sample buffer のpH6.8を最終確認して電気泳動に供している人は少ないと思います。これまで、通常酸性側に大きくずれていない限り事実上問題なく泳動されてました。pH指示薬であるBPBの色で分かりますが、もしオレンジとか黄色になるようだと泳動(特にゲルへの移行)がうまくいかないので少量のTris(pH8.8~9位の濃いやつ)などで青にして下さい。青系になっていればたいてい問題ないです。
汎用されている不連続緩衝系SDS-PAGE(濃縮ゲルpH6.8と分離ゲルpH8.8で構成されるゲル)の場合はサンプルが濃縮ゲルに入るまでの間と濃縮ゲルから分離ゲルに入るまでの間の2段階で濃縮操作が行われるので、第一段階でいまいち濃縮効果が悪くてもウェルから濃縮ゲルに移行出来れば大丈夫と思います。一方、連続緩衝系のゲルの場合はウェルからゲルへの移行過程の1カ所でのみ濃縮操作が行われるのでpHのズレはあまり良くないかもしれません。市販の既製ゲルでは濃縮ゲルを入れていないものもあるようなので(既製グラジェントゲルなど)そういうものを使用するときはpHのズレは少し影響が出る可能性はあるかもしれないです。 |
|