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ウイルス感染の操作だけで遺伝子発現誘導が見られる件について トピック削除
No.2867-TOPIC - 2010/07/12 (月) 12:07:26 - charo
みなさまおはようございます。
いつも勉強させていただいております。
この度、私の研究内容についてどうにも不思議な現象が見られてしまったので、
みなさまからご助言いただけたらと思い、トピックを立てさせていただきました。

現在、pMXsレトロウイルスベクターに興味ある遺伝子A(Aは酵素です。Aはその酵素活性により産物Bを作りだすことが出来ます)をGFP融合になるようクローニングし、またそのコントロールとしてGFP単体を使用し、それぞれからウイルス作成後、ユニークな初代培養細胞Cにポリブラン存在下で感染させました。

感染効率は、GFP発現をFACS解析により評価いたしまして約50 %程度でした。sortingする前に産物BをFACS解析しました。すると不思議な現象が現れました。

感染させる前のparentalな初代培養細胞Cは遺伝子AのKOマウスから樹立したもので、産物Bは発現しておりませんので、FACS解析によりGFP-, 産物B-でした。
一方、遺伝子Aを持たせたウイルスベクターを感染した細胞(rescued cells)では当然、GFP+, 産物B+でした。
ところが、GFP単体を持たせたウイルスベクターを感染したコントロール細胞では、当然GFP+でしたが、予想外に産物Bも+になってしまいました。しかし、sortingする前ですのでGFP-の細胞も50%程度いますが、それらでは産物Bは発現しておらず当然GFP-, 産物B-でした。

以上のことから、
1. 遺伝子A KO細胞に、GFP単体を発現させても産物Bがみられたことから、
 産物Bを作り出す酵素は、酵素A以外にも存在する(仮にこれら酵素Dとする)可能性がある。
2. 遺伝子A KO細胞に、GFP単体を発現させても産物Bがみられたことから、
 ウイルス「感染」操作だけで酵素Dがinduceされる可能性がある。
こういったことが現在状況証拠から考えております。

ここで、皆様にお聞きしたい事としては、
今後、初代培養細胞Cにレトロウイルス感染しただけで産物Bがinduceされるかを新たに実験立案していこうと考えておりますが、先行研究でそれに関連した報告をもしみなさまがご存知であれば、どうかご教示いただけませんでしょうか?どうぞ宜しくお願いいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.2867-12 - 2010/07/14 (水) 11:16:51 - charo
DC様

なるほど…確かに。。
言われてみればそうですね…ちょっと調べてみます。
ありがとうございます!!!

(無題) 削除/引用
No.2867-11 - 2010/07/14 (水) 10:43:50 - DC
レトロ感染による細胞への刺激(シグナル)で酵素Dが誘導される、という事もあるかもしれませんが、そもそもレトロベクター中に酵素A likeな機能を持つ分子が存在していて、レトロそのものでレスキューされた、という事はありえませんか?

(無題) 削除/引用
No.2867-10 - 2010/07/14 (水) 10:29:55 - charo
dive様
>レトロ感染で動くシグナルはあちこちにあるでしょうけど、今回たまたまそこを突付いてしまったということでしょうか。

そうです。。気になってしまいそういった事例がないかを伺いたくてトピを立てさせていただきました。アドバイスありがとうございます。産物B以外にも見てみます。また別のアプローチで産物Bの検出を行おうと思います。

はまじ様
非常に興味深い、またとても有意義な見解をありがとうございます。
私自身免疫系のlabに所属しておりますがTLR関連は複雑で、精通した方からご意見いただいて
非常に参考になりました!ありがとうございます。

中年様
いつも貴重な書き込み参考にさせていただいております。ありがとうございます。
やはり、gene deliveryに使用するempty vectorにでも免疫原性はあるんですね。
てっきりvectorとして使用するウイルスには免疫反応を惹起させないような工夫が施されているものだと考えておりましたので、改めてcontrolの重要性を認識するとともに、今後、本格的に計画立案していこうとするmotivationが産まれました。


みなさまの貴重なご意見伺う事ができまして、自信を持つ事ができました。
本当にありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.2867-9 - 2010/07/13 (火) 16:06:24 - 中年
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2719761/

この論文に次のようなくだりがあります。

While studying the effect of retrovirus-mediated expression of PSTPIP1 variants in THP-1 cells, we noticed that retroviral infection, even with an empty retroviral vector, causes a dramatic increase in the expression of endogenous pyrin and pro-IL-1β proteins in the infected cells 16-24 h post-infection.

PRRsによるPAMPsの検出 削除/引用
No.2867-8 - 2010/07/13 (火) 04:26:29 - はまじ
細胞が発現しているPattern recognition receptors (PRR)にレトロウイルスのpathogen-associated molecular patterns (PAMP)が検出され、そのシグナルによって酵素Dが誘導されたという可能性を考えました(この場合ですとウイルスが持つ一本鎖RNAでしょうか?)。この場合は、RIG-I like receptorの直下にあるアダプタープロテインのIPS-1、他にはTLRの直下のアダプタープロテインであるTRIFやMyD88をつぶす(KOマウスとの掛け合わせ、または、siRNAを使ってノックダウンする、もちろんTLR7/8などを直接ノックダウンしても良いと思います)ことで酵素Dの誘導を阻害できるかもしれません。ただ、書いているうちに何だか大変そうな実験になってしまいました。少しでも参考になれば幸いです

(無題) 削除/引用
No.2867-7 - 2010/07/13 (火) 00:05:17 - dive
レトロ感染で動くシグナルはあちこちにあるでしょうけど、今回たまたまそこを突付いてしまったということでしょうか。

遺伝子Aを主人公に纏めるなら、今回は産物B以外の分子を複数見れるなら見た方がいいのではないでしょうか?
レトロ感染で動くシグナルは別の論文に纏めるネタとして個人的には好きです。

(無題) 削除/引用
No.2867-6 - 2010/07/12 (月) 22:04:18 - charo
take_様
当然のご指摘ありがとうございます。
ただ私がいう信頼とは、私の手技的な操作に限ったことです。
compensationを行うなど検出する際の手技的な操作には信頼があるということですので、
データそのものについて言及したものではありません。
語弊を招く表現を用いてしまい申し訳ありません。

引き続き、論文等紹介していただけますと幸いです。
どうぞ宜しくお願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.2867-5 - 2010/07/12 (月) 20:51:24 - take_
産物Bを別の検出方法で検出してみる。

>私は免疫系のlabに所属しておりマルチカラー染色をルーチンに
>こなしておりますので、今回のデータには信頼があります。

論文投稿時にそうは書けないので、その考えは捨ててしまったほうがいいと思います。人がデータに信頼性を持たせるのでなく、データがデータに信頼性を持たせるべきです。

(無題) 削除/引用
No.2867-4 - 2010/07/12 (月) 17:17:08 - charo
~様
>ちょっと心配になったのですが、FACS解析の際にcompensationはきちんと行っていますよね?

ありがとうございます。
はい、補正は行っております。FL-1の蛍光がFL-2に漏れ込まないようにしております。
私は免疫系のlabに所属しておりマルチカラー染色をルーチンにこなしておりますので、
今回のデータには信頼があります。parentalな細胞ではnullだったのが、GFP単独の導入でも産物Bがsignificantにpositiveになりました。


レテロ様
>確か、ある種のサイトカインの発現がレトロの感染で変動するというのをどこかで見た記憶があります。どこだったか。。。

HIVやLCMVなどでは遺伝子発現変動は当然に見られてもよさそうなんですが、遺伝子工学領域で使われるレトロウイルス「ベクター」でもhost細胞に遺伝子変動を及ぼすものなのか、気になっております。

なかなか論文の探しがうまく行っておらず混迷を極めております。。
サイトカインでも調べてみます。ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.2867-3 - 2010/07/12 (月) 15:52:01 - ~
ちょっと心配になったのですが、FACS解析の際にcompensationはきちんと行っていますよね?

(無題) 削除/引用
No.2867-2 - 2010/07/12 (月) 13:29:18 - レテロ
確か、ある種のサイトカインの発現がレトロの感染で変動するというのをどこかで見た記憶があります。どこだったか。。。

ウイルス感染の操作だけで遺伝子発現誘導が見られる件について 削除/引用
No.2867-1 - 2010/07/12 (月) 12:07:26 - charo
みなさまおはようございます。
いつも勉強させていただいております。
この度、私の研究内容についてどうにも不思議な現象が見られてしまったので、
みなさまからご助言いただけたらと思い、トピックを立てさせていただきました。

現在、pMXsレトロウイルスベクターに興味ある遺伝子A(Aは酵素です。Aはその酵素活性により産物Bを作りだすことが出来ます)をGFP融合になるようクローニングし、またそのコントロールとしてGFP単体を使用し、それぞれからウイルス作成後、ユニークな初代培養細胞Cにポリブラン存在下で感染させました。

感染効率は、GFP発現をFACS解析により評価いたしまして約50 %程度でした。sortingする前に産物BをFACS解析しました。すると不思議な現象が現れました。

感染させる前のparentalな初代培養細胞Cは遺伝子AのKOマウスから樹立したもので、産物Bは発現しておりませんので、FACS解析によりGFP-, 産物B-でした。
一方、遺伝子Aを持たせたウイルスベクターを感染した細胞(rescued cells)では当然、GFP+, 産物B+でした。
ところが、GFP単体を持たせたウイルスベクターを感染したコントロール細胞では、当然GFP+でしたが、予想外に産物Bも+になってしまいました。しかし、sortingする前ですのでGFP-の細胞も50%程度いますが、それらでは産物Bは発現しておらず当然GFP-, 産物B-でした。

以上のことから、
1. 遺伝子A KO細胞に、GFP単体を発現させても産物Bがみられたことから、
 産物Bを作り出す酵素は、酵素A以外にも存在する(仮にこれら酵素Dとする)可能性がある。
2. 遺伝子A KO細胞に、GFP単体を発現させても産物Bがみられたことから、
 ウイルス「感染」操作だけで酵素Dがinduceされる可能性がある。
こういったことが現在状況証拠から考えております。

ここで、皆様にお聞きしたい事としては、
今後、初代培養細胞Cにレトロウイルス感染しただけで産物Bがinduceされるかを新たに実験立案していこうと考えておりますが、先行研究でそれに関連した報告をもしみなさまがご存知であれば、どうかご教示いただけませんでしょうか?どうぞ宜しくお願いいたします。

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