今年から実験を始めている初心者です。現在大腸菌の形質転換で失敗を繰り返しているため、皆さんに助言いただきたいとおもい、ご質問させていただきます。
組み換えタンパクを作るため、大腸菌BL21株にpET16bベクターを用いて形質転換を行っています。インサートは約400bpであり、これをpET16bにライゲーションさせ、一旦T7プロモーター発現系のないDH5α菌に形質転換たところ、コロニーが生えました。これをミニプレップし、プラスミドを抽出。インサートに特異的なプライマーを用いてPCRを行い、インサートの確認を行いました。
現在このミニプレップから抽出したプラスミドをBL21に形質転換しているのですが、全くコロニーが生えません。周囲の人や指導教官にプロトコールの確認をしてもらいましたが、「生えないはずがないのだが・・・」と首をひねるばかりです。
大腸菌BL21は他のラボで半年前に作製されたコンピテントセルで、-80℃で保存されており、現在もほかの人が活用し、形質転換に成功しています。残念ながらコンピテンシーに関する情報がないのですが、この半年の間私同様の初心者3人が形質転換を行い、全員がそのコンピテントセルで成功しています。
このコンピテントセルを氷上融解した後、プラスミドを加えて30分氷上インキュベートしています。プラスミド添加時はタッピングで混合しており、不用意なピペッティングはしていません。プラスミドはロシュのキットで抽出し、RNase処理したものを用いています。コンピテントセル100μlに対し、約100ng(2〜5μl)を加えていますので、濃度も問題ないと思います。また形質転換直前にアガロースゲルに泳動し、環状・鎖状の確認を行っており、導入可能な環状プラスミドが十分量存在することを確認しています。
30分氷上インキュベート後、42℃45秒のヒートショックを与え、直ちに氷上に戻し、15分氷上インキュベートを行っています。その後LB培地(プレーン)500μlを加え、37℃30分振とう培養を行い、5000rpm室温1分遠心し上清500μlを除く沈澱100μlを培地にストリークしています。その後37℃でインキュベートしているのですが、培養開始から24時間を経てもコロニーは見られず、寒天培地はきれいなままです。
培地にはLB寒天培地(アンピシリン終濃度100μg/ml)を使用し、同じ培地を用いて先のDH5α菌の形質転換を行いました。作製してまだ一ヶ月経っておらず、十分使用できるものと思えます。
指導教官の「プロトコルはこれでエエ」との言葉を信じ、実験を繰り返す(インキュベート時間、ヒートショック時間など、可能な範囲で条件を変えてはみるのですが・・・)のですが失敗に終わっています。私の気付いていない落とし穴が何かあるのではと、心配になり皆さんの助言をいただきたいと思います。宜しくお願いします。長文ご無礼。
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