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Hind3単一の制限酵素を用いたライゲーション トピック削除
No.2752-TOPIC - 2010/06/21 (月) 16:16:37 - だい
はじめてこのサイトで質問させていただきます。今回、7.1kbのベクターにHind3の制限酵素を用いて1.6kbのインサートを挿入するコンストラクトを作ろうとしています。種々の理由があり、マルチクローニングサイトではない場所を使う必要があり、Hind3のunique siteを使っています。クローニングがなかなかうまくいかないため、皆様のご意見を伺えればと思います。

《ベクターの調整》
@ベクターをHind3で37℃、overnight処理した後にCIAP処理(50μLの反応系にそのままタカラのCIAPを1μL加えてます)を37℃、2時間行う。
APCI処理を2回、クロロホルム抽出を1回行い、イソプロパノールおよび70%エタノールで精製、その後1%のアガロースゲルで50V, 3hr流してゲルレッドを用いて後染めして7.1kbのサイズを切り出します。直下に見えるcircularな切れ残りは区別できています。

《インサートの調整》インサートはHind3のリンカープライマーを用いてかけたPCR産物の両端をHind3処理し、アガロースで流して1.6kbのサイズを切り出しています。ベクターとともに切り出しの際にはUV照射をなるべく短時間で済ませるようにしています。

《ライゲーション》モル比1:1でタカラのligation mighty mixで16℃、overnightにしています。ベクターの量を10ngにし、その後JM109のコンピテントセル10μLに形質転換しています。

以上のプロトコールで実験を行い、
@ベクターのみCIAP未処理、ライゲースなし
AベクターのみCIAP未処理、ライゲースあり
BベクターのみCIAP処理、ライゲースあり
CベクターCIAP処理+インサート、ライゲースあり
でLB plateに撒いてみました。@でコロニー数個、Aでコロニー多数なのでライゲースの性能は大丈夫だと思います。ところが、B、Cでコロニーがまったく見えません。上記のやり方でどこか直したほうがよいところがあれば、アドバイスを頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
 
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どうもありがとうございました 解決済み 削除/引用
No.2752-16 - 2010/06/25 (金) 20:55:50 - だい
みなさまへ

たくさんの有用な情報を下さり、どうもありがとうございました。あのあとベクターの制限酵素処理、CIAP処理産物を直接アガロースで泳動してUVを当てずに切り出し、インサートはインサート同士でライゲーションを行い3量体が形成されることを確認した後、DNA溶液がコンピテントセルの1/10容量を超えないようにライゲーションし、無事にアタリクローンを複数拾うことができました。

もっと大きなインサートを入れる予定も今後あるので、そのときにはクローニングベクターを用いてしっかりしたインサートを作ってからやりたいと思います。非常に勉強になりました。今後も困ったときにこのサイトでご相談させていただけたらと思います。どうもありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.2752-15 - 2010/06/25 (金) 08:53:21 - take
ぼくはクローニングが下手です。
PCR 産物の制限酵素処理物をベクターに入れるのが難しいことをいろんな人から聞いています。

なので、

PCR 産物をpGEM とかpBluescript などのブラントエンドに放り込む
配列確認をする
プライマーに入れた配列で切り出す
目的ベクターに入れる
制限酵素切断で向きを確認する

としています。

(無題) 削除/引用
No.2752-14 - 2010/06/21 (月) 23:57:23 - AP
>Pumpkinさんへ Hind3は、overnightで処理しても切れ残りが生じる制限酵素だと思っていましたが、そうではないのですね。

横レスしますが、少なくともMCSに採用されているようなメジャーな制限酵素で、目に見えるほどの不完全消化が起こるものはありません。各制限酵素で、プラスミドの完全消化にどれほどの条件(酵素単位量:基質プラスミド量、反応時間)が必要かについては、各社のカタログに載っているはずですので、参考にしてください。

使ったプラスミドは、自前で精製したものではないですか? アルカリ/SDS法で、アルカリ変性が過剰だと部分変性したプラスミドを生じます。こういうのは制限酵素耐性で、酵素量や反応時間をいくら増やしても切れません。

>その時のライゲーションの温度が16℃でなく37℃になっていたのを見落としておりました。ligation mixのPDFを見ても37℃とは書かれていないようなのですが、直鎖DNA同士をライゲーションするときには37℃の方が効率がよいのでしょうか。

普通の酵素なので、温和な温度のほうが反応は早く進むのです。ただし、環状化するのには温度を下げたほうが良いと信じられています。ラムダファージベクターに組み込むときのように、直鎖状のコンカテマーを得たいときはむしろ室温程度の反応温度が薦められていることがあるくらいです(最近は環状化するプラスミドベクターの場合も、それを薦めている説明書もあるようです)。
しかし実際のところ、反応温度12℃〜37℃位の範囲でタイムコースをとってみると、電気泳動で見る限り、かなり短時間にプラトーになるようで、どの温度でも大差ないようです。

なるほど・・・ 削除/引用
No.2752-13 - 2010/06/21 (月) 22:15:59 - だい
コンピテントセルさんへ コンピテントセルに対してライゲーション産物を形質転換する場合は溶液の体積の方がDNA重量よりも重要なのですね。勉強になりました。

ちなみに、先ほどインサートの両端がHind3で切断されているかどうかを確認する方法として、インサートのみをライゲーションして3量体以上のものが検出されるかどうかを確認する方法を教えていただきましたが、その時のライゲーションの温度が16℃でなく37℃になっていたのを見落としておりました。ligation mixのPDFを見ても37℃とは書かれていないようなのですが、直鎖DNA同士をライゲーションするときには37℃の方が効率がよいのでしょうか。ご存知の方、教えていただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.2752-12 - 2010/06/21 (月) 20:07:10 - コンピテントセル
容積についてはコンピ容積の1/10以下が標準です。

pUCベクターなどを用いて、10^8 cfu/ug以上のコンピテントセルの形質転換効率を評価するなどの場合、ある程度以上のDNAを投入しても、(おそらく2つ以上のプラスミド分子が1つの細胞に入るため)、形質転換体の数は増えません。そのような意味での10ng上限/100μLコンピと思って下さい。ライゲーション産物の場合、形質転換効率は1/100程度なので、普通気にする必要はありません。

なお、コンピ増量の提案には、空気との熱交換による温度上昇をなるべく抑えるという意味も含まれています。この時期ですので、、、

すみません、もうひとつお教えください 削除/引用
No.2752-11 - 2010/06/21 (月) 19:51:12 - だい
もうひとつ、どなたか教えていただけますか。コンピテントセルに対するDNAの至適量についてです。先ほどコンピテントセル10μLに対しては0.5μLくらいにしたほうがよいとのアドバイスを頂きました。
@これはDNAを溶いた溶液の量が多いと、コンピテントセルが浸透圧の関係で膨張して死んでしまうからなのでしょうか?
A重量としてはどれくらいまでという制限はあるのでしょうか?コンピテントセルの能書を読むと、10ng以下が望ましいと書かれていますが、あまりそれが重要である話を聞いたことがありません。皆様の経験でどのくらいか、教えていただけると助かります。よろしくお願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.2752-10 - 2010/06/21 (月) 19:31:36 - コンピテントセル
購入品とのことなので、コンピテントセルを節約したい気持ちは分かりますが、DNA溶液量を減らすより、コンピ増量(50〜100μL)の方が効果が期待できますよ。融解したコンピはどうせ使い捨てなので、メーカー指定容量、おそらく50か100μL、での形質転換をおすすめします。

どうもありがとうございました 削除/引用
No.2752-9 - 2010/06/21 (月) 19:05:55 - だい
atsさんへ インサートがHind3処理されているかどうかの確認の仕方、理解いたしました。どうもありがとうございます。サブクローニングを含めてうまくいかない場合は検討いたします。

- ~さんへ コンピテントセル10μLに対してDNA溶液の体積を0.5μLくらいにしてもう一度やってみます。CIAP処理後、アガロースで電気泳動するならばPCI処理が不要なのですね。ずいぶん楽になります。ありがとうございます。
サブクローニング、pUC119があるのでそれでカラーセレクションすることを検討してみます。

皆様、ご親切に教えていただき、本当に勉強になりました。どうもありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.2752-8 - 2010/06/21 (月) 18:16:15 - ~
>コンピテントセル10μLに対してDNA溶液の体積が10μL
現時点で書かれている情報の中では、ここに大きな問題があると思います。

>アガロースゲルにタンパクを含んだまま流しても大丈夫なのですか?
今のところ、それが原因と考えられるトラブルにあったことがありません。
制限酵素、CIP、DNA polymeraseなどが含まれたまま、泳動しています。

>Hind3で処理したときに100%両端がHind3末端になっているものを確実に作るということですか?
そこまでしなくても、pBSのHindIIIサイトにクローニング出来れば、
少なくともインサート側に問題が無いことが確認でき、問題の切り分けが出来ます。

atsさんが書かれているように、そこから切り出すことで、末端が切れたかどうかを気にする必要の無いフラグメントが得られるでしょう。

insertの確認法 削除/引用
No.2752-7 - 2010/06/21 (月) 17:53:01 - ats
insertだけ37℃でライゲーションして電気泳動し、3量体以上のバンドが見えれば、両端のHindIII切断は問題ないと判断できます(さらに不安なら、ライゲーション産物を再切断する)。
コントロールで無処理のPCR産物をライゲーション反応してください。
リン酸化primerを使用していなければ、無処理PCR産物はライゲーションされません。
PEGを使用したライゲーション液だと泳動が乱れますが、ライゲーション産物の確認は可能です。
どうしてもHindIII切断がうまく行かない場合は、一度サブクローニングして、再度HindIIIで切り出すのが良いかと思います。
周辺配列の影響で、切断効率が悪かったり、ライゲーション効率が悪い切断部位がごくごく希にあります。

早速の返信、どうもありがとうございます 削除/引用
No.2752-6 - 2010/06/21 (月) 17:35:01 - だい
中年さんへ コンピテントセルは、先日購入したばかりのものなので性能は問題ないと思われます。他の方のご意見と考え合わせると、コンピテントセル10μLに対してDNA溶液の体積が10μLほどあったので、それが効率の低下を招いたのかもしれません。検討してみます。どうもありがとうございます。

Pumpkinさんへ Hind3は、overnightで処理しても切れ残りが生じる制限酵素だと思っていましたが、そうではないのですね。ネガコンでcircularなベクターの混入がないことは確認できているので確かに問題にはならないですが、制限酵素の性能も一部関係しているのかもしれません。ありがとうございます。インサートの末端のHind3サイトが消化されているかどうかを確認するのは、シークエンスを読む以外に方法はありますでしょうか?シークエンスはまだきれいに読めていません。

- ~さんへ 足場となる配列は、他のベクターのHind3サイト前後の12塩基をそのままつけました。CCCなどの3塩基だけだと不安だったので、そうしました。コンピテントセル10μLに対してDNA溶液の体積が10μLほどあったので、これは多いのですね。自分はそのことに対する知識はまったくありませんでした。DNA持込体積を0.5μL未満にするにはDNA濃度を濃くする必要がありますね。また、アガロースゲルにタンパクを含んだまま流しても大丈夫なのですか?知りませんでした。
<クローニングベクターでHindIII digestedを作って、インサート部分に問題が無いかを見る>というのは、インサート部分をクローニングベクターにhind3サイトで入れて、Hind3で処理したときに100%両端がHind3末端になっているものを確実に作るということですか?


774さんへ DNA濃度はご指摘のとおりnano dropで測定しております。マーカーと流してみて濃度を推定する方法、検討させていただきます。コンピテントセルに対するDNA量は、コンピテントセル10μLに対して10ngを用いました。次回から少なくするようにしてみます。どうもありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.2752-5 - 2010/06/21 (月) 17:09:10 - 774
Ligation反応に使うDNAの量はどのように測定してますか?
もしnano drop等で吸光度を測っているのであれば、電気泳動してバンドで濃度を推定する方が確実かもしれません。

マニュアル等ではLigation反応ではインサートが多い方が(2~3倍くらい)効率がいいと記載されることが多いです。

トランスフォームの際のDNA溶液量に対するコンピの量は適切でしょうか?
DNAの濃度次第ですが、Transform効率に影響する可能性があるかと思います。

(無題) 削除/引用
No.2752-4 - 2010/06/21 (月) 17:06:35 - ~
>Hind3のリンカープライマー
足場となる余分な配列はついていますか?
HindIIIで切れていなければ、妥当な結果といえるでしょう。

>UV照射をなるべく短時間
短時間の照射を行なうのではなく、ウェルの端の部分をかするようにゲルを縦に切って、
その部分だけをUVにあてて位置を確認し、UVを当てていない部分から切り出すことをお勧めします。

>コンピテントセル10μL
体積が少な目だと思いますが、DNAの持込体積はどのくらいなのでしょうか。
0.5uL未満でなければ、コンピタントセルが足りないかもしれません。

また、
>APCI処理を2回、クロロホルム抽出を1回行い、イソプロパノールおよび70%エタノールで精製、その後1%のアガロースゲル
本筋ではありませんが、ゲルで流すのであれば、PCIの除去はいらないと思います。

もし、トラブルが長引きそうであれば、
pBSなどのクローニングベクターでHindIII digestedを作って、
インサート部分に問題が無いかを見るのもいいかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.2752-3 - 2010/06/21 (月) 16:37:59 - Pumpkin
まずは、関係ないと思われるけど、ちょっとひっかかるところから。

>ベクターをHind3で37℃、overnight処理

しているのに、

>直下に見えるcircularな切れ残りは区別できています。

切れ残りがあるのは問題ではないですか。ゲル切り出しによってちゃんと分離されているようだからいいですが、intactなプラスミドが混入していたらバンバンそちらから入りますよ。結果的には、その問題がないことはネガコンから明らかなのでいいですが。

さて、

>B、Cでコロニーがまったく見えません。

Bでは脱リン酸化されているのでベクターのセルフライゲーションが起きませんから、コロニーは出なくてよいですよね。

で、Cに使用したインサートの末端にあるHindIIIサイトはちゃんと消化されているんでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.2752-2 - 2010/06/21 (月) 16:20:05 - 中年
コンピテントセルの効率が低いだけという可能性は?

Hind3単一の制限酵素を用いたライゲーション 削除/引用
No.2752-1 - 2010/06/21 (月) 16:16:37 - だい
はじめてこのサイトで質問させていただきます。今回、7.1kbのベクターにHind3の制限酵素を用いて1.6kbのインサートを挿入するコンストラクトを作ろうとしています。種々の理由があり、マルチクローニングサイトではない場所を使う必要があり、Hind3のunique siteを使っています。クローニングがなかなかうまくいかないため、皆様のご意見を伺えればと思います。

《ベクターの調整》
@ベクターをHind3で37℃、overnight処理した後にCIAP処理(50μLの反応系にそのままタカラのCIAPを1μL加えてます)を37℃、2時間行う。
APCI処理を2回、クロロホルム抽出を1回行い、イソプロパノールおよび70%エタノールで精製、その後1%のアガロースゲルで50V, 3hr流してゲルレッドを用いて後染めして7.1kbのサイズを切り出します。直下に見えるcircularな切れ残りは区別できています。

《インサートの調整》インサートはHind3のリンカープライマーを用いてかけたPCR産物の両端をHind3処理し、アガロースで流して1.6kbのサイズを切り出しています。ベクターとともに切り出しの際にはUV照射をなるべく短時間で済ませるようにしています。

《ライゲーション》モル比1:1でタカラのligation mighty mixで16℃、overnightにしています。ベクターの量を10ngにし、その後JM109のコンピテントセル10μLに形質転換しています。

以上のプロトコールで実験を行い、
@ベクターのみCIAP未処理、ライゲースなし
AベクターのみCIAP未処理、ライゲースあり
BベクターのみCIAP処理、ライゲースあり
CベクターCIAP処理+インサート、ライゲースあり
でLB plateに撒いてみました。@でコロニー数個、Aでコロニー多数なのでライゲースの性能は大丈夫だと思います。ところが、B、Cでコロニーがまったく見えません。上記のやり方でどこか直したほうがよいところがあれば、アドバイスを頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

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