扱っているDNA結合蛋白質がDEAEの様な陰イオン交換カラムに着かない
のであれば精製の初期段階で硫安沈殿の後、陰イオン交換カラムを通せば
ほとんどのDNAを除けるはずです。硫安沈殿だけでもかなり除けるはずです。
それが使えないなら今分かってるその蛋白質に最も強く結合できるDNA配列
を使ったDNAカラムをにつけて精製すればDNAのコンタミを除けるでしょうね。このカラムは高くつきそうですが。
以前近くに転写因子の結晶構造解析をしているラボがあってそこでは上に
示したような初期過程を経てその後いろいろなカラムを使って最終的に
精製された蛋白質に合成DNAを混ぜて(混合条件はゲルシフトアッセイで
決めてたかな?)、ゲルろ過で複合体を単体を分離した後に結晶化して
ました。もし微妙にDNAのコンタミがあってもこの段階でより強く結合
できる合成DNA配列に置き換わっているのかもしれません。DNAとの結合は
結局平衡状態にありますから。
>DNAをむりくり剥がす方向に考えるのではなく、DNAが結合していても同一の>ものにする方向で考えようかとも思いました。
これはやめたほうがいいと思います。今扱っているDNA結合蛋白質が
どのようなDNA配列に結合できることが分かっているのか知りませんが
通常このような蛋白質が結合できるDNA配列には基本的な相同性が
あるもののたった一つの配列ということはありませんから。DNAの
配列が違えばDNAの構造も違いますし、DNA配列が違えば蛋白質側の
構造も微妙に変わりますからこの方法だと結晶化がうまく行かない
可能性があります。 |
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