら、やっぱり私は、目的遺伝子の産物の特性が気になります。
発現させてもすぐに分解されるような蛋白質は、細胞内で非常に発現レベルが低く抑えられているかもしれません。

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