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腸管上皮細胞モデルについて トピック削除
No.1758-TOPIC - 2009/12/14 (月) 21:49:52 - bio
現在、結腸癌細胞 Caco-2を用いて、薬物代謝の研究をしている者です。

腸の研究において、in vitroモデルとしてよくCaco-2細胞が用いられます。
この細胞は癌細胞ですが、正常細胞と同じような挙動を示すからと聞きました。

しかし、いくら似た性質をもつからと言え、
最初から腸管上皮正常細胞を用いた方が良いのでは?と思っています。

そこで質問ですが、
なぜ腸管上皮モデルとして、正常細胞ではなく、caco-2が用いられるのでしょうか?
どなたかご教授下さい。
 
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crypt culture 削除/引用
No.1758-9 - 2009/12/20 (日) 07:01:49 - crypt culture
正常の腸上皮細胞ということであれば,crypt cultureという方法がHans Cleaversのlabの論文に載ってます。実験の目的,方法に合致するのであれば,やってみては如何でしょうか?

Nature. 2009 May 14;459(7244):262-5. Epub 2009 Mar 29.
Single Lgr5 stem cells build crypt-villus structures in vitro without a mesenchymal niche.
Sato T, Vries RG, Snippert HJ, van de Wetering M, Barker N, Stange DE, van Es JH, Abo A, Kujala P, Peters PJ, Clevers H.

Hubrecht Institute and University Medical Center Utrecht, Uppsalalaan 8, 3584CT Utrecht, The Netherlands.
The intestinal epithelium is the most rapidly self-renewing tissue in adult mammals. We have recently demonstrated the presence of about six cycling Lgr5(+) stem cells at the bottoms of small-intestinal crypts. Here we describe the establishment of long-term culture conditions under which single crypts undergo multiple crypt fission events, while simultanously generating villus-like epithelial domains in which all differentiated cell types are present. Single sorted Lgr5(+) stem cells can also initiate these cryptvillus organoids. Tracing experiments indicate that the Lgr5(+) stem-cell hierarchy is maintained in organoids. We conclude that intestinal cryptvillus units are self-organizing structures, which can be built from a single stem cell in the absence of a non-epithelial cellular niche.

(無題) 削除/引用
No.1758-8 - 2009/12/17 (木) 13:59:39 - mouse
TS様
詳しい解説ありがとうございます。勉強になりました。

(無題) 削除/引用
No.1758-7 - 2009/12/16 (水) 20:28:16 - TS
あ、言い忘れましたが、わたしがお答えしたのは、組織培養のような実験系での場合です。

EDTAなどで細胞分離して得られた上皮細胞は、極性も失いますし、限られた実験にしか対応できないと思います。生存期間は、分離方法に依存すると思いますが、以前に小腸から分離したときには、3時間後くらいで半分くらいの細胞でトリパンブルー排除能がなくなっていました。

(無題) 削除/引用
No.1758-6 - 2009/12/16 (水) 20:18:36 - TS
私の見解と、同様の実験をしている人に聞いた感じでは、

小腸:1時間くらい
結腸: 6〜12時間くらい です。

なぜか小腸は、損傷が圧倒的に速いですね。理由は定かではありませんが、絨毛が融解し始めてしまいます。おそらく内因性のProteaseによるものではないかとは想像が付くのですが、知人がProtease inhibitorなどを培養液中に入れてみても、あまり改善が見られなかったと言っていました。(わたしは試したことはないのですが)

結腸は、なぜか小腸よりも長持ちします。人によっては、24時間くらいいけるよ、と言っていましたが、それを一緒に聞いていた先生は、それはちょっと言い過ぎでしょう(笑)と笑っていました。でも少なくとも数時間はもつ、というところでは同意していました。

ただし、これら時間内であれば、すべての生命現象が生きているときと同程度である、と言う意味ではもちろんありません。より短時間でなければ、見れないものあると思いますし、現象によっては、そのしばりが緩いものもあると思います。

ちなみに私とその知人は、物質の吸収、透過、イオン分泌などを見ている実験系で、この程度の時間までが許容範囲、と感じています。

(無題) 削除/引用
No.1758-5 - 2009/12/16 (水) 07:45:41 - mouse
TS様

横から質問ですみません。
私は腸管上皮を使ったことはないのですが、分離した上皮細胞は実際のところはどの程度生存してるのでしょうか?オーバナイトで刺激したりくらいはできるのでしょうか??

(無題) 削除/引用
No.1758-4 - 2009/12/14 (月) 23:21:31 - TS
言い忘れましたが、摘出した消化管を in vitroで使うような実験は可能ですが、消化管上皮細胞はApoptosisをすぐに引き起こすのか、かなり短時間の実験以外は現実的には不可能です。

(無題) 削除/引用
No.1758-3 - 2009/12/14 (月) 23:17:42 - TS
えーと。

正常消化管上皮細胞株で消化管上皮細胞用に分化するものは、ずっとなかったと思います。いまでもATCCにも登録されてないですね。
そんなわけでCaco-2, T84などのガン細胞由来ではあるけど、消化管上皮細胞用に分化する細胞株が重宝され、使用されています。

一方で数年前に、(たしか大日本製薬だったと思うのですが)、消化管上皮用に分化する正常細胞株が市販されたと記憶しています。
私は使用したことはありませんで、一般的な細胞株のように継代できるかなどはよく知りません。それに、論文でもほとんど見たことないですし、実験に使用するに当たっては、自分で細胞の性質をCharacterizeしなければならないような気がします。

Caco-2,T84などは長らく使われてきたのもあって、バックグラウンドデータが多いのでそのあたりは助かりますね。

また、このような細胞株が使われる理由の1つには、ラットやマウスの消化管からの初代培養はとても難しく、基本的に確立されていないので、初代培養という選択肢を選びにくいということもあると思います。

(無題) 削除/引用
No.1758-2 - 2009/12/14 (月) 23:04:57 - MDS
腸管上皮正常細胞の培養法の確立はまだ不完全です。

特に初代培養系を用いた腸管上皮の培養系もかなり不安定要素ありありです。

腸管上皮を取り出し、分離することは可能です。

がしかし、腸管上皮が正常なふるまいをするためには腸内細菌などの共生が必要です。

ペニシリン、ストレプトマイシンの入っている培地でCaco-2を飼い、その細胞を正常細胞として扱うのは土台無理な話です。


しかし、今のところ、それしか方法がないからだと思います。


ちなみに、ラットの消化管上皮細胞(正常)の細胞株はあることはあります。

腸管上皮細胞モデルについて 削除/引用
No.1758-1 - 2009/12/14 (月) 21:49:52 - bio
現在、結腸癌細胞 Caco-2を用いて、薬物代謝の研究をしている者です。

腸の研究において、in vitroモデルとしてよくCaco-2細胞が用いられます。
この細胞は癌細胞ですが、正常細胞と同じような挙動を示すからと聞きました。

しかし、いくら似た性質をもつからと言え、
最初から腸管上皮正常細胞を用いた方が良いのでは?と思っています。

そこで質問ですが、
なぜ腸管上皮モデルとして、正常細胞ではなく、caco-2が用いられるのでしょうか?
どなたかご教授下さい。

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