状況がわかりました。
> 弘法様の御助言から邪推しますと、形質転換後にいきなり-LWHAに播種するとポジコンですら極めて生育しにくくなる、と考えることができますが、こういうものなのでしょうか。
邪推というか、まさにその通りです。陽性のプラスミドが酵母に形質転換されたとして、His+かつAde+になるためには、まずbaitタンパク質とpreyタンパク質がそれぞれ十分量発現し、両者がHIS3とADE2という2つのレポーターのプロモータで相互作用することで転写を誘導し、His3とAde2タンパク質が十分に蓄積し、それによって触媒される代謝が進行して十分量のHisとAdeが供給されるようになるという長ーいステップが必要で、いきなり選択を掛けるとハードルを越えることができない場合もあります。さらに厄介なことには、ADE2レポーターはかなり閾値が高く、たとえ陽性たり得るpreyであっても、preyプラスミドのコピー数が最適化されて初めてレポーターを十分に活性化できるという場合もあり得ます。-LWHで一次選択をしておいてそれを-LWHAdeで二次選択するというのは、一次選択の間にこの最適化が起こることを期待するという面もあります。
ただし、持ち込み、あるいは蓄積しているHisとAdeの量でHis3とAde2の発現を待つ間が十分しのげて、-LWプレートと-LWHAdeプレートにおけるコロニー数にそれほど大きな開きがないという場合も、前培養・後培養の条件によってはあり得ます。でも、それに期待するより、危ない橋を渡ることは避けた方が賢明だと思います。
> さっき計算してみましたが、-LW plateではおよそ10^5 cfu/ug DNAで生えてきているようです。
それなら効率は悪い方ではないと思います。 |
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