ウイルスやっていましたので、知っている範囲で答えます。
一般的に、ウイルスは外核(エンベロープ)と内部のウイルスゲノムから構成されています。
細胞から放出されるウイルス粒子に、感染力のあるウイルス粒子の他に、感染力のないウイルス粒子がでることがあります。感染力のない原因の一つに、その粒子がエンベロープを持つが、内部にウイルスゲノムをもっていない空のウイルス粒子であることがあります。その様な場合にはvirus-like particleと記述することがあります。たとえばウイルスに対するワクチンを作りたいときに、感染力のあるウイルスをワクチンとして使う訳にはいかないので、人工的に空のウイルス粒子を作ったりして、それを免疫することも可能です。そうするとエンベロープに対する抗体はできるが、宿主には感染することのない安全なワクチンとなります。
ほかにも、細胞の電子顕微鏡の解析で、たまに細胞内の小胞構造がウイルスに酷似しているばあいでも、ウイルスに似た構造体ということで、virus-like particleと記述することがあります。また、ウイルスの研究分野でも、たとえば培養上精の電顕で、ウイルス粒子と似た構造体が発見されて、おそらくウイルス粒子だろうけれども、さらなる確証がない場合(自信が無い場合)は、virus-like particleと記述する場合があります。なぜなら生体内にはウイルスと似た構造体が探せばいくらでもあるので、そういう表現をすることがあります。 |
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