おそらく質問者さんは漠然と「立体構造」=「三次構造」と表現しているのだと思いますが、紛らわしので、両者を区別したいと思います。
なぜなら、抗体が抗原を認識するのは、一次構造上の特定のアミノ酸配列を認識するにしても、一次構造上では離れた配列が、三次構造で折りたたまれて近接したときに出来る構造を認識するにしても、分子上にあらわれる文字通りの立体構造 (三次構造と同義ではなく)を認識しているからです。
SDS変性で抗体が反応しなくなるのは、三次構造を取ったときにのみ現れる立体構造が認識できなくなるためで、なんの不思議もないです。もちろん、立体構造といっても、タンパク質分子の全体を立体構造を漠然と認識するのではなく、三次構造を取ったときに非常に近接するごく一部を認識しているので、S-S結合を切ったくらいでは影響しない部分であるといっても驚くことではないです(S-S結合は三次構造を作るために数あるパラメータの一つに過ぎません。S-Sをもたないタンパクだって普通にあるんだし)。 |
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