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GFPが消える? トピック削除
No.2055-TOPIC - 2010/02/09 (火) 14:44:41 - chitamarine
クロンテックのpEGFP-N1 vectorを制限酵素処理し、直鎖状にしたものをC3H10T1/2 細胞にトランスフェクションしました。その後、ジェネティシンでセレクションし、生えてきた細胞をFACSでソーティングしました。
(G418入培地での培養期間は約3週間です。)

ジェネティシンでセレクションしているので、100%とは言わないまでも大部分の細胞がGFPポジティブであることを期待したのですが、GFPポジティブな細胞は2割程度でした。

ここで、一つ目の質問です。GFPポジティブ細胞の割合が低い理由としてどのようなことが考えられるのでしょうか?

次に、ソーティングしたGFPポジティブ細胞をコンフルエントにならないように継代(継代数4回)しながら、しばらく通常の培養条件で培養しました。
(培地にG418は入れてません)

その後、再度、FACSでソーティングしたのですが、GFPポジティブな細胞は3割程度になっていました。

ここで2つ目の質問です。GFPは何故消えたのでしょうか?
G418を入れ続けないとGFPが落ちる(?)のでしょうか?

同じような経験のある方、原因についてなにか御存じの方がいらっしゃいましたら、ご意見を頂けると助かります。

よろしくお願いします。
 
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(無題) 解決済み 削除/引用
No.2055-16 - 2010/02/15 (月) 16:26:18 - chitamarine
皆様、ご返事ありがとうございました。
勉強になりました。

(無題) 削除/引用
No.2055-15 - 2010/02/11 (木) 03:13:24 - ophites
>Bostonさんのおっしゃるように、私もサイレンシングは未分化な細胞に起きやすいように感じます。分化して別の細胞になるわけですから、遺伝子の発現パターンも大きく変わるわけで、当然といえば当然のような気もするのですが、みなさん、いかがでしょうか?


自分では未分化な細胞を扱ったことがありませんが、未分化な細胞が分化する際にサイレンシングを受けるという話は聞きます。

参考)
S. Hino et al, Gene Therapy(2004)11,819–828

この参考文献では、chromatin insulatorを用いてサイレンシングを防いでいますが、分化時のサイレンシングまでは防げないようです。

(無題) 削除/引用
No.2055-14 - 2010/02/10 (水) 10:27:01 - 通りがかり
Stratagene で出していた hrGFP のパンフレットでは、EGFP は毒性が強いって宣伝してましたね。
www.stratagene.com/products/displayproduct.aspx?pid=239

この図なんかは今回と同様の結果のように見えます。
www.stratagene.com/webimages/Vitalitypix.jpg

IRES を付けて、EGFP と薬剤耐性が完全にパラレルになるようにすれば、問題なく発現細胞株が取れますが、そうでないと選択をかけても結構割合は少なく、落ちやすい印象があります。やはり死なないまでも細胞にとって負荷がかかるんじゃないでしょうか。プロモーターのサイレンシングもあるかもしれませんが、単に EGFP の発現量が高い細胞が増えにくいという事かもしれません。

(無題) 削除/引用
No.2055-13 - 2010/02/10 (水) 10:06:52 - chitamarine
みなさま、ご返事ありがとうございます。
いろいろと勉強になりました。

一つ目の質問の答えとしては、理由はよくわからないが、よくあること。
(ただ2割という割合は低すぎなので薬剤の濃度などセレクションの条件になにか問題があるかも)

二つ目の質問の答えとしては、メチル化などのエピジェネティックな修飾によるサイレンシングがおきている可能性が高い。

といった感じで理解しました。

そこで、もう一つ質問させて下さい。

Bostonさんのおっしゃるように、私もサイレンシングは未分化な細胞に起きやすいように感じます。分化して別の細胞になるわけですから、遺伝子の発現パターンも大きく変わるわけで、当然といえば当然のような気もするのですが、みなさん、いかがでしょうか?

ご意見をお聞かせ頂けると助かります。

(無題) 削除/引用
No.2055-12 - 2010/02/10 (水) 04:50:42 - Boston
マウスES細胞での経験ですが、サイレンシングは起こります。5-Aza-dC 処理で蛍光が戻ってきました。勿論,蛍光が戻っても、実験には使いませんでしたが。未分化幹細胞の性質なのでしょうか.

(無題) 削除/引用
No.2055-11 - 2010/02/09 (火) 18:34:41 - MP
GFPとNeoが別々のプロモーターでドライブされているわけですから、plasmid transfection の stableの場合、Neo耐性にも関わらずGFPの発現がない細胞がでてくるというのは当然ではないでしょうか(ただ2割というのは低すぎような気もしますが)。Neoの部分だけがintactの状態でIntegrateされることもあるでしょうし。IRESの下流にNeoだったらGFP陽性の細胞の割合は上がるのではないかと予想されます。

(無題) 削除/引用
No.2055-10 - 2010/02/09 (火) 17:32:02 - ;
理由はどうあれ、薬剤耐性はあるのに目的遺伝子の発現が見えない(検出できない)ことはよくあることです。
どうしてか?本当の理由は実際にどうなっているのか解析してみないとわからないですし、誰もそんなことしていないと思うので、それぞれが納得する理論ってものがあると思います。
でも、現象自体はよくあることです。
私個人が何となく思っていることは、薬剤耐性の遺伝子と目的遺伝子の発現が同等だとしても、薬剤耐性は細胞が生き残るという結果でわかるのですが、目的遺伝子は「検出する」ことで初めて存在がわかるわけで、その検出感度の程度では「発現していない」と思ってしまうこともあるのかなぁと思っています。

まぁ別にしなくてもいいと思いますが、FACSでGFPネガティブでも大量に集めて大量にのっけたウエスタンをしたら発現が確認できたりするかもです。
ウエスタンの検出感度がどうこうという話にもなりますが・・・。

(無題) 削除/引用
No.2055-9 - 2010/02/09 (火) 16:35:23 - chitamarine
みなさま、
ご返事ありがとうございます。

最初のセレクションの際はVectorをトランスフェクションしていない細胞をコントロールで使っています。コントロール細胞は使用しているジェネティシンの濃度で約1週間で死滅してしまうことを確認しています。

一度ゲノムに入ったGFPがエピジェネッティックな修飾でサイレンシングを受け、発現しなくなることはよく理解できるのですが、そんなに頻繁に起きるものなのでしょうか?

また、一つ目の質問ですが、ジェネティシン耐性なのにGFPは光らないというところが今一つ納得がいなかいんですけど…。

私が用いたVectorですと、GFPはCMV, ジェネティシン耐性遺伝子はSV40で異なるプロモターですので、この違いが原因なのでしょうか?
もしそうなら、プロモーターを入れ替えればうまくいくってことでしょうか…?

もちろん、ophitesさんの教えてくれたCpG freeのEF1 promoterを使ったほうがよいのでしょうけど。

しつこくて申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.2055-8 - 2010/02/09 (火) 16:07:50 - in situ
GFPが毒性を持つのであれば、積極的に排除されて発現細胞数が減るのはお分かりだと思います。
では、毒性を持たない場合はどうなのかというと、毒にも薬にもならない、何も役にたたないものを発現させ続けるメリットは細胞にはありません。

発現しなくなる理由は、プラスミドが脱落したとか(integrateされていないとして)、GFP遺伝子やプロモーター部分に変異が入ったとか、もともと発現していない少数の細胞が増えてきたとか、いろいろあると思います。

で、一度発現しなくなると、それを回復しなければならない理由が細胞にはありません。

ですから、G418を加え続けることで、プラスミドを保持し続けるメリットを細胞に与えてやることによってGFPを恒常的に発現させ続けることができるのだと考えています。

以上、かなりざっくりとした理論的説明ですが、いかがでしょうか?

サイレンシング 削除/引用
No.2055-7 - 2010/02/09 (火) 16:07:41 - ophites
>ここで、一つ目の質問です。GFPポジティブ細胞の割合が低い理由としてどのようなことが考えられるのでしょうか?

G418の濃度が低いということはないでしょうか?抗生物質の適切な濃度は細胞の種類によって違ってきますので、これまでG418でのセレクションをかけた事が無い細胞でしたら、濃度をふってみてはいかがでしょうか。

>ここで2つ目の質問です。GFPは何故消えたのでしょうか?
G418を入れ続けないとGFPが落ちる(?)のでしょうか?

heimlich様も書いておられますが、GFP遺伝子のメチル化やGFP遺伝子に結合しているヒストンの脱アセチル化などエピジェネティックな遺伝子サイレンシングにより発現が抑制されているものと考えられます。

解決策としては二点挙げられます。

一つは、うわっ様の書かれている通り、G418を入れ続けることです。この場合、サイレンシング自体は防げませんが、サイレンシングを受けた細胞はGFPと同様にG418耐性も失うので、GFP positiveの細胞だけが生き残ります。

二つ目は、GFP遺伝子をサイレンシングを受け難いpromoterのplasmid vectorに移し変えることです。pEGFP-N1のpromoterはCMVですが、CMVのようなウイルス由来のpromoterは遺伝子サイレンシングを受け易いと言われています(そもそも遺伝子サイレンシングの目的の一つがウイルスに対する防御であるため)。EF1, CAG, ubiquitin Cなど動物由来のpromoterでは、ウイルス由来のものと比してサイレンシングを受け難いようです。

参考)
Gill, DR, Smyth, SE, Goddard, CA, Pringle, IA, Higgins, CF, Colledge, WH et al. (2001). Increased persistence of lung gene expression using plasmids containing the ubiquitin C or elongation factor 1alpha promoter. Gene Ther 8: 1539–1546.

Garrison, BS, Yant, SR, Mikkelsen, JG and Kay, MA (2007). Postintegrative gene silencing within the Sleeping Beauty transposition system. Mol Cell Biol 27: 8824–8833.


invivogenから発売されているpCpGはCpG freeのEF1 promoterなのでサイレンシングを受け難く、お勧めです。

(無題) 削除/引用
No.2055-6 - 2010/02/09 (火) 15:54:37 - frap
C3H10T1/2細胞を扱った事が無いので一般論になってしまいますが、最初の陽性細胞の確率の低さに関して、セレクション時のgeneticin濃度が低いとか?
同時に何もトランスフェクションしていないネガコンを置きましたか?

また基本的に恒常発現株を扱う場合、常にgeneticinなりを入れ続けています(セレクション時の1/5程度の濃度で)。比較はした事ありませんが。

(無題) 削除/引用
No.2055-5 - 2010/02/09 (火) 15:43:15 - chitamarine
ご返事ありがとうございます。
実験の説明が不足していましたので追加させていただきます。

GFPは今回、他のタンパクとのフュージョンではなく、GFP単体です。

C3H10T1/2細胞はマウス由来の未分化幹細胞様の培養細胞です。

GFPがC3H10T1/2に対して毒性があるということは聞いたことがありませんので、絶対とは言い切れませんが、それほど都合の悪い因子ではないと思います。

よろしくお願い致します。

(無題) 削除/引用
No.2055-4 - 2010/02/09 (火) 15:24:43 - heimlich
transgeneのメチル化。

(無題) 削除/引用
No.2055-3 - 2010/02/09 (火) 15:02:50 - うわっ
あっG418は入れ続けた方がいいよ。

それじゃないかな。

(無題) 削除/引用
No.2055-2 - 2010/02/09 (火) 15:01:22 - うわっ
そのGFP-fusion proteinの発現がその細胞にとって不都合だから積極的に分解されてるから

GFPが消える? 削除/引用
No.2055-1 - 2010/02/09 (火) 14:44:41 - chitamarine
クロンテックのpEGFP-N1 vectorを制限酵素処理し、直鎖状にしたものをC3H10T1/2 細胞にトランスフェクションしました。その後、ジェネティシンでセレクションし、生えてきた細胞をFACSでソーティングしました。
(G418入培地での培養期間は約3週間です。)

ジェネティシンでセレクションしているので、100%とは言わないまでも大部分の細胞がGFPポジティブであることを期待したのですが、GFPポジティブな細胞は2割程度でした。

ここで、一つ目の質問です。GFPポジティブ細胞の割合が低い理由としてどのようなことが考えられるのでしょうか?

次に、ソーティングしたGFPポジティブ細胞をコンフルエントにならないように継代(継代数4回)しながら、しばらく通常の培養条件で培養しました。
(培地にG418は入れてません)

その後、再度、FACSでソーティングしたのですが、GFPポジティブな細胞は3割程度になっていました。

ここで2つ目の質問です。GFPは何故消えたのでしょうか?
G418を入れ続けないとGFPが落ちる(?)のでしょうか?

同じような経験のある方、原因についてなにか御存じの方がいらっしゃいましたら、ご意見を頂けると助かります。

よろしくお願いします。

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