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mRNA:rRNA比が異なるサンプルのRT,realtimePCR トピック削除
No.1934-TOPIC - 2010/01/18 (月) 12:49:09 - without
いつも参考にさせていただいています。

現在ある遺伝子を過剰発現させた安定発現細胞(HeLa)を使って
realtimePCRによる遺伝子発現解析を試みています。
この細胞ではRNAを抽出したときに得られるtotal RNA量が元の細胞に比べ
二倍程度増加していることから(細胞数でそろえております)、rRNAが増加していると考えましたが
18S RNA量をGAPDHを内部標準としてrealtime PCRで測定しても
元の細胞と安定発現細胞の間で発現量の差が見られませんでした。

ご意見を頂きたいのは、
1 rRNAが増加以外にtotal RNAの増加を説明できるか
2 そもそもこのようにtotal RNA中の各RNAの存在比が大きく異なると思われるサンプルに関して同じRT反応を行なうのが適切なのか
という二点です。
ちなみにRT反応はtotal RNA量を合わせて、origo dTとランダムプライマーを混ぜて行なっています。よろしくお願い致します。
 
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(無題) 削除/引用
No.1934-11 - 2010/01/19 (火) 07:52:47 - おお
いまさらというかんじですが、もしrRNAの変動とかに興味があるのなら、
老化(細胞老化)でトータルのRNAの量が下がるといわれていたと思いますので
その辺を探すとどのように示しているのかなど手がかりがつかめるかもしれません。
随分昔にレビューを読んだことがあるだけなので、実際の実験は私は検証してませんのでどれくらいしっかりしたデーターからそういっているのか分からないのが現状ですけど。
特に細胞の形態が極端に変わっていたり、増殖に影響がある場合は細胞数
をそろえても確かにトータルのRNAの収量は変わってもおかしくはないと思います(それが何が原因かはおいといて)。
しかしながらRTPCRなどをする場合はトータル、あるいはポリAのRNA量でそろえて遺伝子の発現の変化を推測する方法なので、その枠でしか答えが出ません。ですから、
"2 そもそもこのようにtotal RNA中の各RNAの存在比が大きく異なると思われるサンプルに関して同じRT反応を行なうのが適切なのか"
これに関してはRTからのバイアスは方法論的、理想的、にはかからないわけですから上記の事を加味して、適切という前提で解析していると思ってください。
実際に各臓器を取ってきて細胞数ベースでRNA量をみると、感覚として結構差があってもおかしくないと漠然と思いますが、それでもRNA量を基準にして解析されているのが現状です。

加えて2倍程度の差がターゲットぐらいの時、それで持って変動しているというデーターを出す人もいますが、実際にはそれだけではプレリミナリーなサジェスチョンというった感覚が強いです。きっとそれが重要なポイントになるのなら、タンパクの発現までみろか、その遺伝子の増加とバイオロジカルな現象とのコネクションとか要求されると思います。ですから、2倍程度はばらつきの範囲でトータルのRNAが2倍くらい変わることは分かったうえでデーターを見ている人はおおいともいえるでしょう。

実際そういう変動は実験上気持ち悪いのですが、各方法論の限界を見極めて、
限界の部分は違う方法論などで示すのが大抵のやり方で、RNA収量のところで
あまりごちゃごちゃやっても解決策を見つけるのは難しいと思います(参考程度にデーターとして保管しておくでいどでいいと思います)。

同時に、そういうところを追及することがバカげているとはいいませんし、
それについて実験の方向性が見えると思えばやってみることは否定しません。

(無題) 削除/引用
No.1934-10 - 2010/01/19 (火) 03:00:59 - ザンギ
お節介かもしれませんが、

気にしておられるRNA量の変化が、本来の研究課題の解釈にとって重要か
どうかを考えておられますか?

本来のターゲットの発現変動に2倍程度の変化率しかないときに、ベース
の取り方で解釈が変わってしまうというような事でなければ、RNA量の変化
を追ってもあまり実りのある結果にはならないと思います。

(無題) 削除/引用
No.1934-9 - 2010/01/18 (月) 20:30:02 - Pumpkin
>まずはおっしゃられるように電気泳動をしてみたい

老婆心ながら、RNA調製したときに電気泳動による確認をしていないのですか?インタクトなRNAを実験に供しているという確認は絶対ですよ。

(無題) 削除/引用
No.1934-8 - 2010/01/18 (月) 19:35:58 - without
>Pumpkin様

再度のアドバイスありがとうございます。
まずはおっしゃられるように電気泳動をしてみたいと思います。
また、18Sだけではということは確かにその通りですが、
5.8S, 18S, 28Sは同じ転写産物(47S)からできるということなので、
同じ傾向を示すのではと考えました。いま47Sのプライマーを設計しており、
これを測ってみようと考えております。

(無題) 削除/引用
No.1934-7 - 2010/01/18 (月) 16:13:08 - Pumpkin
>再現よくこの傾向が観察されるという点で手技の問題はある程度
クリアできている

「遺伝子Aを強制発現させている」こと以外、2群間で培養条件を含めて全く同じであって、かつ同数の細胞数からtotal RNAを調製するとその量に2倍の差がある。しかも、再現性が高いとなると、トピ主さんの言うように何かが原因で転写されるRNA量が増えているのかもしれませんね。ただし、やはりこの場合もRNAの内、何が増えて、結果2倍という差になっているのかは判断しようがないと思います。それを判断するのが、NorthernであったりQPCRであるわけですよね。例えば、rRNAが2倍ということであれば、ただ単に電気泳動しただけでもつかめませんか?2倍程度では見にくいだろうし、無理かな。

>total RNA内のrRNAの量が違うとmRNAのRTの効率や網羅性が変わってくるのでは

oligo dtで伸長するpoly Aが付いたmRNAを見たいのですよね?それであれば、一般的なプロトコルの通りにやれば問題ないと思いますが。

>18S RNA量をGAPDHを内部標準としてrealtime PCRで測定しても
元の細胞と安定発現細胞の間で発現量の差

思ったのですが、rRNAは18Sだけじゃないわけで、これだけ計ってもなんともではないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.1934-6 - 2010/01/18 (月) 15:19:13 - without
>パンプキン様

ご助言ありがとうございます。
確かに答えありきで話を進めていることは否定できません。
再現よくこの傾向が観察されるという点で手技の問題はある程度
クリアできていると考えていましたが、確かに確かなコントロールの実験は
ありません。その点は十分検討の必要がありそうです。

2番目の質問は、ちょっと言葉が足らなかったのですが、
次の段階として、この二つのサンプル間でmRNAの発現比較をしたいと考えているのですが
total RNA内のrRNAの量が違うとmRNAのRTの効率や網羅性が変わってくるのではと
心配したのです。

(無題) 削除/引用
No.1934-5 - 2010/01/18 (月) 14:30:20 - Pumpkin
「HeLa」と「遺伝子Aを過剰発現させたHeLa」の同じ細胞数から調製したtotal RNAの量が2倍異なったとのことですが、色々と勘繰らなければRNA調製上のバラつきや手技の問題に終始しそうですが、この問題を否定できるコントロールや統計上の処理がなされた上での議論でしょうか。

total RNAの内、rRNAがほとんどだという事実から、2倍以上もの差が見られたのだから、rRNAの量が増加しているに違いないという発想には一応理解を示しますが、ザンギさんとけんさんがおっしゃるように、少し「答ありき」で考えすぎているように思われます。

2番目の質問がよくわからないのですが、そのように収量が異なるわけですが、同じ量のtotal RNAまたはpoly A RNAの内訳が、その細胞内の遺伝子発現の状態を反映していると考えて、同じ量のRNAから出発してcDNA合成して、QPCRして、内部標準遺伝子で補正するわけですよね。ですから
>RT反応はtotal RNA量を合わせて、origo dTとランダムプライマーを混ぜて行なっています
で良いとおもうのですが、どの辺が疑問なのでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.1934-4 - 2010/01/18 (月) 14:24:14 - without
>ザンギ様
ご意見いただきありがとうございます。
total RNA中で大部分を占めるということから
total RNA量の増加=rRNAの増加と考えました。
たしかにPol IIIの転写産物も無視できないですね。
poly A精製は私も考えました。ザンギ様の言われる
生理的な意味での合理性が微妙というのはどのような意味なのでしょうか。

>けん様
ありがとうございます。
一応複数回の実験で再現性が取れております。
ランダムプライマーはrRNAも逆転写できると理解していました。

(無題) 削除/引用
No.1934-3 - 2010/01/18 (月) 14:05:26 - けん
RNA抽出操作の手技でRNAをロスしてる可能性は十分あると思いますが。

つまり

>ご意見を頂きたいのは、
>1 rRNAが増加以外にtotal RNAの増加を説明できるか

[total RNAの増加を説明できるか]ではなく、[total RNAが一部のサンプルでロス(減少)してる]と考えるのが最初かと。

ランダムプライマーってrRNAの逆転写もしちゃうんでしたっけ?

(無題) 削除/引用
No.1934-2 - 2010/01/18 (月) 13:29:17 - ザンギ

1について
トータルRNAの中でrRNAだけが増加していることを示す事実がないように思います。

2について
polyA-RNAを精製すれば、技術的なレベルので懸念は解消されますが、それが
生理的な意味で合理的かどうかは微妙ですね。

mRNA:rRNA比が異なるサンプルのRT,realtimePCR 削除/引用
No.1934-1 - 2010/01/18 (月) 12:49:09 - without
いつも参考にさせていただいています。

現在ある遺伝子を過剰発現させた安定発現細胞(HeLa)を使って
realtimePCRによる遺伝子発現解析を試みています。
この細胞ではRNAを抽出したときに得られるtotal RNA量が元の細胞に比べ
二倍程度増加していることから(細胞数でそろえております)、rRNAが増加していると考えましたが
18S RNA量をGAPDHを内部標準としてrealtime PCRで測定しても
元の細胞と安定発現細胞の間で発現量の差が見られませんでした。

ご意見を頂きたいのは、
1 rRNAが増加以外にtotal RNAの増加を説明できるか
2 そもそもこのようにtotal RNA中の各RNAの存在比が大きく異なると思われるサンプルに関して同じRT反応を行なうのが適切なのか
という二点です。
ちなみにRT反応はtotal RNA量を合わせて、origo dTとランダムプライマーを混ぜて行なっています。よろしくお願い致します。

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