Bio Technical フォーラム

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Red/ET Recombination がうまくいきません。 トピック削除
No.3186-TOPIC - 2010/09/11 (土) 03:17:09 - 伊達
はじめまして、伊達と申します。
いつも貴重な情報を拝読いたしております。
この度初めて質問させていただきます。

Gene Bridges から提供されている、Red/ET Recombination についての質問で、私が使用しているキットは、Quick & Easy Conditional Knock Out Kit - loxP というものです。
http://www.genebridges.com/gb/details.php?prod_id=K005&main_group=red
こちらのキットは、あらかじめ大腸菌に取り込ませておいたプラスミドに対して、相同組み替えを利用して改変を行っていくものです。

どのような状態か一言で申し上げますと、ポジティブコントロールの再現が正常にワークしません。

以下に具体例を挙げて説明させていただきます。
(用語の詳細は末尾に記載しております)


キットには以下のものが同梱されています。
[A] 20ng/µL pRedET (Tc 耐性)
[B] pSub-Hoxa11 (Amp 耐性) と pRedET (Tc 耐性) の双方を含む DH10B のグリセロールストック
[C] 5' 末端と 3' 末端に 50bp の相同領域がついた、Linear Neo/Km cassette (100ng/µL)


ポジコンの実験系を参考に以下にお示しします。
この実験は正常にワークしています。

1. [B] のグリセロールストックを、100µg/mL Amp + 3µg/mL Tc 含有 LB プレートにて起こす。

2. シングルコロニーを 100µg/mL Amp + 3µg/mL Tc 含有 1mL LB に採り、30℃、180rpm で一晩前培養する。

3. 通常OD600 が 1-2 となるので、前培養液から30µL を、前培養液と同じ抗生物質を含む本培養液 1.4mL に接種し、30℃、180rpm で2時間ほど培養する。

4. OD600 が 0.2-0.3 となったところで、L-アラビノースを終濃度 0.3-0.4%で加え、37℃、180rpm で1時間培養する。

5. 冷10%グリセロールで2度洗うことで(2℃, 11krpm で30秒遠心後上清を捨てる)、
エレクトロコンピテントにする(菌液は20-50µL ほどにします)。

6. 菌液に [C] を3µL (300ng) 加え、冷キュベット(1mmギャップ)に移す。

7. BioRAD Gene pulser にて、以下の条件でエレクトロポレーションする。
1350V, 5ms, 50µFd, 100Ohm

8. 1mL SOC を加え、37℃、180rpmで70分培養する。

9. トランスフォーマント液の内、100µL を、100µg/mL Amp + 50µg/mL Km 含有 LB プレートに塗布する。

10. 37℃で一晩培養すると、>100のコロニーが得られる。

11. ミニプレップ後、BglI 消化することで、組み替えが起こっていることを確認する。

(次のメッセージに続きます)
 
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(無題) 削除/引用
No.3186-9 - 2010/09/15 (水) 12:40:33 - おお
あ、一つ思い出しました。TCはMg++がインビビターとしてはたらきます。SOCにマグネシウムが入っていることと、TC濃度が低いことではずれか、抜けかけているコロニーを拾っているかもしれません。pRedETのトランスフォーメーションのときだけSOCのかわりにLBを使ってみてはどうでしょうか?
効率はおちますが、コロニーは生えてくると思いますので。

(無題) 削除/引用
No.3186-8 - 2010/09/15 (水) 12:23:41 - おお
>1. 空のDH10Bへ pSub-Hoxa11 と pRedET を co-electroporation し、プレート培養後に組み換えフラグメントを electroporation する

>2. 空のDH10Bへ pRedET を electroporation し、プレート培養後に pSub-Hoxa11 と組み換えフラグメントを co-electroporation する

シングルの実験結果でもなさそうなのでたまたま変なクローンということはなさそうですね。そうすると、、、

>空の DH10B (Invitrogen, ElectroMAX DH10B Cells)

これはコンピとして買ったものでしょうか、ご自分でふやしたものでしょうか?もしご自分で増やしたものなら、新たにシングルクローンを増やし直すとか、、、

えっとTcが3ug/mlですか、、、
プラスミドを維持するミニマムが5ug/mlという話もあります。


http://openwetware.org/wiki/Tetracycline

マニュアルに忠実にやっていらっしゃるのではとおもいますが、
セレクションの時にはもうちょっと多い方がいいとおもいますが、、、10ug/ml位まであげてリキッドの培養で5ug/ml位に下げてはどうかと、、、
でアラビノース誘導時にコピー数をあげるわけですからtcをそこで追加して10ー15ug/mlくらいに持ち上げてもいいかもしれません。


あとは気分をかえて
違うコンピを使ってみるとか、、、TOP10ならほぼ同じみたいですし、アラビノースの誘導にはそんなに制約がなさそうだし、そうするとbacで使えそうなもので、薬剤耐性だけ気をつければいろいろ選択肢はあるとおもえます。

ああだこうだ書きましたが、お役に立てるかどうかわかりません。

(無題) 削除/引用
No.3186-7 - 2010/09/14 (火) 22:52:58 - Actias
テクニカルのところは、わかりません。

>今のところ有効な回答はいただけていません。
のは、どちら?
1.回答は来たが有効でない
2.回答が無い

回答が無いなら、しつこくメールを出すしかない。

(無題) 削除/引用
No.3186-6 - 2010/09/12 (日) 22:33:32 - 伊達
おお様、

ご連絡ありがとうございます。

>いくらかのステップでシングルコロニーをひろうところがありますが、どのコロニーでも一緒でしょうか?

コロニー間の比較はしておりませんが、プレートからコロニーを取る際は、前培養を何点か取って、育ちの良い(OD600が1-2となる)ものを本培養に使用するようにしています。毎回5点ほど前培養を取っていますが、大体その内の4つは正常に育っています。

>pSub-を導入したあとアラビノースで誘導する所以外は30度で培養するようにすればどうでしょうか?
100ug/mL Ampも50くらいに減らすことでよくなるかもしれません。

ありがとうございます。参考にさせていただきます。

>pSub-とpRedETを同時にトランスフォームするのは、どうでしょうか?マニュアルでは推奨してませんか?

実は、

1. 空のDH10Bへ pSub-Hoxa11 と pRedET を co-electroporation し、プレート培養後に組み換えフラグメントを electroporation する

2. 空のDH10Bへ pRedET を electroporation し、プレート培養後に pSub-Hoxa11 と組み換えフラグメントを co-electroporation する

という2つの実験は既に行っているのですが、どちらも組み換え効率は大変悪く、菌液を全量塗布しても、<10のコロニーしか得られません。
キット付属のグリセロールストックにて行った組み換え菌液を全量塗布しますと、毎回>1000のコロニーが得られます。
ちなみに、2. の手法は Gene Bridges から推奨され、行ったものです。

ご面倒をお掛けいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.3186-5 - 2010/09/12 (日) 11:21:11 - おお
いくらかのステップでシングルコロニーをひろうところがありますが、どのコロニーでも一緒でしょうか?

pRedETはきいているようなので、pSUBの安定性でおかしなことがおきてないかなぁと漠然におもいます。

pSub-に目的のものをほりこんだBACをパラレルにやってらっしゃるのかとおもいますが。

pSub-を導入したあとアラビノースで誘導する所以外は30度で培養するようにすればどうでしょうか?

100ug/mL Ampも50くらいに減らすことでよくなるかもしれません。

一般的なBACの扱いのトラブルシューティングが参考になるかもなぁという気がしています。

pSub-とpRedETを同時にトランスフォームするのは、どうでしょうか?マニュアルでは推奨してませんか?


この手のことはやったことがないので当てになりませんが、感想としてはこんなところです。

(無題) 削除/引用
No.3186-4 - 2010/09/11 (土) 21:31:13 - 伊達
ご連絡ありがとうございます。

日本販売代理店であるフナコシに問い合わせたところ、何が原因か分からないとのことでした。

また、製造元である Gene Bridges にも問い合わせておりますが、今のところ有効な回答はいただけていません。

よろしくお願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.3186-3 - 2010/09/11 (土) 17:17:20 - Actias
で、これだけの詳細な報告をして、メーカーは
何が原因と言っているの?

Red/ET Recombination がうまくいきません。 削除/引用
No.3186-2 - 2010/09/11 (土) 03:22:38 - 伊達
「&#181;」の記載は、マイクロの意です。次回からは u と記載します。申し訳ありません。


以下が私の行っているポジコンの再現実験で、ワークしていないものです。

1. [B] のグリセロールストックを100ug/mL Amp 含有 LB プレートにて起こす。

2. シングルコロニーを 100ug/mL Amp 含有 1mL LB に採り、一晩前培養する。その際、培養温度を 37℃ に変更することで、pRedET の複製を抑える。

3. 培養液をミニプレップし、pSub-Hoxa11 (Amp) を単離する。制限処理によって、目的物に相違ないこと、及び pRedET 由来のバンドがないことを確認する。

4. 単離した pSub-Hoxa11 (20ng) を空の DH10B (Invitrogen, ElectroMAX DH10B Cells) にエレクトロポレーションする。

5. 100ug/mL Amp 含有 LB プレートに塗布し、37℃で一晩培養する。

6. シングルコロニーを 100ug/mL Amp 含有 1mL LB に採り、37℃、180rpm で一晩前培養する。

7. 前培養液から30uL を、前培養液と同じ抗生物質を含む本培養液 1.4mL に接種し、37℃、180rpm で2時間ほど培養する。

8. OD600 が 0.1-0.2 となったところで、10% グリセロールで2度洗い、エレクトロコンピテントにする。

9. [A] 1&#181;L (20ng) をエレクトロポレーションする。

10. 100ug/mL Amp + 3ug/mL Tc 含有 LB プレートに塗布し、30℃で一晩培養する。

11. この先は、はじめに記載した「ワークしている実験」 のステップ2から同様です。
しかし、トランスフォーマント液の全量を塗布培養しても、コロニーが1,2個しか得られません。
それらのコロニーをミニプレップし、BglI 消化したところ、組み替えが起こっていることは確かでした。


ポジコン実験(ワークしている実験)とポジコン再現実験(ワークしていない実験)の間で異なっているのは、
・DH10B の遺伝子型
・基質プラスミド及びpRedETのコピーナンバー
だと思います。

DH10Bの遺伝子型の相違は、Gene Bridges に問い合わせたところ、問題ないだろうとのことでした。

基質プラスミド及びpRedETのコピーナンバーですが、培養時に毎回セレクションをかけており、問題はないのではないかと思います。

このポジコン再現実験の組み換え効率があまりに低いため、自分の目的のコンストラクトも組み換えされない状態で、いささか困っているのが現状です。
どなたか Red/ET Recombination についてお詳しい方、お知恵を拝借することはできないでしょうか?
何卒よろしくお願いいたします。


用語の詳細は以下の通りです。
Amp: アンピシリン
Tc: テトラサイクリン
Neo: ネオマイシン
Km: カナマイシン
pRedET: 組み換え関連タンパク発現プラスミド。30℃でのみ複製し、37℃及びL-アラビノースによって組み換え関連タンパクの発現が促進されます。
pSub-Hoxa11: 組み替えを受ける基質プラスミドで、Amp, ColE1 Ori を持つミニマルベクター(3kb)にマウス Hoxa11 遺伝子の一部(15kb)が挿入されたものです。

Red/ET Recombination がうまくいきません。 削除/引用
No.3186-1 - 2010/09/11 (土) 03:17:09 - 伊達
はじめまして、伊達と申します。
いつも貴重な情報を拝読いたしております。
この度初めて質問させていただきます。

Gene Bridges から提供されている、Red/ET Recombination についての質問で、私が使用しているキットは、Quick & Easy Conditional Knock Out Kit - loxP というものです。
http://www.genebridges.com/gb/details.php?prod_id=K005&main_group=red
こちらのキットは、あらかじめ大腸菌に取り込ませておいたプラスミドに対して、相同組み替えを利用して改変を行っていくものです。

どのような状態か一言で申し上げますと、ポジティブコントロールの再現が正常にワークしません。

以下に具体例を挙げて説明させていただきます。
(用語の詳細は末尾に記載しております)


キットには以下のものが同梱されています。
[A] 20ng/&#181;L pRedET (Tc 耐性)
[B] pSub-Hoxa11 (Amp 耐性) と pRedET (Tc 耐性) の双方を含む DH10B のグリセロールストック
[C] 5' 末端と 3' 末端に 50bp の相同領域がついた、Linear Neo/Km cassette (100ng/&#181;L)


ポジコンの実験系を参考に以下にお示しします。
この実験は正常にワークしています。

1. [B] のグリセロールストックを、100&#181;g/mL Amp + 3&#181;g/mL Tc 含有 LB プレートにて起こす。

2. シングルコロニーを 100&#181;g/mL Amp + 3&#181;g/mL Tc 含有 1mL LB に採り、30℃、180rpm で一晩前培養する。

3. 通常OD600 が 1-2 となるので、前培養液から30&#181;L を、前培養液と同じ抗生物質を含む本培養液 1.4mL に接種し、30℃、180rpm で2時間ほど培養する。

4. OD600 が 0.2-0.3 となったところで、L-アラビノースを終濃度 0.3-0.4%で加え、37℃、180rpm で1時間培養する。

5. 冷10%グリセロールで2度洗うことで(2℃, 11krpm で30秒遠心後上清を捨てる)、
エレクトロコンピテントにする(菌液は20-50&#181;L ほどにします)。

6. 菌液に [C] を3&#181;L (300ng) 加え、冷キュベット(1mmギャップ)に移す。

7. BioRAD Gene pulser にて、以下の条件でエレクトロポレーションする。
1350V, 5ms, 50&#181;Fd, 100Ohm

8. 1mL SOC を加え、37℃、180rpmで70分培養する。

9. トランスフォーマント液の内、100&#181;L を、100&#181;g/mL Amp + 50&#181;g/mL Km 含有 LB プレートに塗布する。

10. 37℃で一晩培養すると、>100のコロニーが得られる。

11. ミニプレップ後、BglI 消化することで、組み替えが起こっていることを確認する。

(次のメッセージに続きます)

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