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CAGプロモーターからタンパク質を低発現させたいです。 トピック削除
No.355-TOPIC - 2009/04/19 (日) 13:15:36 - まうす
あるタンパク質Aをコードする遺伝子aを強力なCAGプロモーターの下流に挿入し、発現させる実験を計画しております。ただし、ある事情からタンパク質Aは多量に発現してもらっては困ります。ただし、プロモーターをより弱いCMVやSV40, TKなどに交換することはできません(これも実験計画上不可能です)。実験計画そのものが矛盾していることは、重々承知しておりますが、上記のコンストラクトは巨大なベクターの一部の領域で、他の領域との兼合い上どうしようもない状況なのです。今のところ、私が考えている方法として、
1、翻訳効率の悪いKozakをつける。もしくはKozakをつけない。
2、遺伝子aとポリA付加配列の間にcis-acting hammerhead ribozymeをつけて、mRNAからpolyAを切り離す。これで翻訳効率が極度に下がることを期待しておりますが、全く翻訳されないのも困ります。
3、Protein Destabilizing Domainをつけて、Shield1を用いて安定化させる。Protein Destabilizing Domainをつけることでタンパク質Aの機能が阻害される可能性があるので、できればこの選択肢の優先順位は低めにしておきたい。
皆さんには、他に良い方法論があれば、教えていただけると幸です。例えば、mRNA不安定化配列などご存知でしたら、呉教授いただけるとさいわいです。よろしくお願いいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.355-12 - 2009/04/21 (火) 01:06:17 - おお
http://pdfserve.informaworld.com/300281_731226461_713988451.pdf

ななめ読みですが、、、マンマルでポリAの長さはは30-60ほどの短さにならないと次のデクラデーションのステップに行かないようです。
また、この長さのポリAのmRNAは蓄積することがあるので次のステップは比較的
遅いのではということも書いてますね。
30-60レンジをもとに作ってみるのはてかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.355-11 - 2009/04/20 (月) 13:44:09 - まうす
皆様 コメントありがとうございます。

おお様
in vivoでの使用を想定しておりますので、ご指摘通りUTRによる制御は不向きかもしれません。3'UTRによる翻訳効率の制御がpolyAの長さの調節に帰着するなら、polyAの長さを人為的に制御する方が望ましいです。もう少し勉強してみます。

Tb様
IRESを用いて翻訳効率を下げるのも有効な方法ですね。どの程度まで下げられるかやってみなければわかりませんが、制限酵素サイトなどがうまく合えば、それほど難しくなく構築出来そうです。また、IRESはPCRで増やすのは困難であるとの情報ありがとうございます。今までIRESをPCRで増やしたことはなかったので、今後の参考にさせて頂きます。

yt様
rare codonを用いるのも一つの方法ですね。ただ、rare codonを用いた場合、翻訳が途中で停止した産物が蓄積する可能性もあるので、出来れば他の方法が良いのではないかと考えております。

(無題) 削除/引用
No.355-10 - 2009/04/20 (月) 05:53:45 - yt
How about introducing codons of lower usage?

gene Aの前にIRESを入れてみては 削除/引用
No.355-9 - 2009/04/20 (月) 02:35:43 - Tb
IRES配列後につないだ遺伝子の発現は、プロモーターのあとに直に入れた場合より一桁ほど弱くなります。IRES配列はGC richな領域が頭にあるのでPCRで苦労しますが・・・

(無題) 削除/引用
No.355-8 - 2009/04/20 (月) 02:11:35 - おお
UTRによる不安定性ですが、そういうのを使うとある時は
非常に安定して強い発現が見られ、そのほかの状態では
弱いという状態になりうるので、あまり積極的には
書きませんでしたが、それでもいいなら使う手は
あるでしょう。特に発生の過程で局所的に強くなったり
細胞周期依存性になったりするものが多いのでは
とおもいます。
そうであってもいいなら使ってみる価値はあるかも
しれません。

実はポリAもUTRで制御され短くなったりします。
ですのでオブザべーションとしてポリAが短いと
発現が弱いというのはありますが、強制的に
短いものを作った場合どうなるかというのは
ちょっと結論が出ないのでやってみないと
分からないと書いたわけです。

(無題) 削除/引用
No.355-7 - 2009/04/19 (日) 23:07:19 - まうす
通りすがり様
有用な情報ありがとうございます。
c-fosの3’UTRは使えそうですね。

(無題) 削除/引用
No.355-6 - 2009/04/19 (日) 20:05:58 - 通りすがり

もしもポリAや3'UTRなどで調節することに興味があるなら
下記の論文が非常に参考になるかと思います。

Altering the expression in mice of genes by modifying their 3' regions.
Kakoki M, Tsai YS, Kim HS, Hatada S, Ciavatta DJ, Takahashi N, Arnold LW, Maeda N, Smithies O.
Dev Cell. 2004 Apr;6(4):597-606.

様々な3'UTRをtestしたときのmRNAの安定性を網羅的にvivoで調べたもので
promoterが同じカセットでも、最も安定なbGHから最も不安定なc-fosまで約100倍程度最終的なタンパクの発現レベルを変化させることができることを報告してます。

GeneAの後ろの3'UTRをunstableなものにして
GeneBの後ろの3'UTRをstableなものにすれば
目的のようにCAGはintactのままAとBの発現量を大幅に変えることは
可能かもしれません。

(無題) 削除/引用
No.355-5 - 2009/04/19 (日) 18:26:30 - まうす
おお様 ありがとうございます。
ポリAの長さを人工的に調節するのはいい手ですね。
最初に試す実験として十分価値があると思います。
いくつかの条件を試す必要がありそうですが、それほど難しくないので、
細かく条件をふってみたいと思います。

mRNAの不安定化配列などもありそうなので、それについても検討してみます。

(無題) 削除/引用
No.355-4 - 2009/04/19 (日) 15:44:29 - おお
ちょっとすぐに確実な方法は思い浮かびません。
確かにスタートコドンのまえとかUTRをいじるのがいいかもしれませんが、、、

ためしてみないと分からない方法として幾らか挙げてみます。
Nonsense-Mediated mRNA Decay(NMD)を使う方法。
癌などでミューテーションが入ってエクソンとかがスキップしたりして
正常なmRNAができなくなったりした時で、最後のエクソンでない
エクソンにストップコドンがはいると、それを認識して
mRNAを壊そうとするシステムです。これで制御されている
と思われるエクソン-イントロンの構成をGeneAのストップコドンのあとに
イントロンを挿入してほり込む。NMDはかなりしっかり効く可能性は
ありますので、ほとんど発現しないかもしれないという心配はあります。

>cis-acting hammerhead ribozymeをつけて、mRNAからpolyAを切り離す。

これで思いついたのですが、GeneAのストップコドンのあとにポリAストレッチをいれます。
30とか50クラいかな、、、でしょうか。でそのあとの部分にcis-acting hammerhead ribozyme
で切れる部分をつけ、ポリAサイトをいれる。ポリAの長さは安定性に関係がありますので
短めにすることで何とかならないかなって思いました。ポリAの長さの研究も
ありますので探すと参考になるかもしれません。

あとは、イントロンを挿入し、そのイントロンにmiRNA(shRNA)を仕組んでおく。

トランスレーショナルな制御を利用する手もあるかもしれませんが、
そのへんは詳しくないので、、、レビューなど読めばいいかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.355-3 - 2009/04/19 (日) 15:08:33 - まうす
おお様
早速のお返事ありがとうございます。
具体的なコンストラクトを以下に示します。
CAG promoter - loxP - GeneA - polyA - loxP - GeneB - polyA
Creを作用させる前の状態では、GeneAが発現していますが、その発現量が高い状態は実験上都合が悪いのです。可能な限り低発現が望ましいです。Creを作用させた後、GeneBの発現が開始されますが、GeneBは可能な限り高い発現が望ましいです。またGeneAとGeneBを別々のベクターにのせ、違う発現制御を利用することも可能ですが、汎用性から一つのプロモーターで制御したいのです。以上の理由から、CAGのenhancerに工夫を加えることは難しいです。GeneAを発現させる場合と、GeneBを発現させる場合で、エンハンサーの活性をtet systemなどを用いてコントロールすることも考えたのですが、コンストラクトが複雑になることと、このベクターはin vivoで用いることを想定しているので、なるべくシンプルにしたいのです。

(無題) 削除/引用
No.355-2 - 2009/04/19 (日) 14:11:17 - おお
エンハンサーの当りを改変するとかは無理でしょうか。
あとエンハンサーとプロモーターの間にTet on/offのシステムを
ほりこむとか、、、ただしそうするとテットのレギュレーター
を別にほりこまないといけないですけどね。

CAGのオリジナルの文献をみれば、どのように作って、
その時何種類が似たコンストラクトを作ったりして
どれが強いか、弱いかなどやってそうかなと思いましたが、
PDFが手に入れいませんでした。

Efficient selection for high-expression transfectants with a novel eukaryotic vector.

Niwa H, Yamamura K, Miyazaki J.

Gene. 1991 Dec 15;108(2):193-9.

RNA安定性にかかわる配列はAUリッチな配列でサイトカインmRNAなどによく含まれている
ものと、鉄誘導性のものがありますね。どちらも刺激などで変化しうるので、
コントロールと刺激したテストで発現がめちゃくちゃ違って比べられない
とかなるといやかなぁ、、、って。

Kozakもいじるとどうでしょうか、、、ちがうMからスタートしたりして。。。。
心配していたらきりがないですが、、、

CAGプロモーターからタンパク質を低発現させたいです。 削除/引用
No.355-1 - 2009/04/19 (日) 13:15:36 - まうす
あるタンパク質Aをコードする遺伝子aを強力なCAGプロモーターの下流に挿入し、発現させる実験を計画しております。ただし、ある事情からタンパク質Aは多量に発現してもらっては困ります。ただし、プロモーターをより弱いCMVやSV40, TKなどに交換することはできません(これも実験計画上不可能です)。実験計画そのものが矛盾していることは、重々承知しておりますが、上記のコンストラクトは巨大なベクターの一部の領域で、他の領域との兼合い上どうしようもない状況なのです。今のところ、私が考えている方法として、
1、翻訳効率の悪いKozakをつける。もしくはKozakをつけない。
2、遺伝子aとポリA付加配列の間にcis-acting hammerhead ribozymeをつけて、mRNAからpolyAを切り離す。これで翻訳効率が極度に下がることを期待しておりますが、全く翻訳されないのも困ります。
3、Protein Destabilizing Domainをつけて、Shield1を用いて安定化させる。Protein Destabilizing Domainをつけることでタンパク質Aの機能が阻害される可能性があるので、できればこの選択肢の優先順位は低めにしておきたい。
皆さんには、他に良い方法論があれば、教えていただけると幸です。例えば、mRNA不安定化配列などご存知でしたら、呉教授いただけるとさいわいです。よろしくお願いいたします。

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