モンテカルロ効果かも
以下転載
モンテカルロ効果(Monte-Carlo effect)とは、非常に濃度の薄いmRNAやcDNAをテンプレートにしてPCRを行った時に、同じ条件で同じように実験してもPCRがかかったりかからなかったりする現象のことを言う(PNAS Vol. 92, pp. 3814-3818, 1995; FEBS Letters Vol. 512, pp. 152-156, 2002)。プライマーがテンプレートとなるcDNA またはmRNA にうまくアニールできればそこから新しいDNA鎖が伸長するわけだが、テンプレートの量が非常に少ないとプライマーがくっつく確率も低下する。PCRサイクルの初期にプライマーがうまくテンプレートにくっつけば、少ないテンプレートからスタートしてもある程度の量のPCR産物が増幅される。しかし、サイクルの初期にうまくくっつかないと、最終的に増幅される産物の量も少なくなる。PCR産物は2の階乗で増えていくから、初期の段階のほんの僅かの差が最終的にはとても大きな差を生むことになる。その結果、同じ量のテンプレートを用いてPCRをしてもうまくいく時と行かない時が出てくるのである。 |
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