サポニンやTriton X-100の場合、核膜をうまく溶かすのは難しいように思います。実際、Triton-XやNP-40などはきれいな核の分画を得る時によく使いますから。もちろん核膜の一部は傷つくかもしれないので、そこから抗体が入って多少染まるかもしれないですが。
また核蛋白質はDNAや他の蛋白質と大きな複雑な複合体を作っていたりするから、エピトープが隠れているとうまく染まらないかもしれないですね。またPFA固定だと架橋の影響で抗原抗体反応がうまくいかないこともありますね。ただこれらの問題は、抗原賦活化処理により解決できるかもしれないです(過酷な処理ゆえ細胞が剥がれる場合があるので注意)。
もし固定をPFAなどアルデヒド系試薬で行っているならば、PFAなどでなくて代わりに冷却したアセトンとかエタノールなどの有機溶媒で固定する(この場合も一応念のため透過処理はしておいた方がいいみたいです。)と、細胞膜も核膜も破壊されるし蛋白質間架橋などの修飾もほとんどないのでうまくいくかもしれません。 |
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