私は主にマウスではなくラットを使っておりましたが、自作の”開口器”を使っていました。
5センチ四方の四角のフレームを少しかためのワイヤーでつくり、その上下端にフックを取り付け、片側にはデンタルフロスで作った直径3mm程のループを介して上顎切歯に取り付け、対側には適当な長さに調整した輪ゴムで下顎切歯に取り付けて開口させていました。
(上顎を扱う用途です)
文章だけだと、????だと思いますので、適当なメールアドレスでも教えていただければデジカメで写真を撮ってお送り致します。
おそらく開口の次は薬剤投与(注射)をどうするかが問題となるかと思いますが、私は以下の2通りの注射方法を使っていました。
(1)口蓋側歯肉全体への注射
29G, 31Gなどのインスリンシリンジで第一臼歯口蓋側、やや切歯よりの歯肉に刺入。 針の刃面を粘膜面と平行に刺入。 針を刺入後、ゆっくりと薬剤を注入。
注入がきちんと行われた場合、片側の口蓋全体が白色になります。 ラットの場合は5-10マイクロL注入可。
(2)歯間乳頭歯肉への注射
同じくインスリンシリンジを使いますが、針先を最初に細工しておきます。
針先を耐水ペーパーなどでおとし、刃面が2面あるような形態にします。
これも文章だとわかりにくいですが、下記の図でおわかりいただければ幸いです。
(オリジナル)
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(調整後)
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歯肉の厚みがそんなにありませんので、針もショートベベルを使った方が良いと思います。
(針先が歯槽骨にあたった状態で、針先の針穴がロングベベルの場合縦に細長いために針穴の手前側が歯肉から出ている状態になり、薬液が歯肉組織中に注入できずに漏れてしまいます。)
刺入方向も(1)の方法とは違い、粘膜面にほぼ垂直に刺入します。
開口程度によっては第2・3臼歯間には注入しにくいかもしれません。
それともう一点。
開口器だけで実験動物の体を固定しないと、注射をおこなったり、結紮をしたりするときに動物に力を非常にかけにくいです。
動物の体を固定する器具も同時に使われることをおすすめ致します。
わたしはA4版ぐらいの金属板の左右・手前側にクリップをつけ、ラットの手足と上述の開口器をデンタルフロスでとめて、ラットの体を固定していました。
下顎を実験対象にされている場合、sinさんのref.が非常に有効かと思われます。
periodontitisさんの実験がうまくいくことを祈りつつ... |
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