K562細胞株を用いて薬剤耐性実験を行っています。
ある時期を境に培養中の全てのK562がクランプして、10個程度の細胞の「ダマ」を作り、ひどい時にはそのダマの中心部の細胞は死んでしまうようになりました。細胞の培養フラスコへの接着も見られます。K562は浮遊細胞であり、本来ならフラスコへの接着や細胞間接着は少ない細胞株です。
培養条件は
培地:RPMI1640 + 10%FBS + 1%Penicillin-Streptomycin
温度: 37℃ CO2: 5%
で、以前と変化はないと考えています。
現在までに以下のことは試しています。
@長期に細胞を維持していたために細胞がおかしくなったのかと考え、新しくストックを起こしなおしたのですが、ストックした当時は正常に起きていたとのことなのですが、やはりダマを作ってしまいます。
AFBSのロットがおかしいのかと考え、2ロットのFBSでそれぞれストックを起こしなおしましたが、どちらも改善されませんでした。
B少なくとも2ヶ所からK562細胞をいただき、それぞれにノックダウンなどの実験を行っているのですが、親株を含めたすべてのK562ラインがダマになり、いただいてきた場所や実験と無関係に、K562株がおかしくなっています。
C細胞をストックする際に、通常の培地に10%DMSOを加えた培地を使用しているため、DMSOの影響の可能性も考え、起こすときに3回ほどウォッシュを行ってから培養を行いましたが、これも改善にはつながりませんでした。
Dマイコプラズマ汚染はありませんでした。
E私以外の人間がストックを起こしても同じようにダマを作ります。
F同時に培養している他の細胞株(HL-60,3T3-L1等)では、起きが悪い等あるようですが、目立った変化はみられないそうです。
以上のことから、培地や細胞の問題ではなく、操作する人間でもないことから、培養環境の問題を疑ってはいますが、他の細胞株には影響が見られない等、具体的にどこが悪いのかが思いつかず、困っています。
以前に同じようなことが起こったことがある方等いらっしゃいましたら、その時の改善策等お教えいただけるとありがたく思い、質問させていただきました。
長文で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。 |
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