プロトコールというほどおおげさなものではないですが、通常の変性条件下での2-D PAGE (8M Urea, DTTなどの存在下で1次元目をおこなうやつ)でよいなら、単にbeadsを何度か洗った後(最後の洗いでは塩濃度はなるべく低い方がいいです。塩の混入が多いと等電点泳動の分離がとても悪くなることがありますから。)で2次元電気泳動用の試料可溶化液(8M Ureaなど変性剤を含むものであること)にbeadsをけんだくして室温でしばらく置いた後、遠心でbeadsを除いて上清を試料として使えば良いと思います。試料液中で抗体は変性し、抗原は外れます。もちろん抗原も変性します。液量が多いと蛋白質濃度が薄くなりアプライなどで問題が出ますから注意。)抗体をbeadsにあらかじめ架橋していない場合は抗体も試料に混入しますので、できればAb-beadsを作る際に架橋した方がいいでしょう。そうすれば変性しても抗体はbeadsについたままですから。このばあいL鎖の混入をできるだけさけたいなら、DTTはbeadsから蛋白質を溶出した後で加えた方がいいと思います。
なおコントロールの方(normal IgG-beads)も同様に処理します。
beadsから0.1M Glycine-HCl(~pH2.0)などで溶出する方法もありますが、塩の持ち込みなどからあまり得策でないかも?とおもいます。変性剤と比べてバックグラウンドのコンタミの持ち込みは少し減るかもしれないですが。
もしも単に沈降物中の蛋白質の同定が目的ならば、免疫沈降で、もうある程度程度精製されているものですから、もしLC-MS/MSなどが利用出来る研究環境にいるならば、通常の1次元SDS-PAGEで分離してバンド切り出しでも蛋白質の同定くらいなら十分できると思いますので、苦労して2-Dまでする必要性はないと思います。ただcontrolの方の同じ部位のゲルの結果と比べてバックグラウンドのコンタミの蛋白質を差し引くことは必要ですし、万全を期すならimmuno-pull-downなどで確認もすべきでしょう。 |
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