Molecular Cloningにも「もし必要があれば」pHを7.2に合わせろ(HClでとありますが)と書いてあります。
一つには、古い時代の名残で(Molecular Cloningの古い版には書いてあったと思いますが)、昔は試薬の品質が全般的に低くて、SDSもグレードやブランドによっては製造過程の中和の調整が悪いのか不純物のせいかずいぶんアルカリ性、あるいは酸性に偏っているものがあったので、SDSを溶かしたらpHをチェックして調整すべしということになっていました。
現在では、どこのSDSもそんなにひどいのはないと思いますが、やはりメーカーやブランドによってpH調整した方が良い物があるようです。例えば、Sigmaのmolecular biology用を使っていたときはただ水に溶かすだけで何の問題も感じなかったのが、コスト削減のため国産メーカーの特級品に変えてから、それほどの寒冷地でもないのに、また夏場ですら室温保存中に良く析出を起こすようになりました。pHペーパーで調べてみると、かなり酸性になっていることがわかり、1 N NaOHを滴下してpH 7程度にしてみると析出しなくなりました(pHメータは使ったことがありません)。
かといって質問者さんのように、NaOHを入れすぎたからHClを入れて、また越えてしまったからNaOHを入れて、、、、みたいなことをするとどんどんNaCl濃度が高くなりますから、Na+によって析出してしまいかねません。 |
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