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PFAでの長期間の組織の固定、TRAP失活 トピック削除
No.3157-TOPIC - 2010/09/07 (火) 13:30:58 - CIA
よろしくお願いします。

4%PFAで組織を長期間(1ヶ月以上)固定した場合、どういった問題が起こりうるでしょうか。

現在、骨組織の検討においてトラブル(TRAP活性の失活)がありますので、それ具体的に記載しますと、

・マウスより上肢、下肢、頭部を摘出し、4%PFA 50mlに入れ、4℃、シェーカーで軽く振盪。
・48時間後に、新しい4%PFA 50mlに交換。
※ Xp、CTの検査が終わるまで、4%PFA中に4℃で保存。
  1〜2ヶ月程度、PFA中に浸っていることもあります。
・EDTA液(pH7.2)で脱灰。週2〜3回程度で、10回以上EDTA液を交換。
・パラフィン包埋

こういった処理を経て、骨組織のTRAP染色を行ったところ、HE染色で多核の細胞を多数認めるにもかかわらず、TRAP染色は陰性、もしくは非常に淡くなっています。破骨細胞は認めるものの、細胞のTRAP活性が非常に低下したものと考えています。
※この染色自体は熟練したテクニシャンが行い、他の研究者のサンプルでは問題なくTRAP陽性細胞がみられましたので、染色手技には問題点はないはずです。

PFAに長期間保存することで、TRAP活性の失活など組織の酵素活性などに影響が起こりうるものなのでしょうか。

御教示お願いします。
 
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ありがとうございます 削除/引用
No.3157-5 - 2010/09/08 (水) 11:43:52 - CIA
>おお様、組織様、C様

コメントありがとうございます。
やはりPFAの固定時間が長すぎたせいで、染色がうまくいかなかったのですね。

骨組織を脱灰直前までPFAにつけておくというのは、ボスが指示したやり方だったんですが、見直す必要がありそうですね。
周りで骨組織を扱っている人に聞いてみると、PFAで48時間固定して、その後は70%エタノールに保存する、というふうにしているようなので、自分もその方法でやってみようかと思います。

ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.3157-4 - 2010/09/07 (火) 22:06:24 - C
マウスやラットの臓器などならば数時間〜一晩が普通で長くても2日くらいというところです。ヒトの臓器だと大きいので一晩以上〜数日くらいと思います。固定液の浸透速度は1時間に何ミリ(1cm以下)と昔習いました。
ということで1ヶ月はかなり長いです。蛋白質の重要な部位の側鎖の修飾もあるし、PFAは古くなると蟻酸のようにあまりありがたくない副生成物も徐々に生じますし、一方でプロテアーゼや酸化酵素などの活性がもし残っていれば長い間には何かしそうな気もします。このように過固定では、見たい酵素の活性を損なう因子はいろいろあります。

また過固定すると、抗原に変化が起きて、抗体との反応性が低下して免疫染色でうまく染まりにくくなる場合があることも良く知られています。

(無題) 削除/引用
No.3157-3 - 2010/09/07 (火) 15:27:41 - 組織
おっしゃる通り、過固定により酵素活性が低下・失活したように思います。他には、免疫染色で抗原性の低下も起こりうると思います。月単位の長期固定だと弱めの抗原は失活してしまいます。それでも安定性が高い抗原は大丈夫だったりしますが。いずれにしても、固定時間をできるだけ短くして、なるべく早くパラフィンブロックにするべきでしょうね。

もしかすると、染色をかなり強めにしてやれば(基質液を濃くする、反応時間を長くする)、今のサンプルでももう少し強く染まってくるかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.3157-2 - 2010/09/07 (火) 14:01:14 - おお
>PFAに長期間保存することで、TRAP活性の失活など組織の酵素活性などに影響が起こりうるものなのでしょうか。

特定のケース、特にご質問のタンパクに対して答えを持ちませんが、かなりのタンパク質が活性を失っていると思います。一度予備実験でフレッシュなものをその活性検出でよく使われる固定法を用いて比較してみればご自身で納得がいくと思いますが(細胞とかはエタノール酢酸系の固定がよく使われているようですけど)。

経験のある方のコメントがあれば話は早いかもしれません。

PFAでの長期間の組織の固定、TRAP失活 削除/引用
No.3157-1 - 2010/09/07 (火) 13:30:58 - CIA
よろしくお願いします。

4%PFAで組織を長期間(1ヶ月以上)固定した場合、どういった問題が起こりうるでしょうか。

現在、骨組織の検討においてトラブル(TRAP活性の失活)がありますので、それ具体的に記載しますと、

・マウスより上肢、下肢、頭部を摘出し、4%PFA 50mlに入れ、4℃、シェーカーで軽く振盪。
・48時間後に、新しい4%PFA 50mlに交換。
※ Xp、CTの検査が終わるまで、4%PFA中に4℃で保存。
  1〜2ヶ月程度、PFA中に浸っていることもあります。
・EDTA液(pH7.2)で脱灰。週2〜3回程度で、10回以上EDTA液を交換。
・パラフィン包埋

こういった処理を経て、骨組織のTRAP染色を行ったところ、HE染色で多核の細胞を多数認めるにもかかわらず、TRAP染色は陰性、もしくは非常に淡くなっています。破骨細胞は認めるものの、細胞のTRAP活性が非常に低下したものと考えています。
※この染色自体は熟練したテクニシャンが行い、他の研究者のサンプルでは問題なくTRAP陽性細胞がみられましたので、染色手技には問題点はないはずです。

PFAに長期間保存することで、TRAP活性の失活など組織の酵素活性などに影響が起こりうるものなのでしょうか。

御教示お願いします。

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