今回、タイトルのようにG-CSFの精製過程でご質問があります。
当研究室では、fusion proteinを作製しG-CSFの精製を試みています。
fusion protein・・・
G-CSF(N末端側)スペーサーにXba1 thrombin認識配列、Xho1、塩基性タンパク質(C末端側)の融合タンパク質を作製しました。
≪模式塩基配列≫
G-CSF tct aga ctg gtt ccg cgt gga tcc ctc gag 塩基性タンパク質
Xba1 Xho1
* thrombin siteに関しては、pGEX4T-3を参照にして作製
≪Method≫以下バッチ精製
1.この塩基配列をpCI-neo vectorにligationし、その後COS-1細胞にtransfectionし一過性にタンパク質を発現させる。
2.培養上清から陽イオン交換体にてまず融合タンパク質として精製
3.thrombin cut
4.Benzamdin sepahroseにて通しthrombin除去
5.再び陽イオン交換体にて精製
bufferは、10mM リン酸 Na buffer(pH7.6)
精製後の融合タンパク質濃度 0.1mg/ml
100%回収だとしたG-CSF濃度 0.02mg/ml
*希釈は一切せず、泳動に用いたサンプル量は15μl
これにより最後の素通り画分にてG-CSFが精製できると考えました。
これらのサンプルをWestern Blottingをによって得られた結果は、Cのサンプルに関してはっきりと20kDaにバンドが確認できましたが、最後のDの素通り画分では薄らバンドが検出することができませんでした。
Dに関しては1.0M NaClを含んだbufferでの溶出も行いましたがバンドは見られませんでしたが、塩基性タンパク質については確認することができました。
考察としては、まずこの作製されるG-CSFのPI値は5付近のためbufferのpHから考えると酸性を示すため陽イオン交換体には結合しない。
また、バッチ精製での遠心は400×gで行ったがCでも同様な遠心状態のため沈殿は考えにくい。
ちなみに、rG-CSFを陽イオン交換体に結合するかの予備実験を行った結果(バッチ精製ではなくpoly prep使用)、素通り画分に反応前と比較して同等のバンドの濃さが確認されたため結合は見られませんでした。
以上の事柄で、何故G-CSFが回収出来なかったのかご教授を頂きたいです。 |
|