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KOマウス フェノタイプ違い トピック削除
No.2222-TOPIC - 2010/03/13 (土) 14:35:56 - TK
素朴な疑問です。論文でKOマウスのデータであるフェノタイプが出るのは全体の80%というものがありました。遺伝子的バックグラウンドが全く同じで定められた飼育環境であれば環境的要素もほぼ一定と思われますが、このようにフェノタイプが出る出ないには個体間でどのような違いがあるのでしょうか?よろしくお願いします。
 
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No.2222-6 - 2010/03/16 (火) 00:10:00 - TK
どうもありがとうございました。
大分クリアーになりました。
今後論文などでKOマウスのデータをみる際、これまでより少し深く中身をみることができそうです。

(無題) 削除/引用
No.2222-5 - 2010/03/15 (月) 19:26:33 - AP
エピジェネシスではなくて、epigenetics エピジェネティクスですね。
お恥ずかしい間違いを、、、、、


具体的にどの遺伝子がそうであるとか、マウスでの実測結果がどうとかはわかりませんが、一般論で、

>KOマウスでは浸透率100%と思っていましたが)。

nullだろうがhypomorphだろうがGOFであろうが100%でないことはありえます。
KOだからこうだ、ということはなく遺伝子の性質によると思います。


>ではエピジェネテクス自体は何に制御されているのか?と思うのですが、それは単に偶然なのか、環境要因といったところなのでしょうか。

偶然というのもあるし、環境ということもあると思います。これもケースバイケースではないでしょうか。
偶然といえば、たとえばほ乳類のX染色体はメスではランダムに一方が不活性化されるけれど、どの組織、その細胞で不活性化されるかによって表現型がでることもあれば出ないこともあるとか(X-linkの筋ジストロフィーとか)。
ヘテロクロマチン付近の遺伝子はby-chanceでヘテロクロマチンに取り込まれてしまって、発現が不安定だとか、、、

環境要因というと、最近、うつとか、虐待されてそだった人は、気分に関係する遺伝子がメチル化されているなんて話もあるようです。

>あと、「高度に均衡化されていても完全なisogenicということはなかなかありえない」とは、DNAの複製、転写など段階などで非常に低いがある確率で起こる塩基の読み間違いによるものでしょうか?

sib-matingを1代重ねるごとに、ヘテロ接合の頻度は半減すると考えると、近交系数は10代で0.9990、20代(マウスだと近交系は20代以上だそうです)で0.999999で完全にゼロにはなりませんね。遺伝子の数が30000としておおざっぱに言って、平均0.03の確率でヘテロ接合の遺伝子座をもつということになるでしょう。

また、おそらくはホモ接合になりにくい遺伝子座もあるでしょうから(超優性性をしめす遺伝子など)、その遺伝子座近傍に連鎖している遺伝子たちはヘテロのまま維持されやすいでしょう。

それいじょうに、自発突然変異が(正確なところはわかりませんが)一世代、一遺伝子座あたり10^-6くらいだと思いますが、20代以上交配して近交度を高めようとしても、あらたに生じる自然突然変異と平衡してしまうので、無理でしょう。

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No.2222-4 - 2010/03/14 (日) 20:58:08 - TK
コメントどうもありがとうございました。

フェノタイプは眼の大きさが変わるものです。眼の各組織でターゲットとしている遺伝子発現が認められているようなので、恐らくですが他の組織からの2次的なフェノタイプ変化ではないようです。

浸透率はヒトの病態と遺伝子の関係で考慮することで、KOでは考えなくていいことと思っていました・・(KOマウスでは浸透率100%と思っていましたが)。

環境要因、エピジェネテクスなど遺伝子(塩基配列)以外にいろいろ考慮していおかないといけないことが良くわかりました。ではエピジェネテクス自体は何に制御されているのか?と思うのですが、それは単に偶然なのか、環境要因といったところなのでしょうか。

あと、「高度に均衡化されていても完全なisogenicということはなかなかありえない」とは、DNAの複製、転写など段階などで非常に低いがある確率で起こる塩基の読み間違いによるものでしょうか?

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No.2222-3 - 2010/03/13 (土) 18:39:48 - AP
KOマウスに限らず、遺伝学ではpenetrance 浸透度という概念で知られる現象です。

ttp://en.wikipedia.org/wiki/Penetrance

リンク先にもあるように、原因はいろいろでしょうが、たとえば、
・高度に均衡化されていても完全なisogenicということはなかなかありえない。マウス以上にisogenizeが可能なモデル生物、たとえばショウジョウバエですら、それを考慮にいれておくのは常識。

・いかに配慮しても環境要因、エピジェネシスによる変更はある(最近はepigenesisというとインプリンティングや染色体の修飾などのこととほとんど同義と思っている人も多いようだけれど、本来は同じ遺伝子を持っていても、なんらかの要因で表現型の頻度(penetrance) や程度(expressivity 表現度)の差が現れる現象一般のこと)。

たとえば、体細胞変異で起こる免疫系の多様性は、遺伝子型によらない偶然によって個体差を生じるし、同胞集団内の関係性だとか(まったくのクローン生物どうしても、集団中だと競争が生じて勝ち組と負け組みの格差がうまれる可能性がある)、etc.....

(無題) 削除/引用
No.2222-2 - 2010/03/13 (土) 15:44:04 - み
どのようなフェノタイプなのかにもよるかもしれません。
何かヒントは提示できないでしょうか?

バッククロスが充分である保証があるのでしょうか?

同じケージに飼育していたとしても環境が一定と言えるでしょうか。
食う量も異なるでしょうし、特にオスは力関係の差が出てくる。

自然に起こる創傷治癒を観察する場合は引搔き傷の度合いがマウス毎に違うと思われる。
複数の臓器(ファクター)が相補し合ってフェノタイプが一見無いように見える個体もいるかも・・・:メタボ関連が例。
特定の臓器(細胞)での遺伝子欠損が起因となっていて、その臓器のフェノタイプではなく、グルグル回った結果としてのフェノタイプを見ている場合、100%では見えないような気がします。あくまで推測です。

KOマウス フェノタイプ違い 削除/引用
No.2222-1 - 2010/03/13 (土) 14:35:56 - TK
素朴な疑問です。論文でKOマウスのデータであるフェノタイプが出るのは全体の80%というものがありました。遺伝子的バックグラウンドが全く同じで定められた飼育環境であれば環境的要素もほぼ一定と思われますが、このようにフェノタイプが出る出ないには個体間でどのような違いがあるのでしょうか?よろしくお願いします。

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