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LC-MSの移動相に加える酸でTFAはダメ? トピック削除
No.2887-TOPIC - 2010/07/14 (水) 21:14:58 - LC-MS
皆様のお知恵を拝借したいと考え、トピ立てしてしました。

LC-MSでペプチドを解析しようと考えているのですが、そこで用いる移動相に添加する酸に関して悩んでいます。

LCで得られるペプチドピークがシャープで各ピークの分離度が良いトリフルオロ酢酸を使いたいところなのですが、LC-MSを良く使って実験をしている方から、「できればトリフルオロ酢酸はやめて、ギ酸とか別の酸を使って欲しい」と言われてしまいました。
ギ酸だと酸性度が違うのか得られるピークの検出状況はトリフルオロ酢酸に劣ります。

LC-MSは借り物なので、私は後手後手なのですが、得られる結果はいい結果が欲しいところ。

『なぜトリフルオロ酢酸が嫌われるのか』調べたのですが、イオン化の形成に不具合が生じるということしか見つからない上、LC-MSを良く使う方からトリフルオロ酢酸は流路に残留するという話を受けたりしました。


トリフルオロ酢酸だとダメな理由をこれ以外に知っている方、別にそんな事気にしなくても良いんではという意見の方、何かアドバイス下さい。
よろしくお願いします。
 
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13件 ( 1 〜 13 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 解決済み 削除/引用
No.2887-13 - 2010/07/18 (日) 23:35:22 - LC-MS
Kanataさん
わかりやすい解説、ありがとうございます。

>使おうとしているMSの管理者、そのグループにプロテオミクスを専門とする方がいらっしゃるなら、相談されてみてはいかがでしょうか。
そうですね。実は再度伺いを立てて、返事待ちな状態なんです。
MSを良く使う方に実験があるように、私にもいい結果を出したいという実験があります。
互いに最善の方法でいい結果を出せるように、今週から気合い入れたいと思います。ますます楽しみになってきました。

(無題) 削除/引用
No.2887-12 - 2010/07/18 (日) 22:44:34 - Kanata
ペプチドのシークエンス解析は、LC-MS/MSでフラグメントイオンを提示することで決定されます。
 例えば、AKCPPELR が予測されるペプチドのシークエンスだとします。
LC-MSのみではこの配列がACPKELPRであっても同じ質量数となりますよね。
この場合、二つのペプチドは別のものです。ですから、単にLC-MSで得られたm/zでは同定できません。

また2価、3価のピークの違いはわかっていらっしゃると思いますが、雰囲気で解析するものではありません。査読者から指摘がくると思います。(蛋白質関係の分野でなければつっこまれない???)少なくとも私達分析化学の人間からするとLC-MSのデータでは不十分とみなし、リバイスをお願いするレベルのお話です。

 最近の質量分析装置だと、こちらがRtを指定したりしなくても、多価のピークを認識すると自動的にMS/MSに持っていくシステムが備わっています。ですから、(理想としてはすべてのペプチドを分離するのがよいのですが)ピーク分離が不十分であってもこのシステムを使えばペプチドの同定に持っていくことが出来るのです。これはFAを使った分離のお話につながりますが。

 使おうとしているMSの管理者、そのグループにプロテオミクスを専門とする方がいらっしゃるなら、相談されてみてはいかがでしょうか。思ったより簡単に解析できるかもしれませんよ。

(無題) 削除/引用
No.2887-11 - 2010/07/18 (日) 22:06:13 - LC-MS
Kanataさん

お返事、ありがとうございます。

>もしかしてLC-MS/MSではなく、LC-MSで測定する予定ですか?
現在、それしか考えていません。
ザンギさんのコメで返したように、実際の生データと推定したデータと照らし合わせながら行なおうかと。
1価、2価、3価などの判断は自分の判断と得られたデータの雰囲気で・・・
私もこんなモンかと未経験ながら思ってしまっていましたが、経験者から見ると不思議に感じますか・・・

LC-MS/MSまでもっていくのが普通なのでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.2887-10 - 2010/07/18 (日) 20:07:59 - Kanata
なるほど、蛋白質の同定のようなcomplexなサンプルではないのですね。
TFAの方がピークがシャープだったり分離がよいのは、TFA利用のメカニズムを考えればごく当然です。FAでうまくいかない分、検討されている方が多いのです。

もしかしてLC-MS/MSではなく、LC-MSで測定する予定ですか?
余計なお世話とは思いますが、ザンギさんあてのコメントを拝見する限り、[M+H}+, [M+2H]2+ などのみで同定しようとされているように感じたのですが。分野によってはそれで同定とみなすのかもしれませんが、ちょっと不思議に感じたので。

(無題) 削除/引用
No.2887-9 - 2010/07/18 (日) 19:12:59 - LC-MS
Kanataさん

丁寧なアドバイス、ありがとうございます。

LC-MS沙汰を考慮して、ギ酸を酸に用いた系でも試しました。
結果、ピークの分離状態、ピークのシャープさはTFAの方が圧倒的に良かったんです。

カラムの維持に関しては、使用後に50%アセトニトリル水溶液で洗浄してます。

>流路というよりはスプレーした後のオリフィスなどに付着して残ります
この部分ですか・・・重大ですね。


>どうしてもTFAでの分離のよさを活かしたいのであれば、HPLCでピークを分取し、『一度すべての溶媒を飛ばし(TFAを飛ばし)てから』MSにかけてはいかがでしょうか
この提案を前向きに考えて、チャレンジしていけたらと思います。

(無題) 削除/引用
No.2887-8 - 2010/07/18 (日) 18:44:40 - LC-MS
ザンギさん

ありがとうございます。
共通の機器ですから、無断なんてモラルないことはしませんよ。

>>イオン化する際の障害
>って、そういう解釈で正しいんでしょうか?
>解析試料のイオン化効率が悪くなるってことかと思いました。
効率低下の方で私も使ってました。誤解するような言い回しですみません。


>LC-MSってLCで完全に分離できないと、個々のフラグメントピークのマス値を
>決められないものではないですよね?
LCではある程度キレイに分離してるので、大丈夫と考えてます。
ペプチド配列がわかってるんで、事前にProteinProspectorでm/z値を推測して、一致したものを同定完了とする予定です。

どうなるか・・・今週が勝負と考えています。

(無題) 削除/引用
No.2887-7 - 2010/07/18 (日) 03:53:17 - Kanata
まず、一般にHPLCの移動相に用いる酸、塩基はカラムおよび配管に腐食をはじめ悪影響を及ぼすので、通常は中性(有機溶媒のみふくめ)に戻して洗浄します。よく「同じ移動相を使うから」と洗浄せずにHPLC,カラムを放置する方がいらっしゃいますが、寿命を縮めます。ですからTFAのみではありません。

TFAは0.1%以上は使いませんし、使いたいというユーザーがいたら断ります。理由はIon Suppressionです。また、流路というよりはスプレーした後のオリフィスなどに付着して残ります。簡単に除去しきれない場合もあります。後の使用者の実験に大きな影響を及ぼしかねないので、MSの管理者の指示に従ってください。ちなみにTFAがネガティブで検出されやすいのは酸だからです。ですが、TFA自身がイオン化されるので、たとえTFA分子として検出されなくても、ペプチドのイオン化を妨げます。ですからポジティブで測定しても妨害されることに変わりはありません。

理想としてはHPLCの段階できれいにピークを分離しMSで測定することが望ましいのですが、Ion Suppressionがある以上、TFAの利用はお勧めしません。使うとしても0.1%より低い濃度で使います。もしくは蟻酸を利用します。MSのgas phase reactionの関係で、どうしても移動相には制限が生じます(使える酸、緩衝液の制限など)。
 ここで考えていただきたいのが、HPLCのみの場合、TFAの方がピーク分離がよかったとしても、1ピーク=1ペプチド では必ずしもありません。つまり完全なペプチドの分離は非常に難しいのです。ですから、蟻酸を用いてピーク分離が悪くなったとしても、ペプチドの同定ができないとは言い切れません。これはザンギさんが書かれていることにつながります。
 どうしてもTFAでの分離のよさを活かしたいのであれば、HPLCでピークを分取し、『一度すべての溶媒を飛ばし(TFAを飛ばし)てから』MSにかけてはいかがでしょうか。

 論文検索すると、これらの問題に関するものが多数出てきます。それらを読むと理由がよくわかると思いますよ。

 繰り返しますが、MSの管理者の指示に従ってください。MSの管理者は「すべての」研究者に良い結果を提供すべくマシンを維持・管理なさっているはずです。あなたご自身の判断で好ましくない条件で測定した場合、復旧に膨大な時間がかかり、他の研究者の仕事にも影響がでてしまいます。厳しいようですが、共同研究者でなかなか理解してくださらない方もいたので、あえて書かせていただきました。

(無題) 削除/引用
No.2887-6 - 2010/07/17 (土) 18:02:15 - ザンギ
>イオン化する際の障害
って、そういう解釈で正しいんでしょうか?
解析試料のイオン化効率が悪くなるってことかと思いました。

文面から、個々のペプチドフラグメントのマス値が決まればいいと理解していい
のでしょうか?
LC-MSってLCで完全に分離できないと、個々のフラグメントピークのマス値を
決められないものではないですよね?

装置の所有者等とよく相談される方がいいんじゃないでしょうか?

無断で突っ走って装置の不調の原因になったりしたら2度と貸してもらえない
かもしれませんよ。

(無題) 削除/引用
No.2887-5 - 2010/07/16 (金) 20:50:06 - LC-MS
acidさん、気にかけてもらってありがとうございます。
ザンギさん、匿名さん、アドバイスありがとうございます。

実験では、得られるペプチドピークすべての同定が目的なので、ピーク数から考えるとそれは厳しいと考えてます・・・
ちなみに、それぞれのペプチドのアミノ酸配列は既知です。


さて、今回お聞きした内容。
Sigma-Aldrichの付録資料によると、TFAはギ酸などの酸と比べると表面張力が高く(どの程度かまでは情報を得ていませんが)、イオン化する際の障害になるとの事。
イオン化されにくい・・・つまりはスプレー部分に残留する可能性が大いにあると解釈してます。よって、今後の解析の際に支障が生じるとか。
あと、ネガティブモードでは影響大と書かれていて、なら、ポジティブモードならいいのではと考えたりしてます。

あと別資料によると、TFAを10mM程度で添加して・・・というリストに近いものが掲載されていることから、大丈夫なのでは・・・と感じたりしてます。
実際、移動相に0.1%v/v・・・約10mMちょいを添加して行なっています。いいのかなぁと考えながら悩んでます。

ザンギさんのカキコを見るとやはりやらん方がいいんかなぁ・・・と思いながら、やるっきゃないという思いもあります。

TFA入りのものを使用した後に、何か別の移動相で洗浄するみたいな方法はないものでしょうか・・・
使用者が安心できるような・・・

(無題) 削除/引用
No.2887-4 - 2010/07/16 (金) 17:54:44 - 匿名
TFAが嫌われるのはイオン化抑制が主な理由ではないでしょうか。
ピーク分離はTFAがきれいだがMSのことを考えるとギ酸が好ましい…TFAよりもギ酸を選ぶことは多いのではないでしょうか。
また、TFAが流路にどの程度残留するのか知りませんが、上記の理由からLC-MSの持ち主はTFAを使って欲しくないのかもしれませんよ。
ザンギさんが書かれたように、予めLCで分離した画分をMSにかけるような実験デザインが可能か考えたり、あるいは機器内のTFA残留が問題になるのかならないのかメーカーに聞いてみる必要があるかもしれませんね。

(無題) 削除/引用
No.2887-3 - 2010/07/16 (金) 12:55:05 - ザンギ
ここで太鼓判を捺されても装置の持ち主を説得できませんから、MSのメーカーに
推奨できる(あるいは保証できる)溶媒かどうか聞くのがいいんじゃないで
しょうか。

僕が持ち主だったら勘弁してほしいけど。

そもそもその分離が必要なんでしょうか。
本当に必要なら分離できるLCで画分をとって、それぞれをLC-MSにかければ済
むことでは?

(無題) 削除/引用
No.2887-2 - 2010/07/16 (金) 09:51:42 - acid
専門家が書いてくれると思って待ってましたが、その方面の人は見てないのか、来ませんね。LC-MASSは知らないのですが、HPLCでの一般的な話として、TFAは腐食性(正確な言葉ではないのですが)が高いために、カラム担体自体へのダメージもあるという話は聞いたことがあります。カラムをしまっておく場合はTFAを洗って除いておくのはそのためだとか。機械の持ち主としては、あまり歓迎しない、というのはあるのかもしれません。詳しい方がおられましたら、フォローしてください。

LC-MSの移動相に加える酸でTFAはダメ? 削除/引用
No.2887-1 - 2010/07/14 (水) 21:14:58 - LC-MS
皆様のお知恵を拝借したいと考え、トピ立てしてしました。

LC-MSでペプチドを解析しようと考えているのですが、そこで用いる移動相に添加する酸に関して悩んでいます。

LCで得られるペプチドピークがシャープで各ピークの分離度が良いトリフルオロ酢酸を使いたいところなのですが、LC-MSを良く使って実験をしている方から、「できればトリフルオロ酢酸はやめて、ギ酸とか別の酸を使って欲しい」と言われてしまいました。
ギ酸だと酸性度が違うのか得られるピークの検出状況はトリフルオロ酢酸に劣ります。

LC-MSは借り物なので、私は後手後手なのですが、得られる結果はいい結果が欲しいところ。

『なぜトリフルオロ酢酸が嫌われるのか』調べたのですが、イオン化の形成に不具合が生じるということしか見つからない上、LC-MSを良く使う方からトリフルオロ酢酸は流路に残留するという話を受けたりしました。


トリフルオロ酢酸だとダメな理由をこれ以外に知っている方、別にそんな事気にしなくても良いんではという意見の方、何かアドバイス下さい。
よろしくお願いします。

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