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competitive EIAにおける非特異的シグナル トピック削除
No.628-TOPIC - 2009/06/08 (月) 18:03:28 - kazu
皆様、競合的EIAにてsampleのシグナルがStandard0(=B0)より高い値が出て困った経験は無いでしょうか?

現在マウスの骨格筋中のANPの発現をcompetitive ANP EIA kit(phoenix pharm.)を購入し調べているのですが、Preliminaryとして、Sample濃度を1倍、3倍、9倍、27倍に濃度を振りやってみたところ、sampleのシグナルがBo(=standard 0)よりものすごく高い値(B0=26.7に対し、原液sample=323.7、3倍希釈Sample=82.5、9倍希釈Sample=46.9、27倍希釈sample=33.7、ちなみにBlank=4.1でした。)となり、定量出来ず苦しんでおります。そこで、問題点は2つ。

1:競合法の場合、Targetの濃度が薄いほどSignalは大きくなるはずなのに、希釈を上げて行くにつれてSignal小さくなる点。

2:27倍希釈においても検出range内に入っていない点。

です。希釈sampleより原液のシグナルが強いことより、単純に目的物質が感度以下の濃度になっているとも思えず、おそらく自分の系に何らかの非特異的なシグナルを発生させる存在があると推測しましたが、全く原因がわかりません。

以下プロトコールを示しますと、

@マウスの骨格筋300~500mgを4%Acetic acid下にhomogenate

ASep-Pak C18カラムにて精製、凍結乾燥後、EIA kit付属のANP EIA buffer 250ulにてSample溶液を作る。

Banti-rabbit Ab coated 96well plateにSample 50ulをApply

Crabbit anti-ANP Ab 25ulを添加後 4℃ overnight incubation

D翌日,washせずにそのままbiotinylated-ANP solution 25ulをApply。室温で1.5hr incubate

Ewash (ANP EIA kit付属のEIA buffer300ul×4times)

FSA-HRP solution 100ul添加後 室温1hr incubation

Gwash (ANP EIA kit付属のEIA buffer300ul×4times)

H100ulのsubstrate(kitなので実際これが何かは書いてありませんでした。)を加え、室温で20min反応。

IStop solution 100ul加え

J20min以内にplate readerでEx325mm, Em420の蛍光を検出。

以上ですが、検出にbiotin-streptoavidin-HRP-fluorometicを使う系のようです。非特異的signalとして、免染の時のようにendogenous peroxidase活性やendogenous biotinの存在を疑いましたが、EIAではwashの操作が入るので、これらの影響は余り考えなくてもよいのかなと自分なりに思っているのですがいかがなものでしょうか?

Kitの説明ではTissue homogenateでもOKとのことでした。

以上、長々となりましたが、SampleのシグナルがStandard0=Boより高くなった時の考えるべき点と対処法をお教え願えたらと思います。
 
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(無題) 削除/引用
No.628-10 - 2009/06/16 (火) 01:55:34 - kazu
いろいろな可能性を上げていただき大変参考になります。おっしゃるとおりSampleを1%BSAでBlockingしたら、BoもBSAでBlockingするのが筋ですね。

同じラボの後輩が心臓でのANPの発現を同じkitを使ってやったというので、結果を見せてもらいました。なんと彼もSampleの一倍希釈ではBoよりシグナルが高くなって定量できなかったそうです。しかし10倍希釈、50倍希釈と希釈を上げていくと非特異的シグナルが小さくなっていきシグナルがBlank〜Boのレンジに入ってきたとのことでした。

そもそもANPが心臓から発現しているホルモンだということを考えると彼のtissue homogenate中のANP濃度は高く、いわゆるsignal/noise比の関係でnoiseを無視できるぐらい希釈していってもTarget量が充分ある環境では単純にSampleを希釈すればきれいに検出できるのでしょう。私の場合はそもそもあまり報告のない骨格筋でやろうとしていることに無理があるのかなと半分あきらめモードです。もちろん自分のSampleでも希釈検討はいたしましたが、確かにSampleを希釈していくにつれて非特異的シグナルは落ちていくのですが、結局30倍以上希釈していっても、Boの値に近づくだけでBlank〜Boの間に入ってきてくれません。だからできるだけ凍結乾燥機を使って濃縮したSampleを作ったつもりでしたが、おそらく骨格筋でのANPの発現量が少なく、もろに阻害物の影響をうけてしまうのでしょう…(ほんとか?)

それにしてもSA-HRPが何と反応しているのかが気になるところですが、今のところ非特異的シグナルのせいで単純に『ANPの発現量がこのkitの感度以下でした。』とボスに報告するわけにもいかず頭を抱えております。
RIAなどもっと感度のいい方法しかないのかなと思ったりして、バイオ百科でkitを探していますが、ことごとく製造中止となっている…。なぜだろう?

biotin streptoavidinを使っていない系の測定法をもうしばらく探してみます。

qq様一緒に考えてくれて心強かったです。ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.628-9 - 2009/06/15 (月) 22:11:15 - qq
説明不足で混乱させてしまったようで、失礼。
>今回の検討のCのWellでは、Anti-rabbit IgG precoated plateに1%BSAで室温1hr処理後にSampleを乗せました。
これで結構だと思います。BSAで良いかどうかはやや問題ではありますが。

B0のところも+BSAでやっておいた方が良いのではないでしょうか?と言うことです。

sampleで増えたのではなくて、B0が以上に低い可能性は無いのでしょうか?(あれ、自分自身混乱しているかな??)

(無題) 削除/引用
No.628-8 - 2009/06/15 (月) 00:27:52 - kazu
qq様早速のお返事大変ありがとうございます。

現在使用している系はPhoenix Pharmaceutical Inc.より購入のkitを使用しており、使っているplateはすでにanti-rabbit IgGでPrecoatされたものを使用しております。

自分の未熟さのせいかご指摘の"全てBSA blocking"と今回用意したCSample+1%BSA blockingの違いがわからないので、馬鹿なやつと思ってもう少し具体的にどうblockingするのか教えていただけないでしょうか。

今回の検討のCのWellでは、Anti-rabbit IgG precoated plateに1%BSAで室温1hr処理後にSampleを乗せました。実際1%BSAはこの一回しかblockingに使用しておりませんので、ご指摘の"全てBSA blocking”の全ての意味とは、反応試薬前にBSAでblocking処理を全行程で挟むという意味なのか、はたまた使用する全ての試薬を1%BSA入りのbufferで処理するという意味なのでのでしょうか?

Immunoassayを始めたのが2ヶ月前と素人同然で、せっかくのご指摘を理解出来ないのが残念です。どんな些細な意見でも渇望しておりますのでどうぞご指導の程よろしくお願い申し上げます。

(無題) 削除/引用
No.628-7 - 2009/06/14 (日) 18:00:57 - qq
anti-rabbitIgGをプレートにコートした後、全てBSA-blockingしてみたらどうですか?
それだけで、何とかなりそうに見えますが??

(無題) 削除/引用
No.628-6 - 2009/06/14 (日) 14:31:32 - kazu
qq様のご指摘通りblockingの検討してみました。
PVP30はラボに無かったのでとりあえず、1%BSAでblockingし、洗浄bufferは中にTween20をいれたもの使用いたしました。ついでにbiotin blockingの効果も試してみました。

用意したのwellは以下の通り。

@Blank (sampleなし、anti-ANPなし、biotin化ANPなし)
ABo (Sampleなし)
BSample
CSample with 1%BSA blocking
DSample with biotin blocking
ESample without SA-HRP


Cはwellを1%BSAで室温1hr処理した後、Bと同じ操作で処理。
DSampleとanti-ANPを4℃ O/Nで反応させたのち、25ulのAvitin 室温10min⇒washなしで⇒25ulのbiotin 室温10min反応⇒Washなしで⇒その後biotin化ANPを加えたものです。
尚、avidinとbiotinはDakoの免染用のbiotin blocking system (X0590)
を使用しました。

添付文章にavidinとbiotinの濃度が書いてありましたので、分子量からモル濃度を以下のように計算すると、
avidin:0.1% (MW=68000)⇒14.7uM
biotin:0.01% (MW=244.3)⇒409.33uM

avidin1個あたり、biotinが4個反応することを考えても,はじめにblocking用に加えたavidinがwashなしでも、次に加える充分量のbiotinで飽和させることが出来ると考え、avidin添加後とbiotin添加後のwashはしていません。(Washの操作がbiotin化ANPを加える前に入ると他のwellと条件が異なると思いましたので。)

結果は
@2.4
A12.0
B15.9
C14.9
D17.1
E2.3

今回は前回と比べSignalは全般的に低いですが、incubationの時間を短めにしていたせいかもしれません。しかし、結局C1%BSA, Dbiotin blockingの操作によっても明らかにblockingの効果は得られませんでした。今回の結果でも非特異的シグナルはSA-HPR依存性であることは変わりありませんでした。

この結果を見て、この系では検出をあきらめなければならないかなと落胆しております。

それにしても、一体Sample中のなにがSA-HRPと反応しているんでしょうか?

EIAで最終的に検出されるためにはplateか固相化抗体(anti-rabbit)かanti-ANP抗体に最後までくっ付いているもので、SA-HRP依存性に反応するものということになりますが、biotin blockin, 1%BSAでもblocking出来ないとなると、どうすればいいのか????

これを読んでくださった方、何かお気づきの点があればご教授お願い申し上げます。

(無題) 削除/引用
No.628-5 - 2009/06/12 (金) 16:04:29 - kazu
お返事大変ありがとうございます。涙…

ご指摘ではSA-HRP依存性のシグナルは単に内因性ビオチンだけとは限らないということですね。plateまたはanti-ANPに結合し、またSA-HRPがくっつく物質であればシグナルとして検出されるということと理解いたしました。おっしゃられるように1%BSAなど使って早速Tryさせていただきます。

結果出ましたらまた報告させていただきますのでよろしくお願い申し上げます。

(無題) 削除/引用
No.628-4 - 2009/06/12 (金) 13:37:16 - qq
素人です。

@3.5 いわゆるブランクの蛍光はこの程度
A23.5 anti-ANP/biotinylatedANP/SA-HRPの蛍光はこの程度
B30.6 サンプルを入れて、biotinylatedANPの結合を妨害するつもりが、シグナルが増加している。
C2.3 SA-HRPに依存しない蛍光は少ない。
D17.4 biotinylatedANPが無くてもSA-HRPが結合する
E17.7 anti-ANPが入っていなくても出てくる(SA-HRP依存性の)蛍光は、何?
ここで見えているのは、SA-HRP依存性のシグナルですね。
サンプルを入れるとSA-HRPの結合が増えると言うことですね。
サンプル中のbiotinをブロックするよりも、非特異的なサンプル由来のSA-HRPを結合させる成分のプレートへの吸着を抑制するのがよいのでは?
サンプルを入れる前に、適当なブロッキング(BSAでよいのやら、Tween20がよいのやら、それともPVP30がよいのやら)を施すのがよろしいかと存じます。

(無題) 削除/引用
No.628-3 - 2009/06/12 (金) 12:28:30 - kazu
シグナル発生過程のところでsample中ANPが競合するところの矢印が、
anti ANPのところに置いたつもりだったのですが、
自動改行されてanti rabbit plateのところになってしまいました。

anti ANPとbiotin化ANPの間で競合するの間違いです。
すみません。

レス無いけどくじけず・・・ 削除/引用
No.628-2 - 2009/06/12 (金) 12:23:17 - kazu
質問長かったでしょうか?・・・

この1週間自分なりに追加検討したことを書きます。

現在使っているKitのシグナル発生の過程は以下のようになることを踏まえて、

anti rabbit plate⇒rabbit anti ANP⇒biotin化ANP⇒SA-HRP⇒蛍光物質
↑(競合)
Sample中のANP


Sampleから発生する非特異的シグナルの発生源を突き止めるために以下のwellを用意しました。

@Blank(sampleなし、anti-ANPなし、biotin化ANPなし、SA-HRPなし)
ABo(sampleなし)
BSample
CSample+SA-HRPなし (endogenous HRP活性評価?)
DSample+biotin化ANPなし(endogenous biotinとHRP活性の影響評価?)
ESample+anti-ANPなし  (endogenous biotinとHRP活性+anti-ANPの非特異的吸着の影響評価?)

結果は

@3.5
A23.5
B30.6
C2.3
D17.4
E17.7

今回もsampleのシグナルはBoを超えておりました。しかし、Cより内因性のHRP活性はほとんど無視でき、Dより内因性のbiotinの影響がかなりあることもわかりました。またDEよりanti-ANPの非特異的吸着はほとんどないようです。

そこで、この結果より

非特異的なシグナルが内因性のビオチンが原因と解釈しても良いのかという点、と、

もしそうなら、

免染でのbiotin blockingはやったことあるのですが、EIAでのbiotin blockingはどのようにやるのかご存知の方いらっしゃいましたらお教えいただけますでしょうか?

どんな些細なコメントでも結構ですので、どうかよろしくお願い申し上げす。

competitive EIAにおける非特異的シグナル 削除/引用
No.628-1 - 2009/06/08 (月) 18:03:28 - kazu
皆様、競合的EIAにてsampleのシグナルがStandard0(=B0)より高い値が出て困った経験は無いでしょうか?

現在マウスの骨格筋中のANPの発現をcompetitive ANP EIA kit(phoenix pharm.)を購入し調べているのですが、Preliminaryとして、Sample濃度を1倍、3倍、9倍、27倍に濃度を振りやってみたところ、sampleのシグナルがBo(=standard 0)よりものすごく高い値(B0=26.7に対し、原液sample=323.7、3倍希釈Sample=82.5、9倍希釈Sample=46.9、27倍希釈sample=33.7、ちなみにBlank=4.1でした。)となり、定量出来ず苦しんでおります。そこで、問題点は2つ。

1:競合法の場合、Targetの濃度が薄いほどSignalは大きくなるはずなのに、希釈を上げて行くにつれてSignal小さくなる点。

2:27倍希釈においても検出range内に入っていない点。

です。希釈sampleより原液のシグナルが強いことより、単純に目的物質が感度以下の濃度になっているとも思えず、おそらく自分の系に何らかの非特異的なシグナルを発生させる存在があると推測しましたが、全く原因がわかりません。

以下プロトコールを示しますと、

@マウスの骨格筋300~500mgを4%Acetic acid下にhomogenate

ASep-Pak C18カラムにて精製、凍結乾燥後、EIA kit付属のANP EIA buffer 250ulにてSample溶液を作る。

Banti-rabbit Ab coated 96well plateにSample 50ulをApply

Crabbit anti-ANP Ab 25ulを添加後 4℃ overnight incubation

D翌日,washせずにそのままbiotinylated-ANP solution 25ulをApply。室温で1.5hr incubate

Ewash (ANP EIA kit付属のEIA buffer300ul×4times)

FSA-HRP solution 100ul添加後 室温1hr incubation

Gwash (ANP EIA kit付属のEIA buffer300ul×4times)

H100ulのsubstrate(kitなので実際これが何かは書いてありませんでした。)を加え、室温で20min反応。

IStop solution 100ul加え

J20min以内にplate readerでEx325mm, Em420の蛍光を検出。

以上ですが、検出にbiotin-streptoavidin-HRP-fluorometicを使う系のようです。非特異的signalとして、免染の時のようにendogenous peroxidase活性やendogenous biotinの存在を疑いましたが、EIAではwashの操作が入るので、これらの影響は余り考えなくてもよいのかなと自分なりに思っているのですがいかがなものでしょうか?

Kitの説明ではTissue homogenateでもOKとのことでした。

以上、長々となりましたが、SampleのシグナルがStandard0=Boより高くなった時の考えるべき点と対処法をお教え願えたらと思います。

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