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リン酸バッファーの調整について トピック削除
No.213-TOPIC - 2009/03/19 (木) 20:36:43 - リン酸バッファー
いつもお世話になっています。
実験で頻繁に使われるバッファーのひとつがリン酸バッファーかと思います。
通常はNaH2PO4溶液、Na2HPO4溶液を準備してこれを混合することによってpHを調整します。
今あるHis-tag融合タンパク質をNi-NTA beads (Qiagen)を使って精製することを計画しています。
以前にも使ったことがあるので精製条件いついては問題ないのですが、たまたま付属のマニュ
アルを読み返して私が使ったことの無いリン酸バッファーのレシピを見つけました。下の
リンクにあるPDFファイルの114ページにあるのですがNaH2PO4溶液にNaOHを加えてpHを
調整すると言うものです(この場合はpH8.0に調整)。このような方法は数年前に一度だけ
聞いたことはあったのですがその時は詳しく話を聞きませんでしたし今回のように公の文章で
見たことはありませんでした。何方かこのようなリン酸バッファーの調整について詳しい方が
いらっしゃいましたら情報を頂けませんか。たとえばこの例は塩基側のバッファーですが
酸性側の調整にはNa2HPO4溶液にHClを加える必要があるとか、古典的なリン酸バッファーは
pH5-8の範囲で使いますがこの例の様なバッファーも同じ範囲で使用できるのかなどです。
宜しくお願い致します。

http://www.biochem.wisc.edu/courses/biochem660/Reading/090808_reading1.pdf
 
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No.213-6 - 2009/03/20 (金) 17:31:38 - リン酸バッファー
atsさん、ザンギさん、APさん

返信ありがとうございます。atsさんがおっしゃるように冷静に考えれば
わかるはずですね。リン酸バッファーの調整は2種類の溶液を混ぜる方法
しかないとずっと思い込んでいました。ザンギさんさんがおっしゃるように
実験の厳密さによって使い分けたいと思います。ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.213-5 - 2009/03/20 (金) 13:56:49 - AP
バッファーは電離度の低い(一部の分子が電離するが未電離の分子も残る)、弱酸または弱塩基に、それぞれ強塩基または強酸(完全に電離する)の組み合わせで作ります。
○mol/LのXXバッファーというと、この弱酸または弱塩基の濃度が○mol/Lということです。1 mol/LのTris-HClバッファーというと、弱塩基であるTrisが1 mol/Lで、目的のpHになるようにH+の濃度をHClで調整したものです。

リン酸ナトリウムバッファーは、結局、弱酸であるリン酸を目的のpHになるようにOH-濃度(H+濃度とも言えますが)をNaOHで調整したものだろうと、リン酸のナトリウム塩Na2HPO4とNaH2PO4を混ぜてpHを作ろうと、リン酸基の濃度とpHが同じなら変わりません。

もうわかったと思いますが、NaOHでpHを合わせて良いならHClで合わせても良いだろうというのは間違いです。リン酸とHClでは弱酸と強酸の組み合わせになるので、これでpHを合わせても、H+をHClでまかなった分は緩衝能がありません。単純に言うと、この分はNa+と中和塩を生じることになって、緩衝能のないNaClを溶かしたのと同じことで、出来損ないのPBSになってしまいます。

(無題) 削除/引用
No.213-3 - 2009/03/20 (金) 12:55:27 - ザンギ
以前のログにもあったように思いますけど...

濃いNaOH溶液は空気中の炭酸を吸いやすいですね。
そうすると反応系にも炭酸イオンが持ち込まれてしまうので、厳密な生化学実験には具合が悪いです。
なので生化学実験をキチンとやろうとすれば2種類のリン酸塩溶液を使うと思います。
塩酸でpHを調整したら、その時点で燐酸−塩酸緩衝液になってしまいます。
緩衝域は?

緩衝液系に余計なイオンが混じっても問題なければ便法でいいでしょうね。

(無題) 削除/引用
No.213-2 - 2009/03/20 (金) 12:06:24 - ats
あまりにも基本的な化学です。冷静に考えましょう。
「NaH2PO4溶液+Na2HPO4溶液」でも「NaH2PO4溶液+NaOH」でも入っているイオンは同じ、あとはpHとリン酸濃度の違いです。
でも、Na2HPO4溶液にHClを加えると...。

リン酸バッファーの調整について 削除/引用
No.213-1 - 2009/03/19 (木) 20:36:43 - リン酸バッファー
いつもお世話になっています。
実験で頻繁に使われるバッファーのひとつがリン酸バッファーかと思います。
通常はNaH2PO4溶液、Na2HPO4溶液を準備してこれを混合することによってpHを調整します。
今あるHis-tag融合タンパク質をNi-NTA beads (Qiagen)を使って精製することを計画しています。
以前にも使ったことがあるので精製条件いついては問題ないのですが、たまたま付属のマニュ
アルを読み返して私が使ったことの無いリン酸バッファーのレシピを見つけました。下の
リンクにあるPDFファイルの114ページにあるのですがNaH2PO4溶液にNaOHを加えてpHを
調整すると言うものです(この場合はpH8.0に調整)。このような方法は数年前に一度だけ
聞いたことはあったのですがその時は詳しく話を聞きませんでしたし今回のように公の文章で
見たことはありませんでした。何方かこのようなリン酸バッファーの調整について詳しい方が
いらっしゃいましたら情報を頂けませんか。たとえばこの例は塩基側のバッファーですが
酸性側の調整にはNa2HPO4溶液にHClを加える必要があるとか、古典的なリン酸バッファーは
pH5-8の範囲で使いますがこの例の様なバッファーも同じ範囲で使用できるのかなどです。
宜しくお願い致します。

http://www.biochem.wisc.edu/courses/biochem660/Reading/090808_reading1.pdf

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