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S-S結合を持つタンパク質のリフォールディング トピック削除
No.2366-TOPIC - 2010/04/09 (金) 15:44:19 - 院生
分子内に3つS-S結合を保有する 約13.4 kDaのタンパク質を封入体から回収して以下の条件で希釈リフォールディングしています.

封入体:1.5 mg/ml
変性剤:8 M ureaまたは6 M 塩酸グアニジン
還元剤:50 mM DTT(100℃-10分間処理)
リフォールディング
 希釈:DTT処理後,遠心して沈殿を除いた上清を希釈バッファーに100倍希釈
 希釈バッファー:20 mM TrisHCl, 1 mM GSSG, 0.1 GSH, pH 9.4
 温度:4℃

リフォールディングまでの各段階のサンプルを非還元条件でSDS-PAGEすると,
DTT処理後リフォールディング前のサンプルでは,当然のごとく14.4 kDaマーカーのすぐ下にメインバンドが現れます.

リフォールディングされ分子内でS-S結合が形成されれば見かけ上の分子量が小さくなるので,
リフォールディング後サンプルではこれより下にバンドが現われると思われたのですが,
overnightでリフォールディングしてもバンドパターンは変化せず,
5日後,10日後のサンプルだと14.4 kDaより上に現れてしまいます.

S-S結合で繋がってしまったダイマーと考えることもできるのですが,
ダイマーはダイマーで相応の位置(21 - 31kDaの間)に現れています.
(トリマーやテトラマーと思われるものも別の位置に出ています)

これはどう説明つくのでしょうか...?

普通に考えれば,
変性タンパク質をDTT処理すればS-S結合が切れてが一本鎖になり,
希釈して変性剤・還元剤を薄めれば巻き戻ってS-S結合が形成されコンパクトになるはずですが...
 
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(無題) 削除/引用
No.2366-10 - 2010/04/10 (土) 16:48:35 - 桜
非還元で泳動するときは、非還元したゲルを還元して、非還元ー還元の2次元電気泳動した方が良いですよ。院生さんが書いておられる、正しいS-Sのは小さくなるというのは、そうだろう、という話なのですか?精製標品をお持ちなので、それをコントロールに流しておられるのかと思いましたが。分子間S-Sでも、かかり方によっては大きさが変わるので、dimerでも2倍にならないこともありますよ。2次元やればわかります。

(無題) 削除/引用
No.2366-9 - 2010/04/10 (土) 10:18:30 - う
自分が取り扱っているタンパク質について
「仮定」、「思い込み」、「理想」そして「空想」がごちゃ混ぜになっていると思われます。

まず、リフォールディングですが、これを行なったからといってリフォールディングが起こっているとは限らないです。万能の方法ではありません。
そもそもインクルージョンのタンパク質は戻らないことも多いものです。

>リフォールディングされ分子内でS-S結合が形成されれば見かけ上の分子量が小さくなるので

そうとは限りません。そうなると断定できないと思います。

>ダイマーはダイマーで相応の位置(21 - 31kDaの間)に現れています.
(トリマーやテトラマーと思われるものも別の位置に出ています)

バンドの分子量がそう思われるからといって、
ダイマーかどうかもわかりません。トリマーやテトラマーかどうかもわかりません。
何が起こっているか泳動だけではわからないと思います。

>変性タンパク質をDTT処理すればS-S結合が切れてが一本鎖になり

完全な一本鎖になるかどうかはわかりません。あくまでS-S結合が切れているだけです。
なので、

>希釈して変性剤・還元剤を薄めれば巻き戻ってS-S結合が形成されコンパクトになるはずですが...

そうなるかどうかもわかりません。

>低分子量で、nativeな構造でも割りと中身がスカスカなものなので、

主観だと思います。スカスカって、そうかどうかもわかりません。

まずもって、持っておかなかればならない考え方は
タンパク質はDNA(電気的な性質はリン酸基が担うし、4種類の塩基)とは違い、
性質の異なるアミノ酸から成るということです。

しかも、ザンキ様のご指摘の通り、DNAですらそういうことが起こります。
それを質問者様はタンパク質を一辺倒に考え過ぎかと思われます。
タンパク質は一筋縄ではいかないので、経験を要すると言われるのです。

(無題) 削除/引用
No.2366-8 - 2010/04/10 (土) 09:39:28 - ザンギ
一般にDNA断片はチャージが均一なので断片長と電気泳動上の移動度がよく
相関しますが、塩基配列によっては湾曲するような構造を取る場合があって、
そういうDNA断片は泳動条件によっては移動度が遅れる場合があると聞いた
ことがあります。

ヒントにでもなれば。

ありがとうございます 削除/引用
No.2366-7 - 2010/04/09 (金) 22:43:58 - 質問者
>等電点の偏ったタンパク質で移動度がずれることが知られています。フォールディングのレベルで影響するかは分かりませんが。

なるほど、勉強になります。
高分子量のものであれば酸性or塩基性アミノ酸がタンパク質内部に引き込まれて電荷に影響するかもしれませんね。

しかし、今回の場合、低分子量で、nativeな構造でも割りと中身がスカスカなものなので、移動度が異なってもpIは同一ではないかと思われます。
ちなみに目的タンパクのpIは4.6です。

(無題) 削除/引用
No.2366-6 - 2010/04/09 (金) 22:22:55 - ザンギ
>sds-pageでは元々の表面電荷は無視されると思われます...

いや、それは仮定されているだけで証明されていません。
等電点の偏ったタンパク質で移動度がずれることが知られています。
フォールディングのレベルで影響するかは分かりませんが。

回答ありがとうございます 削除/引用
No.2366-5 - 2010/04/09 (金) 21:36:45 - 質問者
>例えばnativeになっているとしてそのpIがアルカリに偏っていれば
表面電荷として流れにくくなるのでは

分子内架橋がsds結合量に影響するとしたら別ですが、sds-pageでは元々の表面電荷は無視されると思われます...

(無題) 削除/引用
No.2366-4 - 2010/04/09 (金) 20:46:24 - さとし
例えばnativeになっているとしてそのpIがアルカリに偏っていれば
表面電荷として流れにくくなるのでは

回答ありがとうございます 削除/引用
No.2366-3 - 2010/04/09 (金) 20:17:22 - 投稿者
>たんぱく質のフォールデングは円偏光二色性なんかでトレースしてるんでしょうか?

現状,まだ円偏光二色性での解析までに至っていません.

>分子内架橋がかかると電気泳動上の移動度が変化することまでは予想できますが、
見かけ上のサイズが大きくなるか小さくなるかは分子の形状に依存するんでは
ないかと思えますが、どうなんでしょう。

おっしゃるとおりです.

分子内にs-s結合を持つ方がコンパクトになり速く泳動されると考えられているようです.

これが正しいとして今回の泳動の結果を解釈しようとすると,「リフォールディング中にs-s結合が切れて一本鎖になった」となってしまいます.だとすると,リフォールディング前でDTTが全く効いていなかったことになるのですが,そうすると,封入体で何本かあったバンドが還元処理後に1本になることがうまく説明ができません.

先の考えが間違っていて,必ずしも分子内架橋したものの移動度が速くならないとした場合,ではいったい形状と移動速度の関係にどんな理屈があるのかという疑問が挙がってしまいます.

実際のところなにが起こっているのでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.2366-2 - 2010/04/09 (金) 18:29:11 - ザンギ
たんぱく質のフォールデングは円偏光二色性なんかでトレースしてるんでしょうか?

分子内架橋がかかると電気泳動上の移動度が変化することまでは予想できますが、
見かけ上のサイズが大きくなるか小さくなるかは分子の形状に依存するんでは
ないかと思えますが、どうなんでしょう。

S-S結合を持つタンパク質のリフォールディング 削除/引用
No.2366-1 - 2010/04/09 (金) 15:44:19 - 院生
分子内に3つS-S結合を保有する 約13.4 kDaのタンパク質を封入体から回収して以下の条件で希釈リフォールディングしています.

封入体:1.5 mg/ml
変性剤:8 M ureaまたは6 M 塩酸グアニジン
還元剤:50 mM DTT(100℃-10分間処理)
リフォールディング
 希釈:DTT処理後,遠心して沈殿を除いた上清を希釈バッファーに100倍希釈
 希釈バッファー:20 mM TrisHCl, 1 mM GSSG, 0.1 GSH, pH 9.4
 温度:4℃

リフォールディングまでの各段階のサンプルを非還元条件でSDS-PAGEすると,
DTT処理後リフォールディング前のサンプルでは,当然のごとく14.4 kDaマーカーのすぐ下にメインバンドが現れます.

リフォールディングされ分子内でS-S結合が形成されれば見かけ上の分子量が小さくなるので,
リフォールディング後サンプルではこれより下にバンドが現われると思われたのですが,
overnightでリフォールディングしてもバンドパターンは変化せず,
5日後,10日後のサンプルだと14.4 kDaより上に現れてしまいます.

S-S結合で繋がってしまったダイマーと考えることもできるのですが,
ダイマーはダイマーで相応の位置(21 - 31kDaの間)に現れています.
(トリマーやテトラマーと思われるものも別の位置に出ています)

これはどう説明つくのでしょうか...?

普通に考えれば,
変性タンパク質をDTT処理すればS-S結合が切れてが一本鎖になり,
希釈して変性剤・還元剤を薄めれば巻き戻ってS-S結合が形成されコンパクトになるはずですが...

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