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mRNA発現量とタンパク質の両方を測定する必要がありますか トピック削除
No.2901-TOPIC - 2010/07/17 (土) 11:53:08 - たまお
細胞組織の増殖に関連する因子のmRNA発現量をreal time-PCRで測定し、さらにその因子のタンパク質をウエスタンブロットで測定するという典型的な実験の指示がありました。
しかし、そのタンパク質は酵素により迅速に分解されるためか、mRNAの発現量と必ずしも一致しません。免疫組織染色法などで明らかに該当のタンパク質が組織増殖に寄与していると思われますが、体内でそのタンパク質の蓄積を好まないのか、速やかに分解しているように感じます(推測ですが)。
測定データのみで議論すると、単純に「mRNAは発現するが、タンパク質は合成されなかった」と言わざるを得ないのですが、どうも納得できません。
mRNAの発現量のみで論理展開するのは、不適切なことでしょうか。
 
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No.2901-8 - 2010/07/20 (火) 06:31:57 - Real-time
>mRNAは発現するが、タンパク質は合成されなかった

ウエスタンの結果は、
1.想定する分子量にバンドが見えたが、コントロールと差が無かった。
2.とにかくバンドが全くでない。
3.バンドは見えるが分子量が異なるものが混じる。またはスメアになる。

のどれでしょうか。

私は以前いたラボでのラボメイドのポリクローナル抗体を使った免疫染色で、非常に意味ありげなデータが出て、ペプチドブロッキングも成功しましたが、ウエスタンでターゲット分子量のバンド以外に多数の分子量のバンドが出てしまいました。しかも免疫沈降でバンドが出なかったため、研究を打ち切りました。mRNAはRT-PCRで確認していましたが、real-time定量はしていませんでした。今思えばIn situ hybridizationと蛍光免疫染色を組み合わせて局在の共通性を調べればよかったと思っています。

この失敗を踏まえて意見を述べさせていただくと
1.免疫沈降(結果2or3)
2.In situ hybridization(結果1-3)
3.siRNAによるRNA分解(結果1のみ)

を追加することをお勧めします。免疫沈降は一時抗体と変性していない抗原との結合が見られるため、免疫染色との比較するにはウエスタンよりお勧めです。In situ hybridizationのプローブは可能であればオリゴヌクレオチドを避けIn vitro transcriptionで作成したRNAをせん断して用いましょう。この際、標的組織で発現が考えられる他の遺伝子との共通配列を避けるのをわすれないでください。

(無題) 削除/引用
No.2901-7 - 2010/07/17 (土) 18:48:40 - 名無し
mRNAと蛋白質の挙動が合わない事はよくありますし、理論的にかならずしもおかしな事ではないです。免疫組織染色(IHC)では検出出来てwestern(WB)で検出出来ないということもまた実際、しばしばありますし、おかしくないです。ただIHCではちゃんとみえているというこなので、お考えのような細胞内でその蛋白質の寿命が短くてということではないような気がします。考えられる可能性と対応策を以下にお示ししますので必要に応じて参考にして下さい。

1、抗体の問題。抗体によってはIHCでは使えてWBでは使えない、あるいはその逆というものは時々あります。(どちらかというと後者のケースが多いと思います。WBはOKでIHCで苦労するみたいな。)抗体作成時の抗原やエピトープの場所によるもので、その抗体の優劣ということでなく特性と思って下さい。説明書に適用可能用途が出ていると思いますので確認下さい。
対策:WBに適用可能な抗体を探して新たに購入する。できればWBのデータ付きのものがいい。IHCとWBを違うメーカーのものを使う事は別に構わないです。

2. 組織を構成する細胞全体における発現細胞の割合の問題。組織のなかで特定の限られた細胞集団に発現しているような場合だと、ICHでははっきり分かりますが、WBのようにホモジネナイズして組織蛋白質全体でみると相対的に極めてマイナー成分になってしまうため、量的な問題で検出限界以下になってしまうことはよくあります。IHCで見えてWBで見えない場合、論文でそのように説明することはありますので、どうしてもWBでも見せないといけないとは思いません。あとできればIHCをみたとき量的な変化が肉眼で分かるならよいのですが。
対策:a(難しいけどもし可能なら)細胞の分画、b(細胞内の特定の部位に局在するなら)subcellular fractionation, c部分精製してみる、d界面活性剤ありなしなどlysis bufferを工夫して段階的に抽出する、などいらないものを除いて、いる物を濃縮する方策を講じる。

3. 抽出過程で分解されてしまう。特定のプロテアーゼが抽出過程で活性化してその蛋白質を特異的に分解してしまうという可能性も否定出来ません。
対策:lysis bufferにプロテアーゼインヒビターカクテルを添加する。その後何段階か操作があいるなら、継続して入れる。出来る限り低温操作(氷中〜4C)を守る。組織(細胞)をSDS-sample buffer(ただしbME-, BPB-、protease inhibitors +、室温)中で直接lysisする。組織試料あるいはlysis後のライゼートは凍結融解は最少限になるように注意する。



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No.2901-6 - 2010/07/17 (土) 17:14:51 - take_
>皆さん、タンパク質量がコントロールと差が見られないとき、どのような実験デザインを組んでおられるのでしょうかね

おっしゃることが意味不明です。

「コントロール」と一言で片付けていますが、ナニに対するコントロールですか?
実験操作をした群としない群で、変動しないと考えられているモノですか?
着目するモノに対して、操作をした群としない群ですか?

(無題) 削除/引用
No.2901-5 - 2010/07/17 (土) 14:08:41 - たまお
774様、有り難うございます。

やはり、増殖の作用機能は、その因子(タンパク質)に依存しますね。
実験方法をもう少し見直しして見ます。
皆さん、タンパク質量がコントロールと差が見られないとき、どのような実験デザインを組んでおられるのでしょうかね。

(無題) 削除/引用
No.2901-4 - 2010/07/17 (土) 13:55:55 - たまお
masa様、有り難うございます。

PCRとウエスタンで肝細胞の増殖因子のmRNAとタンパク質を、免疫染色で肝細胞の細胞数を測定しています。(肝臓の再生)
研究途中なので、具体的な説明ができませんが、確かにmRNAやタンパク質の量、表現系に相関関係が見られないということも言えると思います。
まだ何も思いつきませんが、他のサポート的な実験を組み合わせたいと思います。

(無題) 削除/引用
No.2901-3 - 2010/07/17 (土) 13:51:46 - 774
不適切とは言いきれません。
というのは、あなたがどういう結果を求め、最終的にどういうことを明らかにしたいかによるからです。

しかし、mRNAの発現量とタンパク質の発現量がイコールでないことは良くあります。
逆に質問なのですが、mRNAのinduction(例えばですが)をqPCRで確認したからといって、タンパク質としても同じように増加していると言える根拠はあるでしょうか?

最初に言った通り、もしあなたがその増殖因子(?)のタンパク質の増減あるいはfunctionについて物を言いたいのであれば、qPCRだけでは確実に足りないでしょう。
実際にfunctionalなのはmRNAではなくてタンパク質なのですから。

(無題) 削除/引用
No.2901-2 - 2010/07/17 (土) 13:00:40 - masa
不適切とまでは行かないと思いますが、不十分であるという指摘を受ける可能性が高いと思います。

むしろその抱えている矛盾を説明できるように研究を進めていくことが大切なのではないでしょうか?

私の文章理解が不十分かもしれませんが、ウエスタンで発現が見れないのに免疫染色でシグナルが見えるというのはどういうことでしょうか?細胞の増殖と相関関係がとれるのはmRNA or タンパク質レベルのどちらでしょうか?

細胞の増殖を促進する因子だからといって増殖する細胞の細胞周期を通じて常に高発現or活性化しているわけではないと思います。翻訳制御や、分解、活性制御を受けていてmRNAの量、タンパク質量、表現系で相関が取れにくい可能性というのは考えられないでしょうか?

mRNA発現量とタンパク質の両方を測定する必要がありますか 削除/引用
No.2901-1 - 2010/07/17 (土) 11:53:08 - たまお
細胞組織の増殖に関連する因子のmRNA発現量をreal time-PCRで測定し、さらにその因子のタンパク質をウエスタンブロットで測定するという典型的な実験の指示がありました。
しかし、そのタンパク質は酵素により迅速に分解されるためか、mRNAの発現量と必ずしも一致しません。免疫組織染色法などで明らかに該当のタンパク質が組織増殖に寄与していると思われますが、体内でそのタンパク質の蓄積を好まないのか、速やかに分解しているように感じます(推測ですが)。
測定データのみで議論すると、単純に「mRNAは発現するが、タンパク質は合成されなかった」と言わざるを得ないのですが、どうも納得できません。
mRNAの発現量のみで論理展開するのは、不適切なことでしょうか。

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