もしも主に核酸を長く扱ってきたならば、核酸と蛋白質は特性が異なる故、取り扱いについても基本的に異なること部分の多いので、一応蛋白質の性質や実験について基本的な事を復習したうえで頭の切り替えすることが必要です。紫外部吸収はいろいろなきょう雑成分の影響を強く受けやすいので細胞抽出物などクルードなサンプルには適しません。この方法はかなり精製された蛋白質とか、精製過程の分画の蛋白質濃度をラフにチェックするような場合などに限られます。通常はローリーフォーリン法やBCA法、クマシーブルーを使うブラッドフォールド法がよく使われています。自作も出来ますが、みな市販キットがあるのでそれを使うのが良いでしょう。
細胞を剥がしてから抽出する必要はないと思います。ディッシュに張り付いた細胞をPBSで2回くらい洗ってから、直接細胞溶解液を入れてDish上で細胞を良く溶かして溶解物(細胞残査含む)を1.5mlのチューブなどに移して遠心して残査を除去して上清を蛋白質抽出物として用いればよいでしょう。細胞溶解液は多種多様な組成のものがあります。どのような組成の細胞溶解液(lysis buffer)を使うかで抽出出来る蛋白質の内訳はかなり変わってきますのでこの種の実験では最も重要なところです。最近は市販のlysis bufferもありますがそれらがあなたの実験に適しているのかどうかはわかりませんので注意が必要です。どのような組成にするかはあなたのみたい蛋白質の性質やその後の実験目的によりますので、限られた情報のなかでは、このlysis bufferでやるのがいいとは誰にも言えないでしょう。細胞や蛋白質の実験に十分な経験のある人に実験目的をよく相談して適切なものを選択して下さい。核酸の実験と比べて蛋白質の実験はケースバイケースの面がとても多いので画一的なプロトコールにそってこれの通りにやれば間違いないみたいなものはあまりないです。 |
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