Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

最新のフォーラム | このフォーラム | ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

大腸菌の形質転換 (Help!) トピック削除
No.2851-TOPIC - 2010/07/08 (木) 11:13:49 - 83
 今年から実験を始めている初心者です。現在大腸菌の形質転換で失敗を繰り返しているため、皆さんに助言いただきたいとおもい、ご質問させていただきます。

 組み換えタンパクを作るため、大腸菌BL21株にpET16bベクターを用いて形質転換を行っています。インサートは約400bpであり、これをpET16bにライゲーションさせ、一旦T7プロモーター発現系のないDH5α菌に形質転換たところ、コロニーが生えました。これをミニプレップし、プラスミドを抽出。インサートに特異的なプライマーを用いてPCRを行い、インサートの確認を行いました。

 現在このミニプレップから抽出したプラスミドをBL21に形質転換しているのですが、全くコロニーが生えません。周囲の人や指導教官にプロトコールの確認をしてもらいましたが、「生えないはずがないのだが・・・」と首をひねるばかりです。

 大腸菌BL21は他のラボで半年前に作製されたコンピテントセルで、-80℃で保存されており、現在もほかの人が活用し、形質転換に成功しています。残念ながらコンピテンシーに関する情報がないのですが、この半年の間私同様の初心者3人が形質転換を行い、全員がそのコンピテントセルで成功しています。
 このコンピテントセルを氷上融解した後、プラスミドを加えて30分氷上インキュベートしています。プラスミド添加時はタッピングで混合しており、不用意なピペッティングはしていません。プラスミドはロシュのキットで抽出し、RNase処理したものを用いています。コンピテントセル100μlに対し、約100ng(2〜5μl)を加えていますので、濃度も問題ないと思います。また形質転換直前にアガロースゲルに泳動し、環状・鎖状の確認を行っており、導入可能な環状プラスミドが十分量存在することを確認しています。
 30分氷上インキュベート後、42℃45秒のヒートショックを与え、直ちに氷上に戻し、15分氷上インキュベートを行っています。その後LB培地(プレーン)500μlを加え、37℃30分振とう培養を行い、5000rpm室温1分遠心し上清500μlを除く沈澱100μlを培地にストリークしています。その後37℃でインキュベートしているのですが、培養開始から24時間を経てもコロニーは見られず、寒天培地はきれいなままです。
 培地にはLB寒天培地(アンピシリン終濃度100μg/ml)を使用し、同じ培地を用いて先のDH5α菌の形質転換を行いました。作製してまだ一ヶ月経っておらず、十分使用できるものと思えます。

 指導教官の「プロトコルはこれでエエ」との言葉を信じ、実験を繰り返す(インキュベート時間、ヒートショック時間など、可能な範囲で条件を変えてはみるのですが・・・)のですが失敗に終わっています。私の気付いていない落とし穴が何かあるのではと、心配になり皆さんの助言をいただきたいと思います。宜しくお願いします。長文ご無礼。


 
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



8件 ( 1 〜 8 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.2851-8 - 2010/07/09 (金) 00:19:32 - エコエコ
30度で培養する
Amp濃度を半分にする
pLysSプラスミドを同時に入れて、T7プロモーターからの漏れを防ぐ
コンピを新しく作り直す(エレポの装置があるならエレポ用コンピにする)

(無題) 削除/引用
No.2851-7 - 2010/07/08 (木) 23:25:38 - 通りがかり
> 最も近道で組み換えタンパクを得る方法

DE3 でない BL21 を形質転換しておき、λCE6 の感染によって発現を誘導するという手があります。感染前は T7 polymerase が全く存在しないので、リーク発現が起きません。

(無題) 削除/引用
No.2851-6 - 2010/07/08 (木) 20:22:47 - ATG
私の経験ですが、同じようにコロニーがでない(もしくは、めちゃくちゃ少ない)という症状があったとき、コンピテントセルを新しく作り直したら解決できました。
また、ヒートショックも42度で45秒から30秒にしたらいいと思います。45秒でもいいのですが、コンピが弱っていると、45秒は時間が長くて、大腸菌が死んでしまいます。30秒でやっていますが、全く問題はありません。

実験頑張ってくださいね。

助言へのお礼 削除/引用
No.2851-5 - 2010/07/08 (木) 13:36:13 - 83
 恥ずかしながら初投稿だったのですが、あっという間に3人もの方から助言をいただきました。助言していただいた皆さん、有難うございました。

 兎にも角にも再度コントロールを設定してやり直してみたいと思います。取り敢えずは「インサートなしのpET‐BL21」「インサートありpET‐DH5α」の二つを置いてみようと思います。

 インサートの毒性の可能性・・・。考えたくはないですが、つまりは「大腸菌では無理である」ってことでしょうか。pETへのコンストラクトが完了している現状から、最も近道で組み換えタンパクを得る方法などありましたら助言願います。
 

(無題) 削除/引用
No.2851-4 - 2010/07/08 (木) 13:15:21 - ばいや
pETならBL21(DE3)を使うのでは?またはpLysSで。

T7系でBL21で発現するとどうなるのでしょう?その知識を持っていません。だれか教えていただけたら。

ちなみに83さんはたぶんDE3を使っていると思いますが、念のため。

手法に問題点があるとは思えないです。書いている限りは。念のため空ベクターで形質転換できるか試験してみては?手法に問題はないとの確認になります。あと形質転換効率も。

(無題) 削除/引用
No.2851-3 - 2010/07/08 (木) 12:42:13 - masa
APさんがおっしゃるようにpETに組み込んだ配列が影響している可能性と自分のトランスフォーメーションの手技の両方の可能性があるので、同時に配列を組み込んでいないpETをコントロールとして形質転換させてみてはどうでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.2851-2 - 2010/07/08 (木) 12:07:43 - AP
組み込まれた遺伝子からのleaky expression(誘導しなくても起こる低レベル発現)で生じるタンパク質が大腸菌にとって毒性をもつパターンのようです。
過去ログ参照

大腸菌の形質転換 (Help!) 削除/引用
No.2851-1 - 2010/07/08 (木) 11:13:49 - 83
 今年から実験を始めている初心者です。現在大腸菌の形質転換で失敗を繰り返しているため、皆さんに助言いただきたいとおもい、ご質問させていただきます。

 組み換えタンパクを作るため、大腸菌BL21株にpET16bベクターを用いて形質転換を行っています。インサートは約400bpであり、これをpET16bにライゲーションさせ、一旦T7プロモーター発現系のないDH5α菌に形質転換たところ、コロニーが生えました。これをミニプレップし、プラスミドを抽出。インサートに特異的なプライマーを用いてPCRを行い、インサートの確認を行いました。

 現在このミニプレップから抽出したプラスミドをBL21に形質転換しているのですが、全くコロニーが生えません。周囲の人や指導教官にプロトコールの確認をしてもらいましたが、「生えないはずがないのだが・・・」と首をひねるばかりです。

 大腸菌BL21は他のラボで半年前に作製されたコンピテントセルで、-80℃で保存されており、現在もほかの人が活用し、形質転換に成功しています。残念ながらコンピテンシーに関する情報がないのですが、この半年の間私同様の初心者3人が形質転換を行い、全員がそのコンピテントセルで成功しています。
 このコンピテントセルを氷上融解した後、プラスミドを加えて30分氷上インキュベートしています。プラスミド添加時はタッピングで混合しており、不用意なピペッティングはしていません。プラスミドはロシュのキットで抽出し、RNase処理したものを用いています。コンピテントセル100μlに対し、約100ng(2〜5μl)を加えていますので、濃度も問題ないと思います。また形質転換直前にアガロースゲルに泳動し、環状・鎖状の確認を行っており、導入可能な環状プラスミドが十分量存在することを確認しています。
 30分氷上インキュベート後、42℃45秒のヒートショックを与え、直ちに氷上に戻し、15分氷上インキュベートを行っています。その後LB培地(プレーン)500μlを加え、37℃30分振とう培養を行い、5000rpm室温1分遠心し上清500μlを除く沈澱100μlを培地にストリークしています。その後37℃でインキュベートしているのですが、培養開始から24時間を経てもコロニーは見られず、寒天培地はきれいなままです。
 培地にはLB寒天培地(アンピシリン終濃度100μg/ml)を使用し、同じ培地を用いて先のDH5α菌の形質転換を行いました。作製してまだ一ヶ月経っておらず、十分使用できるものと思えます。

 指導教官の「プロトコルはこれでエエ」との言葉を信じ、実験を繰り返す(インキュベート時間、ヒートショック時間など、可能な範囲で条件を変えてはみるのですが・・・)のですが失敗に終わっています。私の気付いていない落とし穴が何かあるのではと、心配になり皆さんの助言をいただきたいと思います。宜しくお願いします。長文ご無礼。


 

8件 ( 1 〜 8 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を