つい先日から、FCMを利用して細胞周期の測定実験を始めた初心者になります。
タンパク結合率が高い薬剤を無血清培地に溶かし、癌細胞に24hr処置する実験をしています。
アポトーシスの誘導が確認され、今回、細胞周期の抑制効果についてみることになりFCMにとりかかっております。
・細胞をFBS(+)のMedium中に播種
・24hr後:FBS(-)に薬剤を必要濃度溶かし(おおよそIC50値)、添加。
・24hr後:上清に浮いた死細胞と接着細胞の両方をトリプシンにて回収
・PBSにて2・3回洗浄を行い
・Trypan Blueにて各サンプルの細胞数を5×10^5に揃え
・エタノールにて一晩固定
・遠心にてエタノールを除去
・100mg/L RNaseを含むPBSを500μL添加
・10mg/L PI試薬を添加
・FCMにて測定
簡単ではありますが、以上のプロトコルにて行っております。
無血清培地では細胞がG0/G1にて固定されると思います。
通常、無血清培地で培養し、その後、通常濃度を含む血清にて細胞周期進行を再開させてから検出するようなのですが・・
私の実験系の場合、薬剤を含んだFBS(-)で培養し回収してしまうので
測定までコントロールも処置群もG0/G1にある程度固定されたままになると思います。
その結果
コントロール群はやはりというか、【G0/G1:92%】でした。
処置群は【G0/G1:57%】【S:11%】【G2/M:28%】となりました。
これは、素直に、癌細胞に薬剤を処置すると、G2/M期に抑制がかかっていると解釈してよろしいのでしょうか。
処置群は、G0/G1期になる前のM期の状態で抑制がかかるので、G0/G1期がコントロール群に対して少ないのでしょうか。
無血清培地の意義が私の実験系には違った意味でのしかかっているような気がして、うまく整理ができず・・悩んでおります。
ご教授いただけると嬉しいです。
あるいは、プロトコルの改善法などもあればアドバイスいただけると嬉しいです。
※薬剤をFBS(+)に溶解し処置しても、生存率に影響がみられませんでした。
※処置群は、浮遊している死細胞も回収しているのですが、よろしかったでしょうか?(下に接着している細胞だけのほうが良いのでしょうか。) |
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