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多糖類の多い細菌からのDNA抽出 トピック削除
No.778-TOPIC - 2009/07/01 (水) 16:21:15 - robin
Pseudomonas属の菌からDNA抽出を行っているのですが、多糖類の除去が非常に困難で困っております。
Promegaのキットを使って基本的に以下の手順です。
1.lysozyme
2.溶菌sol(SDSだと思われ)@80℃
3.RNase
4.タンパク沈殿sol(KOAc or TCAだと思われ)
5.CTAB抽出
6.PCI抽出
7.クロロホルム抽出
8.アルコール沈殿
溶菌液の粘性が異常に高く、各抽出ステップで上清をピペットで回収する際に、中間層から伸びる見えない糸(多糖類だと思ってます)を吸い込んでしまいます。
DNAの用途から、pureなゲノムDNAをなるべくlossなく回収したい、というのが希望です。
カラム精製が効果的かとも思いますが、回収率が悪い、スケールアップしづらい、多糖類に効果はあるのか、などが気になっております。
どなたか似たような経験をお持ちの方、アドバイス頂ける方、ご教授頂ければと思います。
 
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No.778-11 - 2009/07/07 (火) 11:32:26 - Pumpkin
AP様はお分かりかと思いますが、一応念のため。

粗寒天を使っているのはファージ培養用のプレートで、このような培地から抽出したファージからDNA精製すると制限酵素で切れなくなります。そこで、電気泳動用のアガロースでプレートを作成して培養すると大丈夫という話です。

>今ではどこの電気泳動用アガロースでも切り出したDNAに酵素が効かないなんてことはありません

私もそう思います。

先ほども述べましたが、液培だと思うので関係のない話かと思いますが、ま、雑談としてです。

(無題) 削除/引用
No.778-10 - 2009/07/07 (火) 11:02:44 - AP
>つまり、培養用の粗寒天では制限酵素処理をinhibitする何かが溶出して、その後の精製操作では除けないことを意味しています

今ではどこの電気泳動用アガロースでも切り出したDNAに酵素が効かないなんてことはありませんが、ちょっと前まではちゃんと良いのを選ばないとそういうことはざらにありました。原因は硫化物、あるいは硫酸化物と言われていたと思います。硫酸化修飾されている糖鎖、多糖類は多いのでありそうな話です。アガロースですらそういうことがあるのですから、純粋なアガロースを単離していないアーガーでは当然のように起こります。また、多くの方法で多糖類は核酸と共抽出されやすいので、阻害物質を除くのも簡単ではありません(有効な方法の一つは、先に挙げたクロロフォルム抜きのフェノール抽出です)。

また、雑談。

(無題) 削除/引用
No.778-9 - 2009/07/07 (火) 10:01:02 - Pumpkin
>制限酵素での切れが悪い

おそらく関係ないと思いますが、集菌処理の後の洗浄が書かれていなかったのでちょっと参考程度に書いておきます。CTAB処理があるので大丈夫と思いますが、ファージからのDNA精製の際に使用するアガーを通常の培養用寒天だと、制限酵素処理が行かなくなることがあり、ハイドロキシアパタイトによる精製を行っていました。その後、寒天を電気泳動用のアガロースに変えてからはそのようなことは一切なくなりました。つまり、培養用の粗寒天では制限酵素処理をinhibitする何かが溶出して、その後の精製操作では除けないことを意味しています(PEG沈とかいくつかあるけど、アガロースに変えるだけでいけるからこちらの方が手間じゃない)。で、液培だろうから関係ないと思ったのですがPseudomonas用の培地って知らないので、もししっかりと培地成分を洗い流していなければ、精製ステップの一つとして水もしくは培地と等張な塩水溶液で洗うのも効果があるかもしれません(し、ないかもしれません)。

>フェノール抽出を行い、それでも精度が悪いようでであれば、カラム精製

悲観的な言い方をすると、zuumさんがおっしゃるように最終精製までいったものは多糖と核酸があぐっている感じで、そのあとの分離は難しいと思います。あと、高濃度クエン酸ナトリウム溶液は私の扱っている菌ではあまり効果が見えませんでした。たぶん、多糖の含量が多いからだと思います。という経験からカラムを試すことをお勧めします。

(無題) 削除/引用
No.778-8 - 2009/07/06 (月) 20:51:17 - robin
返信が遅くなりまして申し訳ありません。

APさま
私も実験書でPCIで十分だと書かれているのをみて、フェノール抽出を省いておりました(ロスが増えるので)。
今後、平衡化フェノールでの抽出を試してみようと思います。

Pumpkinさま
zuumさま
私のサンプルは粘性が明らかに高くなるほどではないのですが、その後の制限酵素での切れが悪い、という点で少し困っております。
フェノール抽出を行い、それでも精度が悪いようでであれば、カラム精製を行ってみようと思います。

皆様、有用なアドバイスありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.778-7 - 2009/07/02 (木) 22:31:13 - zuum
僕は植物専門なので Pseudomonas を扱った経験はありませんが、
植物もゲノムをとる時に多糖類が大量に混入してきます。
混入している多糖類を後で除去するのは非常に困難だと思います。

一般的なエタ沈や PCI などでは除去効率が悪かった経験があります。
液/液 抽出は混入しやすいので、カラムを使用する DNeasy Plant Kit が
良いかと思います。

また、robin さんの実験用途にもよりますが、今ある DNA サンプルを
直接カラムに通して精製してもいいかと思います (粘性の高いものは適当に希釈してからカラムに通すこと)。

カラム以外では、
高濃度クエン酸ナトリウム溶液 (0.8 Mクエン酸ナトリウム, 1.2 M NaCl) を DNA サンプルの 1/2倍量添加し、
イソプロ沈殿する方法もあります。
効果の程はカラムよりも劣りますが。

(無題) 削除/引用
No.778-6 - 2009/07/02 (木) 10:57:36 - Pumpkin
>エタ沈後、ペレットの上に透明なゲル様の層ができる(なかなか溶けない)

これは確かに多糖のような気がしますね。というのも、多糖の多い生物を私も扱っているのですが、RNAをAGPC法+LiClで精製していた時、LiCl沈澱でRNAペレットの上にゲルが重層されていたことがあります。冷やした状態で傾けるとポロっと取れました。そのまま室温に置くと液状になるのでまさしくゾルゲルで多糖かなと思ったことあります。これはLiCl沈澱を繰り返すことによって除けましたが(LiClはDNAを沈澱させる効率が低いので、ゲノムには得策ではありません)、今はカラム精製によって問題は解決しました。

透明なゲルごと溶解すると、on iceで液全体がゲル化しませんか?

AP様の言う平衡化フェノール抽出は、私も少なからず有効かと思います。その後、PIC、クロロホルム抽出を行ってはいかがでしょうか。

カラムは一度試されてもいいかもしれません。ロスなくということですが、出発量を多くすれば、最終収量は解決できるので、純度を優先してはいかがでしょうか(Pseudomonas属なので培養は容易なのですよね)。DNeasy Plant Kitなんかいいかもしれません、QIAGENに困っている症状を伝えればSample Kitを出してくれると思います(RNeasy Plant Kitは供与してくれました)。

(無題) 削除/引用
No.778-5 - 2009/07/02 (木) 10:41:01 - AP
>Phenolが多糖類に効果的だとは初耳でした。


例えば、低融点アガロースからDNAを精製するのに、温和な加熱で溶かしたゲルをフェノール抽出する方法がありますが、これではバッファー飽和フェノールのみで行います。PCIではアガロースは水層にいってしまいます。

今では主な目的は除タンパク質と割り切って、相分離しやすく扱いやすいPCIでいきなり抽出するのがならいだと思いますが、古い教科書なんかだと、フェノール抽出(フェノールのみ)→PCI→CI と3段階の抽出が普通でした。

以上雑談。

(無題) 削除/引用
No.778-4 - 2009/07/02 (木) 09:19:23 - robin
ご返信有難うございます。

Pumpkin様
A260/230は2.1程度と、多糖類のコンタミを示唆するものではありませんでした。
多糖類だと考えている理由は、
・エタ沈後、ペレットの上に透明なゲル様の層ができる(なかなか溶けない)
・PCI抽出で中間層がほぼクリアになっても、その後のクロロ抽出でしっかりと白い中間層ができる
・Pseudomonas属菌は多糖類が多くて抽出がめんどくさい、という話を聞いたことがあるから
です。
CTABには私も期待していたのですが、今回の抽出条件下では大きな効果がなかった模様です。。

AP様
たしかに、多糖類だと確定づける根拠は薄いです。
ただ、上記の理由と合わせて、Bacillus属菌では特に問題なく抽出できるため、ゲノムDNAの粘性が原因とは考えておりません。
が、Pseudomonas属菌のゲノムは細菌類では比較的長く(7M程度)、Bacillusが短い(4M程度)ことに起因する可能性は否定できないかも、と思いました。
Phenolが多糖類に効果的だとは初耳でした。
おっしゃる通り、系に余裕を持たせて、質と回収量の妥協点を詰めていく方向しかないのかな、と思います。

(無題) 削除/引用
No.778-3 - 2009/07/01 (水) 16:56:21 - AP
>溶菌液の粘性が異常に高く、各抽出ステップで上清をピペットで回収する際に、中間層から伸びる見えない糸(多糖類だと思ってます)を吸い込んでしまいます。

本当に多糖類の問題なのかしらん。動物細胞、動物組織からゲノムDNAあるいはRNAを抽出するときでも、ゲノムDNAにかなり強い粘性があるので、吸い出すときに中間層や沈殿をひっぱりこんでしてしまうことは良くあります。

・系に対するサンプル量を低くして、サンプル濃度を下げ系に余裕をもたせる。
・多少、不純物を吸い込んでしまってもよしとする。そのかわり、不純物を吸い込まないようになるまで同じ抽出を繰り返す。
・多糖類を除くなら、PCIではなくクロロフォルム抜きのフェノール抽出が効果的。

(無題) 削除/引用
No.778-2 - 2009/07/01 (水) 16:28:29 - Pumpkin
>多糖類の除去が非常に困難

とのことですが、最終的なDNA溶解液のA260/230の値はどうでしょうか?それが多糖の著しい混入を支持しているのでしょうか。それとも、氷上に置いておくとゲル化してしまうような状態ですか(gDNAを少量のバッファ等に溶解していればそれなりの粘性は出るでしょうが、それとは違う)。

CTABは、それなりに多糖に有効と認識していますが、それではだめなのですね。

多糖類の多い細菌からのDNA抽出 削除/引用
No.778-1 - 2009/07/01 (水) 16:21:15 - robin
Pseudomonas属の菌からDNA抽出を行っているのですが、多糖類の除去が非常に困難で困っております。
Promegaのキットを使って基本的に以下の手順です。
1.lysozyme
2.溶菌sol(SDSだと思われ)@80℃
3.RNase
4.タンパク沈殿sol(KOAc or TCAだと思われ)
5.CTAB抽出
6.PCI抽出
7.クロロホルム抽出
8.アルコール沈殿
溶菌液の粘性が異常に高く、各抽出ステップで上清をピペットで回収する際に、中間層から伸びる見えない糸(多糖類だと思ってます)を吸い込んでしまいます。
DNAの用途から、pureなゲノムDNAをなるべくlossなく回収したい、というのが希望です。
カラム精製が効果的かとも思いますが、回収率が悪い、スケールアップしづらい、多糖類に効果はあるのか、などが気になっております。
どなたか似たような経験をお持ちの方、アドバイス頂ける方、ご教授頂ければと思います。

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