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2遺伝子でどちらがRNA量が多いか トピック削除
No.792-TOPIC - 2009/07/02 (木) 21:54:51 - RT−PCR
遺伝子AのmRNA量と遺伝子BのmRNA量ではどちらが多いかを、リアルタイム定量RT-PCR法で決めるにはどういう方法があるか考えています。次世代シーケンサーでタグカウントすることが2遺伝子でどちらがRNA量が多いか決めるひとつの手段であると思いますが、リアルタイム定量RT-PCR法ではどういう方法が有るかということです。

どうしても2遺伝子でどちらがRNA量が多いか測定したい訳では有りません。もし測定するとしたらどのような方法が有るだろうかと考察しているだけです。

遺伝子Aに設計したプライマーと遺伝子Bに設計したプライマーでは増幅効率が異なる可能性がありますから、この可能性を検証し補正するために、内部標準遺伝子ー遺伝子Aの増幅部分ー遺伝子Bの増幅部という順に連結したキメラDNAをPCR産物かプラスミドかで用意し、希釈系列を作って、内部標準遺伝子、A遺伝子、B遺伝子それぞれのための検量線とします。これにより、たとえば遺伝子Aのプライマーセットが遺伝子Bのプライマーセットより4倍増幅しやすい(同じ濃度のキメラテンプレートをqPCRした際、A遺伝子の方がB遺伝子よりも2サイクルくらい早く立ち上がる)といった場合にも、キメラテンプレートの検量線を基に補正がかけられると思います。

A遺伝子のqPCR増幅領域とB遺伝子のqPCR増幅領域では逆転写効率が異なる可能性がありますから、この可能性を極力避けるために、ランダムプライマーで逆転写するか、両遺伝子のqPCR増幅領域をポリA付加サイトの直上流当たりに設計してオリゴdTで逆転写するかします。たとえばA遺伝子のmRNAがたまたま未知の極端な高次構造をとって、A遺伝子に設定したqPCR増幅領域の逆転写効率をB遺伝子のqPCR増幅領域と異なるものにしている可能性もあるのですがその問題をどう乗り越えるかは分かりません。この問題を乗り越える方法がないことが、2遺伝子でどちらがRNA量が多いかを決めることは実質的に不可能である根拠となるかもしれません。

どなたかご教授お願いいたします。
 
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ご意見ありがとうございます。 削除/引用
No.792-6 - 2009/07/04 (土) 22:23:26 - RT−PCR
ピペド様
> 絶対的なコピー数を算出するのでしょう。

仰せの通り、絶対的なコピー数の算出を目指すことがひとつの良い方法となります。トピックをたてた時には、この方法がどういう訳か完全に頭からなくなっていました。ただピペド様もご存知とは思いますが、絶対的なコピー数の算出にも、他の方々からご教唆いただいたように様々複雑な要因が関与するようです。

めい様
> Aが前、Bが前の2種類のキメラmRNA発現コンストラクトを構築し、合成したRNAでRT

この方法も思いつきませんでした。たしかに2種類の遺伝子由来のmRNAを合成して定量する方法では、ザンギ様のおっしゃるように2種類の遺伝子由来のmRNAそれぞれの配列によってUV吸収による定量結果に差が出ることになりますので、キメラmRNAはひとつの良い方法となると思います。

> ここまで気にすると今度はクルードのmRNA mixから目的の産物がどの程度ミスアニールをまったくせずに増やせるかという問題がでてくると思います。

ザンギ様

> ただ、標準物質としての完全な配列のmRNAを定量するのにUV吸収では2遺伝子
> 間の塩基組成の違いによるモル吸光係数の偏向がでますし、配列の吸光係数
> への影響も考えられます。
仰せの通りだと思います。どこまで厳密な定量を求めるかで、どこまで厳密に種々の要素を勘案するかが異なってきます。この点にまで考えが至らず、厳密さについて曖昧に質問してしまいました。

AP様
> 古典的なcompetitive PCRでtitrationしてA, Bとも絶対分子数を求めるのがreliableでしょう。
> real-timeで同じようなことをしようとしたらと考えてみて、実際そういう方法があるのかは分かりませんが、TaqMan probeを使えばできるかなと思いました。

competitive PCRを検討することも、トピックをたてた時点では頭から完全に消えていて目から鱗です。competitive PCRは読んで学んだところまでで実際に実験を行ったことがありませんので、私には想像できなかったのだと思います。Taqmanのプローブデザインによる効率の違いを補正できれば、ご教示されたで2遺伝子間のmRNA量の比較が可能なケースも出てくると思います。

またタカラバイオのテクニカルビュレッティンによると、ある種の極論かつ正論ですが、細胞からRNAを抽出した時点で、あくまで細胞内の総RNAのうち(たまたまその方法で)抽出可能だったRNAについて定量しているに過ぎないことに気をつけましょう、とも有りました。A遺伝子のmRNAとB遺伝子のmRNAの抽出効率が異なるとしたら、また補正が必要になることになります。

みなさまの貴重なご意見に感謝いたします。解決するのはキリが有りませんので、パスワードを設定していなかったためきちんと済にできませんが、ここで一度済みとします。

(無題) 削除/引用
No.792-5 - 2009/07/03 (金) 13:14:58 - AP
real-time PCRでというのがかえって足かせのように思いますが、まずその条件がなければという話からすると、

古典的なcompetitive PCRでtitrationしてA, Bとも絶対分子数を求めるのがreliableでしょう。ご存じかと思いますが、簡単に手順を説明すると、
1. ターゲットRNA配列に、増幅に影響がない程度のmutationを入れたRNAをin vitro transcriptionなどで合成し、キッチリ定量したものを標準として用意する。mutationはアガロースゲル電気泳動で分離できる程度の長さの変更や、制限酵素サイトの有無によって制限酵素切断すれば内在性RNA由来と標準RNA由来が分離できるように設計する。

2. 一定量のサンプルRNAに対して標準RNA量を振って加え、逆転写、PCRを行う。

3. 電気泳動で内在性由来、標準由来のPCR産物を分離し、両者の強度の比を検量線にする。検量線から両者の比が1:1になるポイントの標準RNAの分子数がサンプルに含まれている分子数と等しい。

この方法なら、RNAサンプル毎、RNA種毎にことなる、RNA抽出効率や逆転写効率、あるいは増幅効率の振れに影響されることなく、信頼性の高い結果が出るでしょう。

real-timeで同じようなことをしようとしたらと考えてみて、実際そういう方法があるのかは分かりませんが、TaqMan probeを使えばできるかなと思いました。標準RNAに入れるmutationのデザインで、内在由来と標準由来をそれぞれに特異的なTaqMan検出できるようにしたら出来るような気がします。ただ、TaqManの配列のちがいによって利用効率が異なることがあるならバイアスがかかるかも。

(無題) 削除/引用
No.792-4 - 2009/07/03 (金) 11:38:17 - ザンギ
RT-PCRにしろタグカウントにしろ、mRNA絶対量を直接測定できるわけではないですね。
転写開始点やスプライシングなどの異なる転写産物のバリアントが無いと仮定
してもいいなら、逆転写やPCR効率などの各ステップを厳密に検定していけば
定量PCRで相対定量できなくもありません。
ただ、標準物質としての完全な配列のmRNAを定量するのにUV吸収では2遺伝子
間の塩基組成の違いによるモル吸光係数の偏向がでますし、配列の吸光係数
への影響も考えられます。
行き着くところは秤でRNAの重量を測定することになります。

で、実際にはバリアントが必ず存在することを考えると、転写産物を厳密に
定量することの限界が見えるような気がします。

合成mRNA 削除/引用
No.792-3 - 2009/07/03 (金) 09:19:24 - めい
さすがにここまで発現量を徹底的に気にしたことはなかったのですが、Aが前、Bが前の2種類のキメラmRNA発現コンストラクトを構築し、合成したRNAでRT

あるいは素直にAとBのmRNAを合成しRT

で二次構造のファクターの寄与はかなり防げると思いますが、ここまで気にすると今度はクルードのmRNA mixから目的の産物がどの程度ミスアニールをまったくせずに増やせるかという問題がでてくると思います。

現状キメラDNAまでやっておけば文句は言われないと思います。

(無題) 削除/引用
No.792-2 - 2009/07/02 (木) 23:13:18 - ピペド
絶対的なコピー数を算出するのでしょう。

2遺伝子でどちらがRNA量が多いか 削除/引用
No.792-1 - 2009/07/02 (木) 21:54:51 - RT−PCR
遺伝子AのmRNA量と遺伝子BのmRNA量ではどちらが多いかを、リアルタイム定量RT-PCR法で決めるにはどういう方法があるか考えています。次世代シーケンサーでタグカウントすることが2遺伝子でどちらがRNA量が多いか決めるひとつの手段であると思いますが、リアルタイム定量RT-PCR法ではどういう方法が有るかということです。

どうしても2遺伝子でどちらがRNA量が多いか測定したい訳では有りません。もし測定するとしたらどのような方法が有るだろうかと考察しているだけです。

遺伝子Aに設計したプライマーと遺伝子Bに設計したプライマーでは増幅効率が異なる可能性がありますから、この可能性を検証し補正するために、内部標準遺伝子ー遺伝子Aの増幅部分ー遺伝子Bの増幅部という順に連結したキメラDNAをPCR産物かプラスミドかで用意し、希釈系列を作って、内部標準遺伝子、A遺伝子、B遺伝子それぞれのための検量線とします。これにより、たとえば遺伝子Aのプライマーセットが遺伝子Bのプライマーセットより4倍増幅しやすい(同じ濃度のキメラテンプレートをqPCRした際、A遺伝子の方がB遺伝子よりも2サイクルくらい早く立ち上がる)といった場合にも、キメラテンプレートの検量線を基に補正がかけられると思います。

A遺伝子のqPCR増幅領域とB遺伝子のqPCR増幅領域では逆転写効率が異なる可能性がありますから、この可能性を極力避けるために、ランダムプライマーで逆転写するか、両遺伝子のqPCR増幅領域をポリA付加サイトの直上流当たりに設計してオリゴdTで逆転写するかします。たとえばA遺伝子のmRNAがたまたま未知の極端な高次構造をとって、A遺伝子に設定したqPCR増幅領域の逆転写効率をB遺伝子のqPCR増幅領域と異なるものにしている可能性もあるのですがその問題をどう乗り越えるかは分かりません。この問題を乗り越える方法がないことが、2遺伝子でどちらがRNA量が多いかを決めることは実質的に不可能である根拠となるかもしれません。

どなたかご教授お願いいたします。

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