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アデノウイルスの精製 トピック削除
No.1876-TOPIC - 2010/01/08 (金) 23:00:44 - ウイルス初心者
アデノウイルスを扱い始めましたが、精製がうまくいかず困っています。

ミリポアのFast-Trap、ザルトリウスのVivapureを試したのですが、
精製、濃縮による力価の増加が認められません。
Crudeの状態(ある程度volumeあり)と最終的な精製状態(1 mL程度)で
力価がほとんど差がない状態です。
精製過程で失活しているのでしょうか?

高力価(10^11ー10^12 pfu)程度のウイルス溶液を調製したいのですが、
現在10^9程度しか得られていません。

アデノウイルスの精製において注意すべき点や良い精製方法を是非お教え頂けないでしょうか。

よろしくお願いします。
 
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37度に融解についてまことさんから質問。 削除/引用
No.1876-12 - 2010/03/11 (木) 07:03:03 - 小栗
アデノウィルスはアデノアソシエイトウィルスに比べて、高温に弱いんです。もっとも37度ではタイターに変化はないとするペーパーもありますので一概には言えないんですが、注意することに越したことはないとおもっています。
37度で融解するばあいでも液温があがらないようにすればいいんですが、注意できない場合(途中で他の仕事をしている場合とか)が多いんで、25度で融解しています。経験上(8年ぐらいで、100以上のアデノウィルス)いろんことがあってそうしています。学術的なものというより、個人の経験上のものと考えてください。

それから前に言い忘れたかも知れませんが、293の培地ことです。DMEMにHEPESが入ったものを使うとdilution buffer (loading buffer) を加えたときに、pHがあまり上がりませんから使用しないことです。Bicarbonateは空気中ではbuffering capacityがありませんからまず問題ありません。

アデノの精製 削除/引用
No.1876-11 - 2010/03/08 (月) 20:57:50 - take
超遠心は使えますか?
ダメでも、分子量分画でできるかもしれません。
http://www.brc.riken.jp/lab/dna/rvd/SOP/Adv/adenovirus3.pdf
みてください。
似た方法がミリポアの分子量分画を利用したキットです。

吸光度のウイルス数とTCID50 は、10くらいには抑えたいところです。

精製すると、ウイルスがアグリゲーションしやすくなると言われています。
しっかりボルテックスをかけてから感染しなおすと、力価が上がっているかも。

もう少しお教え頂けませんか? 削除/引用
No.1876-10 - 2010/02/01 (月) 21:26:38 - ウイルス初心者
小栗さん、atsさん

有用な情報ありがとうございます。
キットを使用せず、安価に精製できそうで非常に助かります。

高力価のウイルスが得られない原因が、
最終的に置換しているバッファーにありそうなことがわかってきました。
皆さんはどのようなバッファーに置換して保存されていますか?

また、OD260で測定した全ウイルス数と、TCID50やヘキソン免染により測定した力価(ウイルス数?)とではどれくらい乖離がありますか?
あるところで見かけたものですと、精製した全ウイルスparticleのうち活性があるのは1/100位であるとあったのですが、普通その程度であると考えてよいのでしょうか?
私が実際に最近精製したものも1/100程度だったのですが、もう少し改善できるものでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.1876-9 - 2010/02/01 (月) 14:05:13 - ats
小栗さん
さらに有用な情報を教えていただきありがとうございます。
カラムの再生はとても魅力的です。よく考えれればイオン交換樹脂なので再生は当たり前ですね。
おかげで相当な節約になります。
また、培地(アデノウィルスを含む)+等量のElution buffer (620 mM NaCl)+1M HEPES:1/50=ほぼLoading buffer(380 mM NaCl)ですね。

書き忘れ。 削除/引用
No.1876-8 - 2010/01/31 (日) 07:58:16 - 小栗
adenovirusのタイターは、かなりの部分使用するHEK293 (くれぐれも293Tと間違わないでください)の善し悪しで決まります。現時点でどこの会社のものがいいと言えないんですが。

以前書いた、dilution bufferですが、
あれはvirus media を加えたときの最終的な条件です。
わたしは2x bufferにしていますが、5xでも10x でも作れるはずです。実際kitによって違うと思います。

あと、Sartobindのmembraneですが、再生できます。わたしは、Elution後
20 ml PBS
20 ml 1 N NaOH
20 ml PBS
20 ml 20%EtOH in PBS
を自然落下で流してから密封保存しています。 SDSを使ってもいいでしょう。
まあ、気持ち悪くなかったら考えてみてください。
仕様書によれば100回は再使用に耐えるようです。まだ20回ぐらいしか使っていませんが、問題ありません。

(無題) 削除/引用
No.1876-7 - 2010/01/27 (水) 17:41:44 - ats
小栗さん
buffer条件、tipsおよびカラム商品名まで、教えていただき大変ありがとうございます。
おかげでかなりの節約ができます。

adenovirus 調整法 削除/引用
No.1876-6 - 2010/01/27 (水) 02:07:11 - 小栗
Bufferは最終的につぎの条件を満たせば十分です。

Loading buffer pH~8.0 380 mM NaCl
Washing buffer pH~8.0 450 mM NaCl
Elution buffer pH ~8.0 620 mM NaCl.

Buffer としては 20 mM Hepes でも 20 mM Bicineでもいけます。

Membrane は Sartobind Q15です。要するにpH8で陰性荷電しているadenovirusを吸着してionic strength を変えることで精製しているわけです。

Originalの方法は細胞が完全にフローティングするまで待ってからメディアごと精製するのですが、あなたはどうやら細胞をre-suspensionしてようですね。

この方法で難しい点はDNA が吸着することでadenovirusの吸着が落ちることです。

また、Freeze and thawしていると思いますが、37 °C以上に絶対にしないことが肝心です。私は25度で融解しています。

メディアの色がオレンジになるということですが、変わったなと思う時点で、bicarbonate solutionを加えてpHを調整してやるとtiterが上がります。

(無題) 削除/引用
No.1876-5 - 2010/01/10 (日) 16:13:59 - ウイルス初心者
atsさん

Crudeはfilter濾過前の細胞破砕した状態のものを意図していました。
Filter濾過後のものについてはまだ評価していなかったので、試してみたいと思います。
洗浄液を流す向きを逆転させる方法については是非試してみたいと思います。

Kitは高価ですよね。
溶液組成がみつかるといいですね。

この度はいろいろとアドバイスを頂きありがとうございました。
また何か問題が発生した際にもアドバイス頂けますようよろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.1876-4 - 2010/01/10 (日) 14:18:04 - ats
> この時のcell lysateが濃すぎるのでしょうか?
マニュアルに適正な細胞数が載っていたと思いますが、90%は吸着しているようだし,,,。
Crudeというのは、カラムにアプライする前にfilter濾過で清浄化した液の事ですよね。
そうだとすると洗浄中に溶出されるのか、溶出液が足りない(流速が早い)かのどちらかだと思います。溶出液を1カラムVolくらい流して、少し時間を置き(5分くらい)もう一度溶出するのも良いかも知れませんね。
なお、カートリッジ膜状カラムの場合は、洗浄液を流す向きを逆転させると詰まりが解消されて操作しやすくなります。
お力になれなくて、すいません。
> ウイルス感染後、細胞回収時には培地がかなり黄色くなっているのですが、問題ないでしょうか?
Crudeで十分な力価が得られているから問題ないです。希釈液にはpH調整用のbufferも入っているようです(培地由来のphenol redが(赤)紫色になれば良いようです)。最近のprotocolは、感染後2日後くらいで細胞変性が起きないところで培地は捨てて細胞から調製するようになっています。私は感染直前(100%コンフルエント状態)で培地交換していますが、オレンジ色くらいになります。

kitが高価なので、自作できないかなとdiskカラムは見つけたので溶液組成を探しているこの頃です。

(無題) 削除/引用
No.1876-3 - 2010/01/10 (日) 13:50:05 - ウイルス初心者
atsさん

コメントどうもありがとうございます。

破砕液の希釈液は添加していますので、問題ないと思います。
精製過程の各フラクションを293Aにかけておおよその力価を比較してみたのですが、
Flowthrough画分はCrudeの10%程度でしたので、ある程度吸着しているものと判断しています。
溶出後濃縮前の画分がCrudeと同程度でしたので、うまく溶出されていないのかもしれませんね。

ウイルス産生はDMEM(high glucose)+10%FBSで行っています。
また、volumeが増加することを嫌って、175 cm2フラスコ10個分の細胞を20 mL程度のDMEMで再懸濁してから精製に使用しています。
この時のcell lysateが濃すぎるのでしょうか?

もう一点お伺いしたいことがあるのですが、
ウイルス感染後、細胞回収時には培地がかなり黄色くなっているのですが、問題ないでしょうか?
培地の変色がウイルス増殖の指標になってそうな印象を持っているのですが。

(無題) 削除/引用
No.1876-2 - 2010/01/10 (日) 12:28:29 - ats
Fast-Trap、Vivapureともにイオン交換膜による精製法ですね。
濃縮されない原因としていくつか考えられます。マニュアルに対策が載っていると思いますが、
(1)カラムに吸着していない=素通り画分にウィルスが同程度存在する。液組成に問題がある。流速が速すぎる。
(2)カラムから溶出しない。=fiber-mutant virusによっては溶出条件が変わる可能性があります。
溶出液が足りない、流速が速すぎる。
(3)吸着したとき失活した。kitなので考えずらい。
(4)溶出液の濃縮に失敗
大抵の原因は(1)だと思います。素通り画分を確認してください。細胞沈殿の破砕時にPBSを使うと吸着しなくなります(マニュアルに記載されていると思います)。
またカラムにアプライする前に破砕液を希釈する液が指定またはキットに含まれていると思いますが、使用しましたか。
なお、培養上清または破砕液の液量が多い場合はPEG/NaClでウィルスを沈殿・濃縮することができます(ただし力価によっては回収率が低くなることがあります)。
培養上清からも精製する場合、ウィルス産生時の血清濃度が低い方がカラムへの負荷が少ないせいか精製度も高いようです。advance DMEM培地+2%FBSでウィルス産生させています。

アデノウイルスの精製 削除/引用
No.1876-1 - 2010/01/08 (金) 23:00:44 - ウイルス初心者
アデノウイルスを扱い始めましたが、精製がうまくいかず困っています。

ミリポアのFast-Trap、ザルトリウスのVivapureを試したのですが、
精製、濃縮による力価の増加が認められません。
Crudeの状態(ある程度volumeあり)と最終的な精製状態(1 mL程度)で
力価がほとんど差がない状態です。
精製過程で失活しているのでしょうか?

高力価(10^11ー10^12 pfu)程度のウイルス溶液を調製したいのですが、
現在10^9程度しか得られていません。

アデノウイルスの精製において注意すべき点や良い精製方法を是非お教え頂けないでしょうか。

よろしくお願いします。

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