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免疫沈降の条件を検討したい トピック削除
No.3238-TOPIC - 2010/09/20 (月) 16:03:37 - alpaca
現在哺乳類培養細胞を用いて免疫沈降を行っております。

目的産物Aは効率よく免疫沈降されるのですが、複合体を形成していると考えられるタンパク質Bはまったく共免沈されません。
もちろん、複合体を形成していない可能性もあるのですが、酵母の報告から、AはBと似た機能をしているC(酵母特異的タンパク質)と結合するため、哺乳類ではAはBと結合すると予想しております。(Bは酵母に保存されておりませんが、酵母タンパクCと似たドメインをもち、同じような機能をしているとされている)

何度も細胞量を増やしたり、タグを変えたり、細胞を変えたりしたのですが、AとBが結合しているという結果がえられておりません。
あきらめようとも思ったのですが、ボスは「そんなことはないといいはります」
よって次にバッファーを変えて検討したいと考えております。
(今までバッファーをあまり検討しなかったのはAと常に複合体を形成するタンパク質Zは今の条件で共免沈できていたからです。ですがBとの結合は条件がことなるのかもと)

目的タンパク質は細胞質もしくはオルガネラ膜表面に局在しております。
タグは3xHAもしくは3xFLAGをよく使用しております。
現在は
Lysis buffer
50 mM Tris 7.5
150 mM NaCl
1 mM EDTA
1% Triton
protease inhibitor

wash bufferはlysis bufferからprotease inhibitorを抜いたものを使用しております。

ライセートと抗体のインキュベーションを1−2時間
その後、protein G sepharoseで1−4時間
wash x4
boilして電気泳動しております。


TritonよりもCHAPSの方がタンパク質複合体に対してマイルドということを聞き、CHAPSに変更してみたこともあるのですが、結果は変わりませんでした。

みなさまなら、どのような条件検討を行うでしょうか?
よろしくお願いいたします。
 
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8件 ( 1 〜 8 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.3238-8 - 2010/09/20 (月) 22:03:47 - おお
>washバッファを工夫してノンスペを減らせば、なんとかなるかもしれませんね。
マグネティクビーズだとバックがかなり低いです。特にデタージェント抜くという観点では。

オルガネラに両者存在して結合するならそれをたんりしてから、蛋白を抽出すると結合は見やすくなるかもしれません。たんりオルガネラでクロスリンク試薬使うとか、比較的存在している蛋白も少なくなるので見やすいかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.3238-7 - 2010/09/20 (月) 21:54:39 - stu
皆さんコメントありがとうございます。

>[Re:5] モモさんは書きました :
> 私なら0.1%Tritonあるいは0.5%NP-40などの条件をまず試します。

なるほど、Tritonの濃度を下げるのも一つの手ですね。


>[Re:4] ATGCさんは書きました :
>
> 弱い不安定な分子間相互作用を捕まえるのにDSPみたいな膜透過性蛋白質架橋剤による in vivo cross linkとかが有効な場合があるから、試してみるのもいいかも。cellがlivingの状態で分子を架橋してから、細胞を破砕するので生理的状態のスナップショットが維持された状態でIPできる。

DSPもやってみる価値はありそうですね。
確か、だれかラボで使ったことがあったような。探してみます。


> Bの検出はwestern?それともゲル染色?ふつうのIPだと回収量少ないからwesternでないと多分見えないと思う。

検出はwestern blotで見ております。


>[Re:3] おおさんは書きました :
> あ、EDTA抜いてみるのもでだな。

金属が目的タンパク質に関与している可能性は低そうですが、もしかしたらということもありますね。


>[Re:6] おおさんは書きました :
> 全体的にみてデタージェントの強い弱いの感触は皆さん同じ印象があると思いますが、個々の例で強いよわいはあまり当てになりません。なので一通りデタージェントを当たれと書いた総説もあったと思います。

なるほど、タンパク質によってデタージェントのよしあしがあるのですね。
最後の手段はすべてのデタージェントでトライですね。


>[Re:2] おおさんは書きました :
> 例えばイースト2ハイブリッドはどうかとか、、、
> 免疫染色では局在が一致している部分はありますか?

免疫染色で刺激後両タンパク質が同じオルガネラに局在することを確認しております。
Aの結合タンパク質をMS解析ですでに行い、10個ほどのタンパク質がでてきたのですが、可能性のありそうなものを調べた限りではネガティブで、結果がついてきませんでした(結合はあるっぽいけど、KDでまったく表現型がでない)。残り候補タンパク質もRNA結合タンパクなどで、あまり機能的に関連があるとは考えられないものでした。よって振り出しに戻りBタンパク質の方が可能性があるかもという流れになっております。


> テクニカルには、バックグランドがでないなら、デタージェントなしというのもあり得ると思います。
> サイトゾリックなら、ていちょう溶液で細胞をこわせば中身がでてきます。まずその状態で核と不溶性のものを遠心で除いてIPするという手はとれます。
> washは生理的な塩濃度でいいと思いますが、バックが出るようでしたら300mMぐらいの塩で洗う手もあると思います。
> 場合によってはLiCl 300mMを最終の洗いで使う方法もあります。

以前に別実験でデタージェントなしIPをしたことがあったのですが、目的タンパクもかなりビーズにベタベタくっつき、難しいと思っておりました。washバッファを工夫してノンスペを減らせば、なんとかなるかもしれませんね。

(無題) 削除/引用
No.3238-6 - 2010/09/20 (月) 21:31:17 - おお
全体的にみてデタージェントの強い弱いの感触は皆さん同じ印象があると思いますが、個々の例で強いよわいはあまり当てになりません。なので一通りデタージェントを当たれと書いた総説もあったと思います。そうするとそんなことよりもなしですまないかというのがあったのでそう言う方法論をまず示しました。それでバックグランドがでてもついている感触があるなら、デタージェントを加えていくというのもやれますし、比較的対処しやすいと思ったわけです。くっつかなければそれ以上マイルドな手はとりにくいので打ち切ることを考える材料にもなりますし。

そう言う意味でちょっと小細工を書くのはさけていましたが、そのほかグリセロールはあるタンパク質の結合の安定化を促進します。EDTAを抜くのと近いアイデアですがMg++ 1mM Ca++ 500uMを添加するというのもありかと思います。
タグの位置もC,N末でコンプレックスがIPできなかったり、できたりということがあり得ますので、もし考慮に入れてなかったらお考えになってもいいかとおもいます。
結合を見るのはIPだけではありません。よっぽどクロスリンクの話も書こうと思ったのですが、これも条件を見つけるという意味ではいろいろいじれると思いますし、West-western blotというのもありますし、Y2Hでイーストホモログでポジなら直接的な可能性が高いのでリコンビナントでつく可能性もあります。もっとローテクでライセートをクロマトかけて、タンパク質の溶出パターンにオーバーラップしていたらそこでコンプレックスが溶出しているといえる可能性がありますし(とくにゲル濾過がわかりやすりとおもいます)同じ発想でネイティブな条件で等電点電気えいどうというてもとれます。
そんなこんなとやっていたら1年かかっちゃうんじゃないかと、、、ほかの実験をしながらだとそれでもいいのでしょうけど。

(無題) 削除/引用
No.3238-5 - 2010/09/20 (月) 20:47:52 - モモ
1%Tritonはco-IPの条件としては非常に強いです。

私なら0.1%Tritonあるいは0.5%NP-40などの条件をまず試します。

(無題) 削除/引用
No.3238-4 - 2010/09/20 (月) 20:18:49 - ATGC
>ボスは「そんなことはないといいはります」<
頭の中でストーリーが先まで完成してしまってるんだね。仮説を立てるのはいいことだけど、ふつうは実験結果に基づいてそれをフレキシブルに修正して行くんだけどね。でもね。いるね、まだそういう人は。

CHAPSはTritonよりきついよ。実際、CHAPSは複合体解体させるよ。昔、CHAPSのすごさについて書いた論文で見た。Tritonは膜はとかすけど蛋白質にはあんまりそういうことはしないらしい。

相互作用が弱いと抽出過程で離れてしまうことはあるよ。あと、特定の場合でのみ結合するとか、金属イオンとかNADとかATPとかみたいな低分子化合物が必要とかで抽出buffer中で希釈されて濃度が低下してはずれるとか。リン酸化とかの修飾が介在してて、それが抽出中に脱修飾されてしまうとか可能性挙げたらきりないくらいいろいろ。EDTA抜くとかいろんなやつのインヒビター入れるとかもしたほうがいいかもね。でもそういうのはAやBの関連論文からもしあればこれかなみたいにあるていど察しがつくね。


弱い不安定な分子間相互作用を捕まえるのにDSPみたいな膜透過性蛋白質架橋剤による in vivo cross linkとかが有効な場合があるから、試してみるのもいいかも。cellがlivingの状態で分子を架橋してから、細胞を破砕するので生理的状態のスナップショットが維持された状態でIPできる。

すべてのAがBと結合しているわけではないと思う。A-B複合体とBfreeのAが細胞内に存在しているとおもう。ものによるけどもしかしたらBと結合してるAは細胞内の全Aの数%かもしれない。

Aの分子でBとインターラクションする部位付近にこの抗体のエピトープがあって、A-Bの複合体だとここがBでかくされているのでこの抗体がアクセスできなくてA-B複合体は捕まえらず、結果としてBがくっ付いてないAだけを選択的に捕まえてしまってるのではないかなともおもう。
抗B抗体でBをIP pull-downしてAが共沈してるかどうかwesternでみたらどうかな。

Bの検出はwestern?それともゲル染色?ふつうのIPだと回収量少ないからwesternでないと多分見えないと思う。

(無題) 削除/引用
No.3238-3 - 2010/09/20 (月) 17:10:01 - おお
あ、EDTA抜いてみるのもでだな。

(無題) 削除/引用
No.3238-2 - 2010/09/20 (月) 17:08:56 - おお
>ボスは「そんなことはないといいはります」
まずはそこから議論してみてください。
なぜないと思うか、そのよりどころとなる物は
(データー、文献など)。それに対してネガティブにみるとどういう風になことが起っていると考えるか。それに対して否定的ならなぜそう考えるのか、、
相手の考えをさぐるのと、変えるということもこれであるかもしれませんが、それよりもそう言ういろいろな可能性を議論していく上で打開策(違う実験系をかんがえるとか)が思いつく場合もあります。

例えばイースト2ハイブリッドはどうかとか、、、
免疫染色では局在が一致している部分はありますか?

テクニカルには、バックグランドがでないなら、デタージェントなしというのもあり得ると思います。
サイトゾリックなら、ていちょう溶液で細胞をこわせば中身がでてきます。まずその状態で核と不溶性のものを遠心で除いてIPするという手はとれます。
washは生理的な塩濃度でいいと思いますが、バックが出るようでしたら300mMぐらいの塩で洗う手もあると思います。
場合によってはLiCl 300mMを最終の洗いで使う方法もあります。

結合するドメインが想像ついているならその場所だけを発現させてみてもいいかもしれません。またあまりいい方法かわかりませんがイーストのそのたんぱくCがその細胞内でAに結合するかというのも、ある種ポジコンになりえますので、こうりょにいれていいかもしれません。

免疫沈降の条件を検討したい 削除/引用
No.3238-1 - 2010/09/20 (月) 16:03:37 - alpaca
現在哺乳類培養細胞を用いて免疫沈降を行っております。

目的産物Aは効率よく免疫沈降されるのですが、複合体を形成していると考えられるタンパク質Bはまったく共免沈されません。
もちろん、複合体を形成していない可能性もあるのですが、酵母の報告から、AはBと似た機能をしているC(酵母特異的タンパク質)と結合するため、哺乳類ではAはBと結合すると予想しております。(Bは酵母に保存されておりませんが、酵母タンパクCと似たドメインをもち、同じような機能をしているとされている)

何度も細胞量を増やしたり、タグを変えたり、細胞を変えたりしたのですが、AとBが結合しているという結果がえられておりません。
あきらめようとも思ったのですが、ボスは「そんなことはないといいはります」
よって次にバッファーを変えて検討したいと考えております。
(今までバッファーをあまり検討しなかったのはAと常に複合体を形成するタンパク質Zは今の条件で共免沈できていたからです。ですがBとの結合は条件がことなるのかもと)

目的タンパク質は細胞質もしくはオルガネラ膜表面に局在しております。
タグは3xHAもしくは3xFLAGをよく使用しております。
現在は
Lysis buffer
50 mM Tris 7.5
150 mM NaCl
1 mM EDTA
1% Triton
protease inhibitor

wash bufferはlysis bufferからprotease inhibitorを抜いたものを使用しております。

ライセートと抗体のインキュベーションを1−2時間
その後、protein G sepharoseで1−4時間
wash x4
boilして電気泳動しております。


TritonよりもCHAPSの方がタンパク質複合体に対してマイルドということを聞き、CHAPSに変更してみたこともあるのですが、結果は変わりませんでした。

みなさまなら、どのような条件検討を行うでしょうか?
よろしくお願いいたします。

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