これまでの経過から、ベクター側に問題があると考えられていたため、@intactのpMXsベクターの調製、A制限酵素消化およびゲルでのstuffer配列の除去、Bアダプター付加cDNAとベクターとのライゲーション、CDH10Bへの形質転換後の培養、の各ステップについて再度検討しました。
その結果、Aのライゲーションの際、これまでTaKaRa Ligation Mixを用いていたのですが、反応系でのDNA濃度を下げ、PEGを含まない反応条件でライゲーションしたところ、ベクターの削れたクローンが見られなくなりました。
ベクターのみでライゲーション反応を行い(Ligation Mix使用)、形質転換したDH10Bをプレート培養し、生育したクローンのインサートを調べたところ、セルフライゲーションでも切れ残りでもないクローンが主であったことからも、このステップがクリティカルに効いていたと考えられます。
PEGの働きによりDNAがcrowdedな環境下におかれ、ミスマッチライゲーションが起こりやすくなっていたことが原因なのではないかと考えられます。
今回の件は非常に勉強になりました。
ご意見をくださった皆さんに心から感謝致します。 |
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