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伝達物質の存在証明 トピック削除
No.1687-TOPIC - 2009/12/04 (金) 21:00:29 - ふくおか
いつも勉強させてもらっています。

今度シナプスに関する検討を行うことになりました。上司によるとシナプスにはmRNAがあるから凍結切片でシナプスがある領域をシナプトフィジンで同定して、別の未染色切片でそのあたりをレーザーマイクロキャプチャーで採取して伝達物質に対するRT-PCRをすれば良いということでした。

確かにシナプスには軸策流によってmRNAが運搬されているらしいのですが、本当に伝達物質に対する合成酵素も運搬されていると考えてよいのでしょうか?シナプスにあるタンパクの全てがシナプスで翻訳されるのではなく、タンパクによっては細胞体で翻訳されて、軸策流によって運ばれても良さそうなものなのになあとふと考えてしまいました。

具体的にはGABAが伝達物質として存在するかどうかを調べたいのですが、GAD65あるいはGAD67のRT-PCRをシナプスにおいてやるということで本当に良いのかどうか、ご経験、お知恵のあるかた、ご教授をどうかよろしくお願いします。
 
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(無題) 削除/引用
No.1687-15 - 2009/12/07 (月) 08:41:12 - CJ
ちょっと乗り遅れてしまいました。
in situ hybridizationの感度では軸索のmRNAの証明はきわめて難しいでしょう。細胞体くらいしか出ません。(強発現している細胞では近位樹状突起でもでます)
なお、GAD65とGAD67は細胞内局在が異なることが知られています。GAD65はより神経終末への局在が強いです。
ちなみにウミウシとかだったら樹状突起とか軸索でもしっかりmRNAが局在している、って研究がありますね。

みなさまありがとうございます。 削除/引用
No.1687-14 - 2009/12/06 (日) 11:14:48 - ふくおか
多くの方にコメントを頂きまして感謝しております。特にみ様、何度もお付き合いいただき、ありがとうございました。

とりあえず、やろうとしていることが常識的なことではないらしいということがわかりました。ただおお様のおっしゃるようにまったく非常識というわけでもないこともわかりました。神経についてはまったくの素人で、道具もほとんど持ち合わせておりませんが、とりあえずできそうなところから試してみようと思います。

ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.1687-13 - 2009/12/06 (日) 04:26:27 - おお
>[Re:11] ふくおかさんは書きました :

>
> 私は最初、単純にタンパクを運搬するよりもmRNAを運搬してシナプスで翻訳するほうが、mRNA1分子からタンパクが複数分子つくれるので、運搬コストがかからない程度の理解でした。でも伝達物質のような、すごく頻繁に消耗するものならやはり局所で作ったほうがお得じゃあ?GADは酵素だから1分子で何分子もGABA作れるか・・・。そしたらペプチド性の伝達物質とかの遺伝子にコードされているやつはどうなのかなあ。そういうレベルの話じゃないのかな?

この記述はコンセプトとしては確かにありうると思いますし、
シナプスでの翻訳は細胞体が1メートルとか離れている場合
即座にタンパクを作ったりしなければならないが時間的に
間に合わないという考え方もあります。

しかし、これは可也の部分が単なる想像です
(特に個々のタンパクについていうならば)。事実かどうか
分からない想像の本にその次のステップの実験をするのは
非常にトリッキーだとおもいますし、想像を信じ込んで
実験系が悪いから改善しないといけないと思うと、
最後までデーターがでません(だから絶対にやるな
というわけでもないです。そういう突拍子もない
実験が突破口になって新しいことが分かるかもしれませんので)。

一端その想像から一歩下がって、

>GAD65/67はシナプスにおいて局所翻訳されているのか、あるいは細胞体で翻訳されて軸索流にのってシナプスに運ばれるのか

に答えが出るような実験から始めるとか、シナプスで翻訳されていることを示すのに使われている実験系をまずは使って実験を進めていく方が得策では
ないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.1687-12 - 2009/12/06 (日) 04:19:32 - み
>[Re:11] ふくおかさんは書きました :
> すいません。何度も。
> うーん。ということは、たとえGAD65/67のmRNAがシナプスで存在証明できたとしても、それが意味のある、機能的なものというわけではなく、よく言うectopic expressionあるいは単なるtranscriptional leakという解釈になるかも知れないと理解すれば良いですか?


シナプスでのGAD mRNAの存在が証明されて、そこでの翻訳が確認できれば、ArcやCAMKなどと同様にLocal protein synthesisの概念に合うOne of themと言えるでしょうが、どれだけ有意なのかは細胞体でのmRNA含量に比して突起部分での含量が優位か等に因りますね。
決して否定はしませんよ。対象が末梢組織ということなので新しい概念に繋がるものなのかもしれません。

しかし、方法論としてはマイクロダイセクションではなくprimary cultureでのIn situなどかと。

うーん。 削除/引用
No.1687-11 - 2009/12/06 (日) 03:20:09 - ふくおか
すいません。何度も。

>末梢組織を基質にしてGABA mRNAがRT-PCR増幅できたとしても、別に不思議とは思わない。先に述べたように完全にOFFにしておく特別な理由がなければ、そのための機序を備える理由もないし、mRNA転写が漏れていても良いだろうというレベル。

うーん。ということは、たとえGAD65/67のmRNAがシナプスで存在証明できたとしても、それが意味のある、機能的なものというわけではなく、よく言うectopic expressionあるいは単なるtranscriptional leakという解釈になるかも知れないと理解すれば良いですか?

これまで多くの方に頂いたコメントを見る限りは細胞体における翻訳が基本のようですね。シナプスにおける翻訳という現象はシナプスで使用する全てのタンパクで起こっているわけではなく、長期記憶のような特別な機能発現のためにあえて行っている現象ということなんでしょうかねえ。

私は最初、単純にタンパクを運搬するよりもmRNAを運搬してシナプスで翻訳するほうが、mRNA1分子からタンパクが複数分子つくれるので、運搬コストがかからない程度の理解でした。でも伝達物質のような、すごく頻繁に消耗するものならやはり局所で作ったほうがお得じゃあ?GADは酵素だから1分子で何分子もGABA作れるか・・・。そしたらペプチド性の伝達物質とかの遺伝子にコードされているやつはどうなのかなあ。そういうレベルの話じゃないのかな?

(無題) 削除/引用
No.1687-10 - 2009/12/05 (土) 17:45:47 - み
>[Re:6] ふくおかさんは書きました :
>
> 神経のこと何にもわかっていないため、基本的なことさえ知らないのですが、アストロサイトもGABA合成酵素を転写・翻訳しているのですか?それともコンタミするゲノムDNAによってポジにでるという意味でしょうか?

この質問に対する答えとしては、どちらかと言えば前者です。しかし、アストロでも有意にGABAが合成されて機能しているという意味ではなく、GABA-mRNA発現を完全にOFFの状態にしているわけではないだろうという推察です。なので繰り返しますが「RT-PCRだったらいくらでも拾えるでしょう」という意味です。興奮性neuronをsourceにしてもGABA-mRNAはいくらでも増幅できるでしょうという意味です。やったことないですが・・・。

>
> 調べてみるとmRNAの局所翻訳は長期記憶とかに関与しているようですね。
樹状突起などにmRNA-リボソーマルコンプレックスが存在し、翻訳も検出されていますね。しかし一部の特殊な遺伝子に関する事象でしょう。Arcなど。


> 私が今単純に知りたいことは
> GAD65/67はシナプスにおいて局所翻訳されているのか、あるいは細胞体で翻訳されて軸索流にのってシナプスに運ばれるのかということです。

GABAnergic neuronを初代培養してIn situするのが得策ですね。
でも既に細胞体で優位であるとのコメントが出ていますね。

末梢組織を基質にしてGABA mRNAがRT-PCR増幅できたとしても、別に不思議とは思わない。先に述べたように完全にOFFにしておく特別な理由がなければ、そのための機序を備える理由もないし、mRNA転写が漏れていても良いだろうというレベル。

(無題) 削除/引用
No.1687-9 - 2009/12/05 (土) 16:36:09 - SY
神経伝達物質の染色などを専門的に行っています。
GABAに限ったことではありませんが、免疫染色をすると強く染まるのは細胞体です。in situでも。
み さんのおっしゃるように神経核で行うほうが一般的だと思います。
いくらレーザーキャプチャーマイクロディセクションを使ってもプレシナプスだけ取るなんて不可能だと思いますし、できるなら教えていただきたい技術です。

GABA−GABAの神経連絡はいくらでもありますので、取ってきたサンプルにはどちらも含まれてしまうのではないかと思います。

(無題) 削除/引用
No.1687-8 - 2009/12/05 (土) 13:35:33 - 通りがかり
おおさんのおっしゃる通り。
一例を示すと
Proc.Natl.Acad.Sci.USA Vol.83,pp.6193-6197,August1986 には
> Translation ofGAD mRNA is apparently restricted to neuronal cel bodies since GAD mRNA was detectable in neuronal perikarya but not in terminals.
なんて記述があるので、少なくとも小脳では細胞体での翻訳が主でしょう。

(無題) 削除/引用
No.1687-7 - 2009/12/05 (土) 10:40:55 - おお
>[Re:6] ふくおかさんは書きました :

>
> GAD65/67はシナプスにおいて局所翻訳されているのか、あるいは細胞体で翻訳されて軸索流にのってシナプスに運ばれるのか、
>

これは、文献検索して出てくれば、その文献の系では末端で
翻訳されている可能性があるし、出てこなかったら同定されていなので
どちらかか分からないくらいしかいえないのでは、、、、
明らかなネガティブコントロールとしては核タンパクとか
使えば何とかなるかもしれませんけど。

in situ hybridizationとかのほうがいいのかなぁ、知り合いが
mRNAの局所局在についてやり始めた様なので時間があれば
聞いておきますけど、、、

ただここで聞くよりは文献を探していく方が確実だと思いますよ。
実際に質問者様が示された実験系をしている文献がどの程度
あるでしょうか?

ありがとうございます。 削除/引用
No.1687-6 - 2009/12/05 (土) 09:57:14 - ふくおか
み様。ありがとうございます。

>細胞体1個(アストロサイトでも)が混入していたら何でも拾える系じゃないですか?という意味です。

神経のこと何にもわかっていないため、基本的なことさえ知らないのですが、アストロサイトもGABA合成酵素を転写・翻訳しているのですか?それともコンタミするゲノムDNAによってポジにでるという意味でしょうか?

調べてみるとmRNAの局所翻訳は長期記憶とかに関与しているようですね。

あまり詳しいことは言えませんが、我々の対象臓器は神経系でなく、末梢臓器です。

私が今単純に知りたいことは

GAD65/67はシナプスにおいて局所翻訳されているのか、あるいは細胞体で翻訳されて軸索流にのってシナプスに運ばれるのか、

ということです。

(無題) 削除/引用
No.1687-5 - 2009/12/05 (土) 01:39:28 - み
追記ですが、特定の神経核を対象にしてその細胞集団は主にどんな伝達物質を発現しているのか?という感じの実験ならRT-PCRでやってますよね。

視床下部の摂食関連の神経核部分とかを採取して、関連神経ペプチド・ホルモンなどを野生型と遺伝子改変マウスとで比較するなど。

先のコメントの通りシナプスレベルでは分取できないと思います。

(無題) 削除/引用
No.1687-4 - 2009/12/05 (土) 01:29:19 - み
>[Re:3] ふくおかさんは書きました :
> み様。ありがとうございます。
>
> 私はもしかしたらGADの場合はシナプスにmRNAがなく、そのためRT-PCRがネガになるのでは?という心配をしておりました。なのでとりあえずmRNAがあってポジになるのならOKなんです。

いえいえ危ない導入口だと思います。
細胞体1個(アストロサイトでも)が混入していたら何でも拾える系じゃないですか?という意味です。


> そこで再度質問に戻りますが、
>
> シナプスにあるタンパクの全てがシナプスで翻訳されるのでしょうか?
むしろ一部と考えておいた方が良いでしょう。しかしコンタミレベルでもRT-PCRなら拾えるのでは?という意味です。

ありがとうございます。 削除/引用
No.1687-3 - 2009/12/05 (土) 00:29:08 - ふくおか
み様。ありがとうございます。

私はもしかしたらGADの場合はシナプスにmRNAがなく、そのためRT-PCRがネガになるのでは?という心配をしておりました。なのでとりあえずmRNAがあってポジになるのならOKなんです。

なぜならまずは戦略としてRT-PCRでいろいろな伝達物質をスクリーニングして、詳細な検討はそのあとで行うということらしいからなんです。おっしゃるように決めのデータとしては免染などが必須になると思うのですが、なにぶん我々のラボは神経研究はしたことがないため、抗体もまったく持っておらず、50とも言われる伝達物質の全てに対応することが経済的に難しいからなんです。GABAに着目しているのは、既報に興味深いものがあるからで、まったくのハズレかもしれませんし、高い抗体を買う前にまず存在証明をしようと・・・。そういう流れなんです。


そこで再度質問に戻りますが、

シナプスにあるタンパクの全てがシナプスで翻訳されるのでしょうか?あるいはタンパクによっては細胞体で翻訳されて、軸策流によってシナプスに運ばれるのでしょうか?

おっしゃるようなテクニカルな問題については重々承知しておりますが、神経研究がまったく素人なもので、このような神経研究の基本みたいなことすらまったくわからないんです。

(無題) 削除/引用
No.1687-2 - 2009/12/05 (土) 00:13:42 - み
パッと読んだ感じ難しいでしょうね。っと言うより必ずRT-PCRで増幅できるのでは?っという感想です。

あなたの考えは間違ってはいないと思います。
光顕レベルの解像度でプレシナプスを染色して、その部分(シナプスだけ)を採取することすら不可能でしょうし。
例え海馬など細胞体・樹状突起などの層構造がはっきりしている部分でも樹状突起の層には無数のシナプスが存在し、しかも複数種のシナプスの入力が混在しているのでは?

そもそも何が目的なのかちょっと分らないのと、
それを達成するのにRT-PCRが適しているのかも疑問です。
脳の部分によって判別のし易さも変わるでしょうが・・・。
RT-PCRならコンタミまたは有意に発現していない細胞(興奮性neuronをsourceにしても)増幅できますよね。

免染でGADやポストシナプスに存在する蛋白群などを観察して判別するのは無理ですかね。

伝達物質の存在証明 削除/引用
No.1687-1 - 2009/12/04 (金) 21:00:29 - ふくおか
いつも勉強させてもらっています。

今度シナプスに関する検討を行うことになりました。上司によるとシナプスにはmRNAがあるから凍結切片でシナプスがある領域をシナプトフィジンで同定して、別の未染色切片でそのあたりをレーザーマイクロキャプチャーで採取して伝達物質に対するRT-PCRをすれば良いということでした。

確かにシナプスには軸策流によってmRNAが運搬されているらしいのですが、本当に伝達物質に対する合成酵素も運搬されていると考えてよいのでしょうか?シナプスにあるタンパクの全てがシナプスで翻訳されるのではなく、タンパクによっては細胞体で翻訳されて、軸策流によって運ばれても良さそうなものなのになあとふと考えてしまいました。

具体的にはGABAが伝達物質として存在するかどうかを調べたいのですが、GAD65あるいはGAD67のRT-PCRをシナプスにおいてやるということで本当に良いのかどうか、ご経験、お知恵のあるかた、ご教授をどうかよろしくお願いします。

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