界面活性剤といっても性質の異なる種類がいっぱいあるし、そのなかから目的に適したものをいかにうまく選ぶかが重要です(と、タンパク質研究を専門にしている人たちならいうでしょう。でも私は詳しくありません)。
タンパク質精製の目的で溶菌するときは、Triton-X100やNP-40、Tween20などの非イオン性の界面活性剤が使われます。これらはタンパク質変成作用はほとんど無いか、あっても感受性のタンパク質がごく一部あるていどでしょう。たとえば、封入体などの不溶化したタンパク質をこれらの界面活性剤で変性・化溶化しようとしても、まず無理です。
一方、SDSやサルコシルなど(陰)イオン性界面活性剤は強いタンパク質変性作用があります。生物材料から核酸を精製するときヌクレアーゼを変性させるため、あるいはなにかの酵素反応をとめるとき、加えるのはこのての界面活性剤です。Triton-X100なんかはむしろ酵素反応中で酵素を失活させないために添加することもあるくらいで。
>可溶化の時間を長くした場合、当然タンパクは変性しますか?
それは界面活性剤処理のせいというより、無用に処理時間を延ばせば劣化がすすむあろうことは、なんでも同じ(酸化、温度上昇、物理的せん断力 などなど)。 |
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