>@ 修復機構が働く為には実際に二本鎖DNAの切断を誘導する必要があるかと
思いますが、TgのDNAを雄性前核に注入した後は何が誘導しているのでしょう
か?
>B この時の二本鎖DNAの切断は何が誘導しているのでしょうか?
環状プラスミドのかたちで準備されたベクターは、適当な制限酵素で直鎖状にしてから導入するのが普通ですね。そうしたほうが遺伝子導入効率が高いということが経験上知られているからですが、二重鎖切断端を作っておくほうが、修復系にかかりやすいというのが理由ではないかと思います。
環状で導入した場合は、おそらく内在性のゲノムがそうであるように、トポイソメラーゼが二重鎖切断を起こすのではないでしょうか(ゲノムDNAだって、頻繁に二重鎖切断と再結合を繰り返しているものですから)。
>A Tgの場合、DNAが組み込まれる際にタンデムに挿入される事が多いと思いますが、これは修復機構で説明がつくのでしょうか?
>C KOのターゲティングベクターがタンデムに入らない理由はなんでしょうか?
二重鎖切断を再結合する際、相同配列を持つ鋳型がなく、組換え修復ができない場合、強制的に末端同士を結合するnon-homologous end-joining (原核生物でいうSOS修復のような)系があります。その過程でベクターの重合がおこるのではないかと想像します。 |
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