単に、細胞数に対してlysis bufferの液量が多すぎて蛋白質濃度が薄くなりすぎているのだと思います。SDSなどで可溶化していないサンプルならば、TCAなどで蛋白質をいったん沈殿させてからアセトンで洗って、その沈殿をあらためて適切な量のSDS-sample bufferに溶かすというきわめて古典的な方法があります。ただ、酸性でも可溶な強塩基性蛋白質の一部がこの過程でロスするおそれはあります。これ以外にも蛋白質の沈殿させるには大過剰の冷エタノールや冷アセトンのような有機溶媒を加えて−80Cで一晩置くような方法も使えますが塩が沈殿するかもしれませんし、こうした溶媒に沈殿しにくい蛋白質のロスが起きる可能性は否定できません。
冒頭に書いたようなことがないとすれば、lysis buffer の組成が不適切で細胞がちゃんと壊れていないか、あるいは蛋白質がうまく抽出できていないという可能性もありますので見直してみてください。 |
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