特殊な例を除けば、通常は細胞を固定してから免疫反応に進むとおもいますので、抗体反応の時点では細胞としての生命活動は行っていないつまり死んだ状態であるという事になります。ただ個々の酵素や蛋白質など個別に見ればそれらは活性を維持しているものもたくさんあるとおもいます。固定処理は蛋白質を架橋したり不溶化することにより死後の退行性変化をストップさせているようなものですから、たとえ死んでいても蛋白質は形としては生きているときのそれになるべく近い状態に保たれていると考えられます。ゆえに死んだ細胞でも生きているときの様子を一応維持していると仮定して免染を行っていると思います。
細胞が死んでも蛋白質の分解が非特異的に一気に起こるわけではありません。もちろん非常に分解されやすい蛋白質は中にはありますが、全体としてみると分解は長い時間をかけてだらだらと緩慢に進むとおもいます。動物では組織によりかなり開きがあるでしょう。たとえば膵臓などでは蛋白質分解を伴う死後変化は起こりやすいかもしれません。 |
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