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免疫沈降で抗原が落ちてきません
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No.2362-TOPIC - 2010/04/09 (金) 03:32:19 -
こまった
はじめまして。
現在、ある膜タンパク質のポリクローナル抗体を使った免疫沈降(IP)に取り組んでいますが上手く行かずに悩んでいます。最終的には相互作用するタンパク質の同定を考えています。
Triton X-100でサンプルを可溶化した後、ポリクローナル抗体(ウサギ血清)を入れ低温下でオーバーナイトのインキュベート後、Protein G Sheparoseを添加し沈降させています。
数回のwash後、SDS sample bufferにて可溶化した沈降画分を用いてSDS-PAGEを行うと、IgG hevery chainとlight chainのみが得られて他のバンドがほとんどみられません。また、IPに使用したものと同じ抗体を使って免疫沈降画分のウエスタンブロットにより抗体ー抗原反応を確認したのですが、両IgG鎖のバンドは反応するものの、抗原となるはずのタンパク質のバンドがほとんど見えませんでした(IgG light chainと位置が被ってしまうので判断がつきにくいのですが)。
悲しいことなのですが、IPに用いたTriton X-100可溶化サンプルを使ってのウエスタンブロットではタンパク質の推定分子量とほぼ同じ位置に抗体が反応します。
サンプルや抗体の量を増やしても、IgG鎖のバンドがおどろくほど大量に出てくるだけ。wash bufferの界面活性剤を抜いたり回数を変えても結果にほとんど違いがみられません。bufferの組成も何度か変えてみたのですがこちらも違いがみられませんでした。
IPにおける抗体ー抗原反応を改善したい場合、サンプル溶液の組成が一番の問題かとは思うのですが、どこの部分をどのように改善すればよろしいのでしょうか。また、たとえポリクローナル抗体とはいえ反応しにくいという可能性もあるのでしょうか。ご存知の方がおられましたらよろしくお願いします。
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No.2362-13 - 2010/04/13 (火) 11:17:09 - PDI
目的タンパクの本来あるべき構造を、大腸菌リコンビナントが反映出来ているのか考察するべきです。
type I,Uならば出来る可能性もありますが、複数回膜貫通の場合は困難を極めます。もちろんケースバイケースなので望み無しとは言いません。
仮に抗原がnativeフォームを反映しているとすれば、抗原をmgオーダーで調製し、アフィニティー精製をするべきです。
手元の抗体も、Protein A精製のみではIP出来なかったものが、アフィニティ精製によりIP可能になりました。
ちなみに抗血清中の目的タンパク認識抗体は数%と言われています。
(無題)
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No.2362-12 - 2010/04/10 (土) 14:26:28 - モモ
0.1%SDS存在下でもIPはできますが、Co−IPとなると厳しいでしょう。
よほど強い相互作用でなければ、外れてしまうと思います。
むしろ、0.1%SDSをelutionの条件にしたほうが、抗体の持ち込み量を減らせてよいかもしれません。問題点のひとつはIPとWBを同じ抗体でしているために、バンドの確認が容易でないということですから、試してみる価値はあるように思います。
それと、せっかく抗血清を自作したのですから、Igにまで精製したほうが良いと思います。それを使って、ひとつはIP後に0.1%SDS、10mM DTT+Tris or HEPESで蛋白を抽出してアセトン沈殿して濃縮後WBで確認。もうひとつは、細胞をRIで標識して普通にIPしてオートラヂオグラフィーにてどんなサイズの蛋白がIPされてきているかをチェックすると、本当にIPできないのかどうかがわかるかもしれないと思います。
(無題)
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No.2362-11 - 2010/04/10 (土) 10:52:23 - AP
>この場合、boiling処理を行ったサンプルを用いたりSDSを添加した状態でIPを行うということでよろしいのでしょうか?
この本の460ページを参照してください。
ttp://books.google.co.jp/books?id=0p29pFaLwR8C&printsec=frontcover&source=gbs_slider_thumb#v=onepage&q&f=false
2% SDSでボイルまたは8 M 尿素で氷水浴で変性した後、20倍希釈すれば変性剤が抗原抗体反応の許容濃度になるのでIPに使えます。
2% SDSというとSDS-PAGEサンプルバッファーでボイルして20倍希釈というのでもよさそうです。
(無題)
削除/引用
No.2362-10 - 2010/04/10 (土) 02:26:43 - う
>boiling処理を行ったサンプルを用いたり
タンパク質自体が沈殿するようになると容易に想像されますが。
>SDSを添加した状態でIPを行うということでよろしいのでしょうか?
抗体もタンパク質です。
>yeast-two hybridを使ってこの抗体の抗原タンパク質の相互作用因子を探しています。しかしながら、あまりにも多くのタンパク質がひっかかってきてしまったので、別のアプローチでも確認する必要があるということでIPの実験を始めました。
それが目的なら、変性させてIPするって支離滅裂であるとどうして思わないのでしょうか。
ありがとうございます
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No.2362-9 - 2010/04/09 (金) 20:09:18 -
こまった
皆様色々とご意見を頂きましてありがとうございます。
IP後の非吸着画分を用いたSDS-PAGEゲルによるウエスタンの結果を見る限り、目的とする位置に抗体が反応していますので抗原は存在していると思います。
全血清(pre-serum)をネガティブコントロールとして使用したIPの結果と比較してもほとんど違いがみられません。抗原が大量に存在する大腸菌抽出サンプルを使ったIPでも抗原が落ちて来ませんので、現在私が行っているIP条件下では抗体ー抗原反応がほとんど機能していないのだと考えています。ただ、ポジコンとなるような別の抗体を用いたIPはまだ行っていません。
一度native-PAGE(未変性条件下)後のゲルを使ってウエスタンブロットを行ったことがあるのですが、大量のサンプルを入れているにもかかわらず抗体が反応しなかったことがあります。何か間違えてしまったかなと思っていたのですが、同じ未変性状態のIPもうまくいかないのでエピトープが隠れてしまっているのかもしれません。
変性させたタンパク質に対してIPを行ってみたいと思います。
この場合、boiling処理を行ったサンプルを用いたりSDSを添加した状態でIPを行うということでよろしいのでしょうか?
エピトープに問題がなく何か別の問題のようでしたら抗体の精製も考えてみます。なかなか見切りをつけれないでいますが、思い切ってタグ付きタンパク質に切り替える方向も検討します。
また、同研究室の方がyeast-two hybridを使ってこの抗体の抗原タンパク質の相互作用因子を探しています。しかしながら、あまりにも多くのタンパク質がひっかかってきてしまったので、別のアプローチでも確認する必要があるということでIPの実験を始めました。
(無題)
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No.2362-8 - 2010/04/09 (金) 17:11:18 - USB
こまった様
ご使用の抗体がIPに使用できない、と結論付けるには早いかもしれませんが私ならその抗体はあきらめて、タグ付きタンパクを強制発現させて抗タグ抗体でIPを行う方法などの他の方法に切り替えます。(膜タンパクとのことなのでそう簡単には行かないのかもしれませんが)
IPに使用できるかどうか突き詰めることも今後のためや研究者の姿勢としては良いスタイルかもしれませんが、私はそこまでしません。それは本質ではないと思いますので。(こういった考え方にはご批判もあるかとは思いますが)
一つの解決法としてIP以外も含めた別の方法で相互作用するタンパクをつって来ることを考えられてはいかがでしょうか?
(無題)
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No.2362-7 - 2010/04/09 (金) 16:04:00 -
qq
>Triton X-100でサンプルを可溶化した後、ポリクローナル抗体(ウサギ血清)を入れ
異論はあるかもしれませんが、私は、抗血清で免疫沈降したいとは思いません。
特異抗体に精製してIPを試みるほうがよろしいです。
IPした非吸着画分に抗原は確認できていたのでしょうか?
(無題)
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No.2362-6 - 2010/04/09 (金) 14:37:36 - AP
たぶん変性状態の標的タンパク質でなければアクセスできない(そのような隠れたエピトープに対する)抗体なのでしょう。
変性させたタンパク質に対してIPしたら落ちるんじゃないでしょうか。
変性状態だとco-IPはまず無理ですが、そうすれば少なくとも原因はあきらかになるのでは。
それが当たりだとしたら、いろいろ工夫してその抗体で何とかしようとするより、未変性タンパク質に反応する新しい抗体を作るか、別のアプローチを考えるか、プロジェクトをあきらめるかですね。
(無題)
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No.2362-5 - 2010/04/09 (金) 14:06:46 - う
>IPを行うのは今回が初めてです。
この抗体がIPに使えるものかどうかをどこで判断すればいいのか大変悩んでいます。
ポジコン、ネガコン、抗体のデーターシート。
少なくとも、これらをチェックすべきかと。
特別に考えるのではなく、他のと同じ「実験」として対策を考えましょう。
(無題)
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No.2362-4 - 2010/04/09 (金) 08:16:00 - TK-1
別にすぐに返事をしてもらう必要は無いのですが、、、
少し混同されているところがあるかもしれませんが、今の時点でタグ付きの蛋白大腸菌に発現させる必要は無いので可溶化うんぬんはあまり関係ないです。適当なタグ(HAとかFlagとか、His6とか)を付けたものをmammlianの発現ベクターに入れて293などの簡単にtransfectionできる細胞に入れてみればどうでしょうということです。その時にrabbit以外由来のタグに対する抗体があるものを選べばlight chainに重なって見にくくなることも改善されると思います。
ただ、抗原タンパク質を高発現させた大腸菌とIPTG添加前の大腸菌を使ってIPをして差がないのなら、これ以上時間をかけることには意味があるのか。あとは大腸菌からのIPの際のバッファーがよほど合っていないという可能性もあるかもしれませんが、、、
ありがとうございます
削除/引用
No.2362-3 - 2010/04/09 (金) 07:36:05 -
こまった
ご返信ありがとうございます。
ご指摘されたように、この抗体がIPに適していないのではという可能性も疑っています。
IPに使用している抗体は前任者の方が5年前に作られたものでして
抗原を作成した経緯について簡単に聞いてみました。
最初はタグ(His-tag)を付けた全長タンパク質として大腸菌にて発現させたようですが、発現させたタンパク質の可溶化が全くうまくいかず、結局はtag無しで目的タンパク質を発現させイオン交換クロマトグラフィーで精製したものを抗原としたようです。
このTag無し抗原タンパク質を高発現させた大腸菌とIPTG添加前の大腸菌を使ってIPを行ってみたのですが、残念ながら得られた結果は双方にほとんど差がなく、いつもと同じようにIgG鎖がメインで落ちてくる感じでした。(抗原タンパク質の発現及び可溶化は上手くいってました。)
IPを行うのは今回が初めてです。
この抗体がIPに使えるものかどうかをどこで判断すればいいのか大変悩んでいます。
申し訳ありませんが、現在タグ付き抗原を持っていないためすぐに返事をすることが出来ません。しかしながらHis-tag以外のタグが付いた抗原の作成及びタグを利用したIPも今後検討していきたいと思います。
(無題)
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No.2362-2 - 2010/04/09 (金) 06:39:42 - TK-1
その抗体がそもそもIPに使えるんですか?すべての抗体がIPに使えるわけではありません。
例えば、タグ付きの抗原を発現させて、それをその抗体でIPして、タグに対する抗体でウェスタンをやって、バンドは見えますか?
免疫沈降で抗原が落ちてきません
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No.2362-1 - 2010/04/09 (金) 03:32:19 -
こまった
はじめまして。
現在、ある膜タンパク質のポリクローナル抗体を使った免疫沈降(IP)に取り組んでいますが上手く行かずに悩んでいます。最終的には相互作用するタンパク質の同定を考えています。
Triton X-100でサンプルを可溶化した後、ポリクローナル抗体(ウサギ血清)を入れ低温下でオーバーナイトのインキュベート後、Protein G Sheparoseを添加し沈降させています。
数回のwash後、SDS sample bufferにて可溶化した沈降画分を用いてSDS-PAGEを行うと、IgG hevery chainとlight chainのみが得られて他のバンドがほとんどみられません。また、IPに使用したものと同じ抗体を使って免疫沈降画分のウエスタンブロットにより抗体ー抗原反応を確認したのですが、両IgG鎖のバンドは反応するものの、抗原となるはずのタンパク質のバンドがほとんど見えませんでした(IgG light chainと位置が被ってしまうので判断がつきにくいのですが)。
悲しいことなのですが、IPに用いたTriton X-100可溶化サンプルを使ってのウエスタンブロットではタンパク質の推定分子量とほぼ同じ位置に抗体が反応します。
サンプルや抗体の量を増やしても、IgG鎖のバンドがおどろくほど大量に出てくるだけ。wash bufferの界面活性剤を抜いたり回数を変えても結果にほとんど違いがみられません。bufferの組成も何度か変えてみたのですがこちらも違いがみられませんでした。
IPにおける抗体ー抗原反応を改善したい場合、サンプル溶液の組成が一番の問題かとは思うのですが、どこの部分をどのように改善すればよろしいのでしょうか。また、たとえポリクローナル抗体とはいえ反応しにくいという可能性もあるのでしょうか。ご存知の方がおられましたらよろしくお願いします。
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