長い説明になってしまいますが、お付き合い下さい。
ヒト肝ミクロソームを酵素源、
クマリンを含めた7種類の分子種に特異的な基質を混合したカクテル基質を用いて、
合成した新規化合物のin vitroでの酵素活性阻害評価の検討試験を実施しています。
酵素反応の組成は…
・ヒト肝ミクロソーム(反応液中の濃度は0.05mg/ml)
・50mMリン酸バッファー(pH 7.4)
・DMSO(反応液中の濃度は0.5%)
・NADPH(反応液中の濃度は1.3mM)
・カクテル基質(反応液中ではFDAガイドラインに示されているKm値の範囲内)
ISにフェニトインを用いて、
生成した各分子種の生成物をLC-MSで検出して、各生成物/IS比を観察しています。
反応は96ウェルプレートで実施し、
現在、どのウェルでも均一に反応が進んでいることを確認するために、新規化合物の溶媒として用いるDMSOを用いています。(本試験ではDMSOをコントロールとして添加して用いる)
反応系は…
ミクロソーム、バッファー、DMSOを混合した後、
@NADPHを添加し、30分のプレインキュベーションを実施した後、基質を添加し10分間の反応をする系 [プレートの上半分]
A基質を添加し、30分のプレインキュベーションを実施した後、NADPHを添加し10分間の反応をする系 [プレートの下半分]
両者、反応液量の3倍量のメタノールを添加して反応停止しています。
反応はNADPHと基質を添加する前は4℃で実施し、両組成を添加後は37℃で実施しています。
結果を見ますと、反応系@と反応系AのIS比の値に約2倍以上の差が見られました。
基本的に、反応系@の方の値が高くなっています。
この現象は予想外で、最初はどのウェルもほぼ同じ値を示すと考えていました。
先駆者により、そのような結果を提示されましたので…
どのウェルでも均一の値(相対標準偏差が10-15%程度に収まる程度のバラツキ)が得られるように、
反応温度にムラがあるのかと、各ウェルにかかる温度をチェックしたところ、温度ムラは特にありませんでした。
調製した基質がよくないのではないかと考え、新しく作り直しましたが改善はされませんでした。
ヒト肝ミクロソームのLotを変えて実施しましたが、改善されませんでした。
この問題をなんとしても打破したいのですが、名案が浮かばず困っています。
打開策の糸口になるようなアドバイスを頂ければと思います。
よろしくお願いします。 |
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