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ホルムアルデヒドによるタンパク質とDNAの架橋の原理について トピック削除
No.1573-TOPIC - 2009/11/16 (月) 17:15:22 - CH2O
クロマチン免疫沈降などの際に行う、ホルムアルデヒドによるタンパク質とDNAの架橋の原理についてお聞きしたいことがあります。
ホルムアルデヒドのアルデヒド基がタンパク質やDNA(塩基)のアミノ基と反応して共有結合することはわかるのですが(下式)、この反応によってなぜタンパク質とDNAが架橋されるのかがわかりません。
O=CH2 + NH2-R ---> OH-CH2-NH-R

大変初歩的な質問とは思いますが、どうかお教え願いますようお願いいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.1573-13 - 2009/11/19 (木) 08:53:40 - AP
>とのことですが、自分の解釈としては、モノマーになったものが優先的に反応するので、平衡がモノマー側に移動し、結局はポリマーのパラホルムアルデヒドは大半がモノマーとして反応する、というものです。

確かに。これまであがった文献か他のどこかに、フォルムアルデヒド固定の性質として、(グルタールのように重合化していない)メチレングリコールモノマーのフォームをとるので浸透は早い、しかし反応速度自体は遅いという二面性が述べられていたと思います。このことからも、組織固定で主として働くのはモノマーで、モノマーが消費されるとオリゴマーが分解して補給され平衡するのでしょう。

浸透性があまり関係なさそうなライセートではオリゴマーも同じように反応しそうですが、タンパク質に付加した後でも分解して低量化、モノマー化しそうです。

(無題) 削除/引用
No.1573-12 - 2009/11/18 (水) 23:44:53 - in situ
APさんの文献で自分もかなり勉強になりました。
ありがとうございます。

APさんのあげてくれた文献を参考にするならば、やはり加水分解が主な反応ということになるのでしょうか。

ただ、還元剤の水素イオンのことは念頭になかったです。
不適切な表現をしてすいません。

あと、

>formaldehyde水溶液ではモノマーは11%程度しかなく、のこりはオリゴマーになっていて、2% formalinようにかなり濃度を薄くしてはじめて主としてモノマーで占められるようになるそうです。

とのことですが、自分の解釈としては、モノマーになったものが優先的に反応するので、平衡がモノマー側に移動し、結局はポリマーのパラホルムアルデヒドは大半がモノマーとして反応する、というものです。

APさんの文献にも、パラホルムアルデヒドが部分的に分解してホルムアルデヒドになって云々、とかかれておりますが、確定的なことは書いてないですよね。。

どうなんでしょう?

(無題) 削除/引用
No.1573-11 - 2009/11/18 (水) 21:38:26 - AP
そもそもformaldehydeの固定は可逆的で、formaldehydeを抜いた溶媒であらってやったり、それに少々熱を加えただけで逆反応(加水分解)で解けていくんじゃなかったですか。還元剤を入れるのは別の理由ではないでしょうか(たとえば、処理中に核酸が酸化変性するのを防止するためとか)。

>分解した方が反応できる分子が多くなることもあり、かなり分解した状態で反応しているのではないでしょうか。

formaldehyde水溶液ではモノマーは11%程度しかなく、のこりはオリゴマーになっていて、2% formalinようにかなり濃度を薄くしてはじめて主としてモノマーで占められるようになるそうです。

以上、ネタ元はこのあたり、
ttp://books.google.co.jp/books?id=ZVUwIzQzeaAC&pg=PA44&lpg=PA44&dq=formaldehyde+fix+reversible&source=bl&ots=v6tVMszacg&sig=2BVkmm1lMzdIRhz9fyb8w1Pd7To&hl=ja&ei=wd8DS9KyO5iQ6AOCyfyJAQ&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=6&ved=0CDIQ6AEwBQ#v=onepage&q=formaldehyde&f=false

in situ様 ありがとうございます 削除/引用
No.1573-9 - 2009/11/18 (水) 20:27:48 - CH2O
in situ様
早速のご返答ありがとうございます。

>水素分子がどこぞから供給されてくるとは思えないので、加水分解だとおもいます。

水素分子は還元剤(DTTや2-MEなど)から供給されると考えています。

私が示した式は、化学反応式としては不適切でした。申し訳ありません。
ご指摘ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.1573-8 - 2009/11/18 (水) 19:48:04 - in situ
高校化学の知識からですが、、


>この場合、
>(protein)-NH-CH2-NH-(DNA) ---> (protein)-NH2 + CH3-NH-(DNA)
>または、
>(protein)-NH-CH2-NH-(DNA) ---> (protein)-NH-CH3 NH2-(DNA)
>という反応が起きていると考えてよいのでしょうか?


水素分子がどこぞから供給されてくるとは思えないので、加水分解だとおもいます。

(protein)-NH-CH2-NH-(DNA) ---> (protein)-NH2 + HO-CH2-NH-(DNA)
または、
(protein)-NH-CH2-NH-(DNA) ---> (protein)-NH-CH2-OH NH2-(DNA)

だと思うのですが、違いましたらご指摘を。

パラホルムアルデヒドが
HO-(CH2O)n-H
ですので、

(protein)-NH-(CH2-O)n-CH2-NH-(DNA)

という結合も部分的には起こっていると考えられますが、分解した方が反応できる分子が多くなることもあり、かなり分解した状態で反応しているのではないでしょうか。(n=0とか1)

定量的な話でなくて申し訳ありません。

c 様 , AP 様 ありがとうございます。 削除/引用
No.1573-7 - 2009/11/18 (水) 19:40:42 - CH2O
c 様

早速のご返答ありがとうございます。
リンク先にホルムアルデヒドの架橋についての原理が詳しく書かれていて、大変参考になりました。
どうもありがとうございました。

AP 様

早速のご返答ありがとうございます。
偶然にも、c 様と同じリンク先だったのですが、詳しい原理が記されていて、大変参考になりました。
どうもありがとうございました。

質問ばかりで申し訳ないのですが、もう一つ質問させてください。
ホルムアルデヒドによるタンパク質とDNAの架橋は、
(protein)-NH-CH2-NH-(DNA)
という結合によるものであることがわかりましたが、
クロマチン免疫沈降では、タンパク質-DNA間の架橋を還元条件下で加熱して切断します。

この場合、
(protein)-NH-CH2-NH-(DNA) ---> (protein)-NH2 + CH3-NH-(DNA)
または、
(protein)-NH-CH2-NH-(DNA) ---> (protein)-NH-CH3 + NH2-(DNA)
という反応が起きていると考えてよいのでしょうか?

あるいは、実際にはホルムアルデヒドによるタンパク質とDNAの架橋は、
(protein)-NH-(CH2-O)n-CH2-NH-(DNA)
という結合によるもので、還元条件下で加熱すると
(protein)-NH-(CH2-O)n-CH2-NH-(DNA) ---> (protein)-NH2 + H-(CH2-O)n-CH2-NH-(DNA)
または、
(protein)-NH-(CH2-O)n-CH2-NH-(DNA) ---> (protein)-NH-(CH2-O)n-H + CH3-NH-(DNA)
という反応が起きているのでしょうか?

皆様は、どうお考えですか。
よろしければ皆様のお考えをお聞かせください。よろしくお願いします。

(((最初に投稿した質問文に文法的な誤りがあったので訂正します。
>どうかお教え願いますようお願いいたします。
訂正=どうかお教えくださいますようお願いいたします。)))

(無題) 削除/引用
No.1573-3 - 2009/11/18 (水) 14:26:56 - AP
formaldehyde固定は(少なくとも細胞・組織学の用途では)、フォルミル化修飾(アミンやSHに対する)によるもので、架橋作用は主要な要因ではなかったはずだけど、と思ってネット検索してみました。まあ読んでみてください。
ttp://publish.uwo.ca/~jkiernan/formglut.htm

通常、行うような固定ではほとんど
> O=CH2 + NH2-R ---> OH-CH2-NH-R
このフォルミル基付加で済んでいます。

formaldehydeの架橋反応は反応速度が著しく遅いと書かれていて、通常は考慮しなくてもいいんだと思いますが、起こったとしたら、
R-NH-CH2-NH-R
のように、methylene基として架橋するようです(水溶液では構造式をO=CH2と考えるより、HO-CH2-OH, methylene hydrate, methylene hydrate (methylene glycol?)としたほうが適切なようです)

通常は核酸にはあまり作用しないというようなことも書いてありますね。タンパク質のフォルミル化固定だけでも、周辺のタンパク質が固定されると核酸は凝集・不溶化(流動性がなくなったタンパク質のマトリックスに取り囲まれるとかで)ということみたいですね。
むしろ、架橋が起こってしまっては、あとからなるべくインタクトな核酸を分離しようとか、それともちろん抗原性を残したいとかいうのには不向きですね(だからこそ、主に架橋性の固定をするグルタルアルデヒドとの使い分けがされているんですね)。

(無題) 削除/引用
No.1573-2 - 2009/11/18 (水) 14:22:39 - c
ここのFigure 2にその化学的メカニズムが出ています。蛋白質間架橋の例ですが、DNA-蛋白質間架橋にもあてはまるとおもいます。
http://publish.uwo.ca/~jkiernan/formglut.htm

ほとんどの人はメカニズムを意識せずつかっているとおもうので、決して初歩的な疑問ではありません。

モノアルデヒドでもジアルデヒドのように振舞うものはしばしばあります。化学的背景にはマイケル付加反応とかもあって結構難しいですが、生体内で生じる毒性の強いアルデヒド化合物が関係するような病態では重要です。

ホルムアルデヒドによるタンパク質とDNAの架橋の原理について 削除/引用
No.1573-1 - 2009/11/16 (月) 17:15:22 - CH2O
クロマチン免疫沈降などの際に行う、ホルムアルデヒドによるタンパク質とDNAの架橋の原理についてお聞きしたいことがあります。
ホルムアルデヒドのアルデヒド基がタンパク質やDNA(塩基)のアミノ基と反応して共有結合することはわかるのですが(下式)、この反応によってなぜタンパク質とDNAが架橋されるのかがわかりません。
O=CH2 + NH2-R ---> OH-CH2-NH-R

大変初歩的な質問とは思いますが、どうかお教え願いますようお願いいたします。

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