>ここで、一つ目の質問です。GFPポジティブ細胞の割合が低い理由としてどのようなことが考えられるのでしょうか?
G418の濃度が低いということはないでしょうか?抗生物質の適切な濃度は細胞の種類によって違ってきますので、これまでG418でのセレクションをかけた事が無い細胞でしたら、濃度をふってみてはいかがでしょうか。
>ここで2つ目の質問です。GFPは何故消えたのでしょうか?
G418を入れ続けないとGFPが落ちる(?)のでしょうか?
heimlich様も書いておられますが、GFP遺伝子のメチル化やGFP遺伝子に結合しているヒストンの脱アセチル化などエピジェネティックな遺伝子サイレンシングにより発現が抑制されているものと考えられます。
解決策としては二点挙げられます。
一つは、うわっ様の書かれている通り、G418を入れ続けることです。この場合、サイレンシング自体は防げませんが、サイレンシングを受けた細胞はGFPと同様にG418耐性も失うので、GFP positiveの細胞だけが生き残ります。
二つ目は、GFP遺伝子をサイレンシングを受け難いpromoterのplasmid vectorに移し変えることです。pEGFP-N1のpromoterはCMVですが、CMVのようなウイルス由来のpromoterは遺伝子サイレンシングを受け易いと言われています(そもそも遺伝子サイレンシングの目的の一つがウイルスに対する防御であるため)。EF1, CAG, ubiquitin Cなど動物由来のpromoterでは、ウイルス由来のものと比してサイレンシングを受け難いようです。
参考)
Gill, DR, Smyth, SE, Goddard, CA, Pringle, IA, Higgins, CF, Colledge, WH et al. (2001). Increased persistence of lung gene expression using plasmids containing the ubiquitin C or elongation factor 1alpha promoter. Gene Ther 8: 1539–1546.
Garrison, BS, Yant, SR, Mikkelsen, JG and Kay, MA (2007). Postintegrative gene silencing within the Sleeping Beauty transposition system. Mol Cell Biol 27: 8824–8833.
invivogenから発売されているpCpGはCpG freeのEF1 promoterなのでサイレンシングを受け難く、お勧めです。 |
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