いろんなやり方があるので、どのような方法を使われているかにもよると思うので一概には言えないのですが、よく行われる非イオン性界面活性剤(0.5% Triton X-100, NP-40など)を使う方法の場合、たしか10%くらいロスするというのをずっと前に見ました。かなり以前のことでもういま手元にないのでどの論文かお伝えできませんが、かなり古い論文でした。この方法は純度の高い核が得られますが、これらの界面活性剤は外膜は溶かすので、核の外膜についているような蛋白質の研究には向きませんし、時間や濃度によっては内膜にも影響が及ぶかもしれません。(界面活性剤にさらしている時間に左右されるようです。できれば10分以内に抑えた方がくらいがいいらしいです)。あと細胞の種類や由来組織によっても収量や核の壊れやすさにはけっこう違いがあるようです。MgCl2は核膜を安定化するといわれていますので入れたほうがいいと思います。(同じ理由でEDTAは避けた方がいい。)いずれにしてもどんな核蛋白質にもOKのBestな方法はないと思うので、調べたい蛋白質のリークが許容できる範囲ならばそれで仕事を進めてもよいのではないでしょうか。またリークが大きいようならば、スモールスケールでいくつかの異なる核の分画方法で比較してよりよい方法を選ぶとよいと思います。核蛋白質は他の蛋白質とおおきな複合体を作ってそのコンポーネントとして存在していたり、他の蛋白質やRNA、核マトリクス、クロマチン構造などと相互作用していたりするものが多いので、分子量が小さいからリークしやすいとは限らないので、いちおう調べたい蛋白質がちゃんと回収できているならばだいじょうぶではないかと思います。 |
|