はじめまして、伊達と申します。
いつも貴重な情報を拝読いたしております。
この度初めて質問させていただきます。
Gene Bridges から提供されている、Red/ET Recombination についての質問で、私が使用しているキットは、Quick & Easy Conditional Knock Out Kit - loxP というものです。
http://www.genebridges.com/gb/details.php?prod_id=K005&main_group=red
こちらのキットは、あらかじめ大腸菌に取り込ませておいたプラスミドに対して、相同組み替えを利用して改変を行っていくものです。
どのような状態か一言で申し上げますと、ポジティブコントロールの再現が正常にワークしません。
以下に具体例を挙げて説明させていただきます。
(用語の詳細は末尾に記載しております)
キットには以下のものが同梱されています。
[A] 20ng/µL pRedET (Tc 耐性)
[B] pSub-Hoxa11 (Amp 耐性) と pRedET (Tc 耐性) の双方を含む DH10B のグリセロールストック
[C] 5' 末端と 3' 末端に 50bp の相同領域がついた、Linear Neo/Km cassette (100ng/µL)
ポジコンの実験系を参考に以下にお示しします。
この実験は正常にワークしています。
1. [B] のグリセロールストックを、100µg/mL Amp + 3µg/mL Tc 含有 LB プレートにて起こす。
2. シングルコロニーを 100µg/mL Amp + 3µg/mL Tc 含有 1mL LB に採り、30℃、180rpm で一晩前培養する。
3. 通常OD600 が 1-2 となるので、前培養液から30µL を、前培養液と同じ抗生物質を含む本培養液 1.4mL に接種し、30℃、180rpm で2時間ほど培養する。
4. OD600 が 0.2-0.3 となったところで、L-アラビノースを終濃度 0.3-0.4%で加え、37℃、180rpm で1時間培養する。
5. 冷10%グリセロールで2度洗うことで(2℃, 11krpm で30秒遠心後上清を捨てる)、
エレクトロコンピテントにする(菌液は20-50µL ほどにします)。
6. 菌液に [C] を3µL (300ng) 加え、冷キュベット(1mmギャップ)に移す。
7. BioRAD Gene pulser にて、以下の条件でエレクトロポレーションする。
1350V, 5ms, 50µFd, 100Ohm
8. 1mL SOC を加え、37℃、180rpmで70分培養する。
9. トランスフォーマント液の内、100µL を、100µg/mL Amp + 50µg/mL Km 含有 LB プレートに塗布する。
10. 37℃で一晩培養すると、>100のコロニーが得られる。
11. ミニプレップ後、BglI 消化することで、組み替えが起こっていることを確認する。
(次のメッセージに続きます) |
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